名曲案内〜鍵盤楽曲編X〜

(ベートーヴェン〜リスト)



    
  特に女性は、ピアノを習うことからクラシックに慣れ親しんだ方が多いのではないでしょうか。  
  ここでは、クラシックを代表するピアノの名曲を紹介します。
  クラシック初心者の方、入門者の方は、まずは短くて聴きやすいピアノ曲からクラシックに触
  れていくのも良い方法かと思われます。

ベートーヴェン   ・モーツァルト   ・ラヴェル   ・リスト


鍵盤楽曲編T(サティ〜シューマン)へ     ・鍵盤楽曲編U(ショパン<前奏曲集>〜<ポロネーズ集>)へ

鍵盤楽曲編V(ショパン<ワルツ集>〜<ピアノソナタ第3番>)へ     ・鍵盤楽曲編W(ドビュッシー〜バッハ)へ




☆ベートーヴェン
作品NO.33 ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 ★★ 2021年3月最新更新
  
 ベートーヴェンは32作ものピアノ・ソナタを作曲しました。これは、ベートーヴェンの作曲したジャ
 ンルの中で最も多いです。
 その中で、特に有名なのが「悲愴」「月光」「熱情」の3つでして、ベートーヴェンの3大ピアノ・ソ
 ナタと呼ばれ、CDではこの3つがセットになっていることが多いので、とてもお買い得となっていま
 す。ベート−ヴェンとしてももちろん、あらゆるピアノ・ソナタを代表する3つの作品です。
 ピアノ・ソナタという形式は、「複数の」楽章から構成されているピアノ作品のことです。
 よって、ここでご紹介する「悲愴」の3曲の中で、「ピアノ名曲集」などの中に採り上げられていると
 りわけ有名な曲、この下のリンクから聴ける曲は、「悲愴」という1つの曲のことを指しているのでは
 なく、ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」の第2楽章のことです。初心者の方はご存知でしたか?
 なお、「ピアニスト列伝」の項で触れていますように、ベートーヴェンの3大ピアノ・ソナタといった
 らバックハウスギレリスを選べばまず間違いはないとされてきました。

第2楽章(バレンボイム演奏)
   ☆推薦盤☆    ◎ギレリス/(80)(グラモフォン)                    ▲河村尚子/(18)(RCA)                   S    ○バックハウス/(58)(デッカ)                 A    △リュビモフ/(92)(エラート)                 A    △インマゼール(19)(アルファ)                 A    △渡邊順生(09)(ALM)                    A    ・シフ/(04)(ECM)                     A    ・メジューエワ(19)(ビジン・クラシカル)            A        「悲愴」では古くからバックハウス盤が、近年はギレリス盤がベスト盤とされてきましたが、    現在は大変な乱立状態です。よって、お薦め度はカップリングやお値段を重視しました。    ◎は、「月光」がA評価、「熱情」がS評価で、かつ約1000円というお値段のギレリス盤    に、○は「月光」「熱情」「ワルトシュタイン」がすべてA評価で、かつ約1000円という    バックハウス盤にしました。    バックハウスとギレリスの第2楽章を比較してみますと、大衆に媚びない、厳しい演奏が大巨    匠バックハウスです。音色には大衆受けする華やかさはなく、「悲愴」という悲しみに満ちた、    芸術主義者特有の冷たさがあります。逆に、悲しさを優しく慰めてくれるような温かい演奏が    ギレリスではないかと思うのです。できれば両方聴いて頂きたいです。    河村尚子盤は「悲愴」「月光」のみで「熱情」は収録されていません。その割にはお高いです    ので、▲にとどめました。    古楽器(フォルテピアノと言います)演奏がお好みの方にはリュビモフ盤、インマゼール盤、    渡邊順生盤がお薦めですが、インマゼール盤は3枚組でお高いですし、リュビモフ盤も、共に    「熱情」は収録されていませんので、△としました。渡邊盤はお高いので△にとどめました。    シフ盤、メジューエワ盤は廃盤中のようです。   

作品NO.34 ピアノ・ソナタ第14番「月光」 ★★ 2021年3月最新更新
  
 第1楽章がとにかく有名な作品です。「月光」と言えばこの曲のことをいうのだと勘違いしている方が
 いらっしゃるかもしれませんが、この作品もピアノ・ソナタで、3つの楽章で構成されています。
 「月光」というタイトルは後世の人がつけたものですが、ベートーヴェン自身も「幻想的ソナタ」と名
 づけたらしく、それはおそらく第1楽章のことを指しているようです。それだけ、第1楽章の幻想さと
 「月光」という名のイメージがぴったりとくる名作です。
 第3楽章も、第1楽章の静けさとは一転して、冒頭から激しい曲となっており、聴きどころです。

第1楽章   第3楽章(ケンプ演奏)
 ☆推薦盤☆    ▲リュビモフ(12)(Alpha)               S    △ポリーニ/(91)(グラモフォン)              S    ◎ギレリス/(80)(グラモフォン)              A    ○バックハウス/(58)(デッカ)               A    △河村尚子/(18)(RCA)                 A    △インマゼール(19)(アルファ)               A    △ホロヴィッツ/(72)(SONY)              A    △グルダ(67)(デッカ)                   A        リュビモフ盤とポリーニ盤がS評価と一歩抜きんでた評価を得ていますが、カップリングやお    値段を考慮しますと、1番のお薦めはギレリス盤です。    このCDは「月光」以外のベートーヴェンの3大ピアノ・ソナタ、「悲愴」「熱情」が収録さ    れていながらも、1000円ちょっとですから、◎としました。○のバックハウス盤も同じ理    由です。ポリーニ盤はカップリングがよくありません。    古楽器演奏がお好みの方にはリュビモフ盤とインマゼール盤をお薦めしますが、インマゼール    盤は3枚組でお高いですので、リュビモフ盤を▲としました。A評価の「ワルトシュタイン」    も収録されています。    他、河村尚子盤はお高い点を、ホロヴィッツ盤、グルダ盤はカップリングがあまりよくない点    を考慮し、△としました。

作品NO.35 ピアノ・ソナタ第23番「熱情」 ★★★ 2021年3月最新更新
  
 「悲愴」「月光」と違って、この楽章が有名、という作品ではありませんが、内容的には一番深いです。
 「熱情」はその名の通り、ベートーヴェンの情熱的な魂が込められ、力強い作品です。
 第1楽章は運命動機も現れ、嵐のような厳しい感情が全体を吹き荒らします。第2楽章は静かな瞑想の
 曲で、そのままアタッカ(曲の間が途切れません。交響曲第5番「運命」がよい例です)で第3楽章へ
 と続きます。
 このフィナーレは感情の動きを書いた音楽でして、最後はプレスト(最速のテンポ)に変わって感情の
 爆発となります。まさに「3大ピアノ・ソナタ」の最後の作品にふさわしい内容と構成をもった作品で、
 ”ピアニズムの極地”とも言えますので、中〜上級者の方向けでしょうか。
 この作品で感銘を受けられれば、次は「テンペスト」「ワルトシュタイン」の鑑賞となります。全く感
 銘も何も受けなければ、「テンペスト」「ワルトシュタイン」などを無理して鑑賞なさる必要はないと
 思われます。
 
全曲(若きバレンボイム演奏)
 ☆推薦盤☆    ▲リヒテル/(60)(RCA)               S    ◎ギレリス/(80)(グラモフォン)            S    ○バックハウス/(59)(デッカ)             A    ・レヴィット(18)(SONY)              A    ・バレンボイム(05)(デッカ)              A    ・アラウ(65)(デッカ)                 A        例によって、ベートーヴェンの「3大ピアノ・ソナタ」である「悲愴」「月光」も収録されて    いて、かつお値段もお安いギレリス盤、バックハウス盤をそれぞれ◎、○としました。    S評価のリヒテル盤はお安いですが、カップリングが良くありませんので▲としました。    ギレリスとリヒテルは同じロシア出身のピアニストですが、いわゆる”ロシア学派”は打鍵の    強さで知られています。それゆえこのような激しい作品とは相性がいいのでしょうか。    レヴィット盤は9枚組、バレンボイム盤は10枚組の「ピアノ・ソナタ全集」ですが、音源が    同じか確証がありません。    アラウ盤は、そもそもCDの特定すらできておりません。

作品NO.36 ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 ★★★ 2021年3月最新更新
  
 ここにご紹介する「テンペスト」と次の「ワルトシュタイン」は、ベートーヴェンの「3大ピアノ・ソ
 ナタ」と呼ばれる「悲愴」「月光」「熱情」に次ぐ人気を誇っています。内容は「3大ピアノ・ソナタ」
 よりも深く、大作ですので、中〜上級者の方向けでしょうか。
 「3大ピアノ・ソナタ」はあらゆるピアノ作品の中でも最も初心者の方にお薦めできる親しみ易さがあ
 りますが、こちらの2作品は「3大ピアノ・ソナタ」を聴き込んだ方向けです。そうでないときっと飽
 きてしまうでしょう。奥深いのですが、これと言った印象的な旋律に欠けます。ピアニズムの凄さが魅
 力的な作品です。
 なお、ベートーヴェンの弟子が、「テンペスト」という名の由来について尋ねたところ、「シェークス
 ピアの『テンペスト』を読め」と答えたというのが副題の由来のようです。
 どうしてもお知りになりたい方はこちらからどうぞ
第1楽章(バレンボイム演奏)   第3楽章(ケンプ演奏)
 ☆推薦盤☆    ▲リヒテル/(61)(ワーナー)                S    △シュタイアー(17、18)(ハルモニア・ムンディ)      S    ○ギレリス/(81)(グラモフォン)                  ◎バックハウス(63)(デッカ)                A    △リュビモフ(12)(Alpha)               A    △ポリーニ(88)(グラモフォン)               A    現在では、古くからの名盤であるリヒテル盤と、古楽器演奏のシュタイアー盤がS評価です。    シュタイアー盤は2枚組でちょっとお高い点を考慮し、△としました。同じく古楽器演奏のリ    ュビモフ盤は、他の作曲家の作品と一緒に収録されている7枚組ですが、2枚組のシュタイア    ー盤よりもお安いです。どちらも、古楽器ファンの方はお好みでどうぞ。    リヒテル盤は、カップリングを考慮して▲にとどめました。お安いのは魅力的です。    その点、カップリングがA評価の「ワルトシュタイン」でありながらもお安いバックハウス盤    を◎としました。    ギレリス盤は、以前に比べて評価が下がっていますので「」としましたが、実績は申し分な    いですし、カップリングの「ワルトシュタイン」も「」で、かつお安いですので、お薦め度    は○とし、カップリングの「ワルトシュタイン」もA評価のポリーニ盤を△としました。

作品NO.37 ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」 ★★★★ 2021年3月最新更新
  
 「3大ピアノ・ソナタ」を聴いて、テンペストも聴いたとなると、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの
 次の関門はこの「ワルトシュタイン」ということになるでしょうか。「テンペスト」と同じく、中級者
 の方から上級者の方向けの大曲です。
 非常に内容の濃い名作で、とても初心者の方向けではないのでご注意下さい。
 「ワルトシュタイン」とは、ベートーヴェンが尊敬していた人物名であるとのことです。

第1楽章(何とギレリス演奏!)
 ☆推薦盤☆      ・レヴィット(17)(SONY)                S    ○ギレリス/(81)(グラモフォン)                  ◎バックハウス(60)(デッカ)                A    ▲リュビモフ(12)(Alpha)               A    △ポリーニ/(88)(グラモフォン)              A    ・グルダ/(67)(デッカ)                  A       S評価のレヴィット盤は9枚組のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集です。確実に音源が同    じかの確証を得られておりません。    そこで、A評価の「テンペスト」とカップリングでお安いバックハウス盤を◎に、同じくカッ    プリングの「テンペスト」が「」でお安いギレリス盤を○としました。    ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ」の中でもとりわけ有名な「悲愴」「月光」「熱情」「テ    ンペスト」「ワルトシュタイン」の5つをここでご紹介しておりますが、お薦めCDは、カッ    プリングとお値段を考慮すると、結局ギレリス盤かバックハウス盤になりました。どちらも約    1000円ですので、5つの代表作は、計2枚、約2000円でことたりるということになり    ます。お高いCD1枚分よりもお安く「定盤」をご堪能頂けますので、これは非常にお得なお    話ではないでしょうか。    古楽器ファンの方には、S評価の「月光」が収録されているリュビモフ盤をお薦めします。    ポリーニ盤は、同じくA評価の「テンペスト」が収録されています。    一番下のグルダ盤は、12枚組の全集でして、音源の確証が得られておりません。

作品NO.236 ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴイーア」 ★★★★ 2021年3月最新更新
  
 ベートーヴェンの32のピアノ・ソナタの中でも比較的規模の大きな大作で、作曲活動の後期に作られ
 ました。常に革命的技法、形式を追求してきたベートーヴェンの作品だけに、作曲当時としては異様と
 も言える規模と内容を誇っています。ピアノ・ソナタながら、第4楽章まであり、演奏時間は約50分
 です。よって、中級者の方から上級者の方向けの作品でしょう。
 ベートーヴェンがピアノだけで達成した壮大な音楽の世界が堪能できる作品です。
 第1楽章の冒頭の壮麗さ、第3楽章の美しい旋律、そして雄渾な第4楽章が聴きどころと言われていま
 す。

全楽章(アシュケナージ演奏)
 ☆推薦盤☆      ◎ポリーニ/(76)(グラモフォン)             SS    ○ギレリス/(82)(グラモフォン)              A    ・ブラウティハム(07)(BIS)               A    ▲ソコロフ(13)(グラモフォン)               A      SS評価のポリーニ盤は、1976年の録音で、テクニック的に脂がのっている時期の演奏で    す。名盤を多く輩出しているポリーニの代表盤の一つと言われているくらいのCDで、確かに    テクニックは抜群で、壮麗なベートーヴェンとなっています。更に2枚組ながらさほどお高く    はありませんので、文句なくお薦め度◎としました。    お薦め度○は1枚ものでお安いギレリス盤としました。    古楽器(フォルテピアノ)演奏のブラウティハム盤は廃盤中のようです。    ソコロフ盤もポリーニ盤と同じく2枚組ですが、ややお高いのでお薦め度は▲としました。

☆モーツァルト
作品NO.145 ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲つき」 ★ 2017年1月最新更新
  
 モーツァルトのピアノソナタの中で最も有名なのは、何といってもこの第11番です。第3楽章が、か
 の有名なトルコ行進曲です。この曲は「ピアノ名曲集」などのオムニバス盤に入っていることが多いで
 すので単品と思われがちですが、実はこのピアノソナタ第11番の第3楽章なのです。
 ここでは第11番しかご紹介していませんが、他にもモーツァルティックなチャーミングなピアノソナ
 タはたくさんあります。CDを買えば当然第11番以外のピアノソナタもカップリングされていますの
 で、ぜひそちらの曲にも耳を傾けて頂きたいと思います。余裕があったらピアノソナタ全集もどうぞ。

第3楽章「トルコ行進曲」
   ☆推薦盤☆     ◎ピリス/(90)(グラモフォン)               SS お薦め!    ○内田光子/(83)(デッカ)                  A    ・シュタイアー/(04)(ハルモニアムンディ・フランス)     A    ・シュタイアー/(04)(ハルモニアムンディ・フランス)     A    ▲ギーゼキング/(53)(ワーナー)               A    二人の女性ピアニストが健闘しています。    ピリス盤がSS評価です。内田光子は日本人だからといって私がひいきしているわけではなく、    2011年にグラミー賞を受賞したように、実際に世界的な評価は高いですので、是非覚えて    頂きたいところです。内田はモーツァルト弾きのピアニストです。    お値段やカップリングからすると甲乙つけがたいのですが、素直にピリス盤をお薦め度◎とし    ました。    シュタイアー盤は、フォルテピアノという古楽器演奏です。古楽器ならではの斬新なアプロー    チが人気のCDです。国内盤は廃盤中です。輸入盤は、おそらく同じ音源で間違いないと思わ    れるのですが、100%の確証はありません。    3番手はギーゼキング盤です。古くからこの作品の定盤ですが、やはり録音が古いのがネック    です。    <更新のポイント> シュタイアー盤を追加しました。

☆ラヴェル
作品NO.164 夜のガスパール ★★★ 2016年9月最新更新
  
 ラヴェルのピアノ曲には魅力的な作品が多いです。もちろん、ここで紹介する「夜のガスパール」も代
 表作の一つですが、ピアノを弾く方やピアノ曲のファンの方にとっては、「他にもいい曲があるのに」 
 と反感を頂きそうです。事実、この曲は代表作の一つではありますが、あまりに暗く、人気が伴ってい
 るとは言えない状況です。ではなぜ採り上げたのかと言いますと、非常に難曲として名高いということ
 と、怪奇と幻想の世界をこれほど見事に描写した作品も稀であるからです。
 全3曲からなり、第1曲「水の精」は夫に裏切られた女性の怨念を、第2曲「絞首台」はその名の通り、
 絞首台に吊り下がる死体を、第3曲「スカルボ」は地底のグロテスクな小人を描写しています。
 想像しただけで怖いですね。

第3曲「スカルボ」(ポゴレリチ演奏)
 ☆推薦盤☆   ★◎アルゲリッチ/(74)(グラモフォン)          SS お薦め!    ○アルゲリッチ/(74)(グラモフォン)          SS    ▲フランソワ/(66、67)(エラート)           A    △ポゴレリチ/(82)(グラモフォン)            B        この作品は即興性が強く、演奏者の個性がかなり顕著に表れます。ラヴェル自身がそう意図し    たようです。よって、自由奔放な演奏スタイルのピアニストと相性がいいようです。詳しくは    「名ピアニスト列伝」を御覧頂きたいのですが、推薦盤に挙げたアルゲリッチフランソワ、    ポゴレリチの3人には、天才肌であることと、自由奔放なスタイルであることが見事に共通し    ています。    「自由奔放」といったら、もうアルゲリッチの独壇場。当然のダントツのSS評価で、当面は    この演奏を超えるものはなさそうなほどの評価を得ています。しかも、一番上のCDのカップ    リングはSS評価のプロコフィエフの「ピアノ協奏曲」と、A評価のラヴェルのピアノ協奏曲    ですから相当お得なCDなのです。上から2番目はラヴェルのピアノ曲集です。    A評価のフランソワにしても、彼は自由奔放そのもののピアニストで、ムラッ気が多いピアニ    ストとして知られていましたが、この演奏はまさに彼のツボにはまったのでしょう。    ポゴレリチ盤はB評価以下の代表としてご紹介。未だにこれといってめぼしいCDがないので    すが、上手くハマった時は物凄い演奏を聴かせる天才肌です。ファンの方向けです。          <更新のポイント> アルゲリッチの再発売盤を追加しました。

☆リスト
作品NO.107 ピアノ・ソナタ ★★ 2021年4月最新更新
  
 この「ピアノ・ソナタ」はリストの最高傑作であるだけでなく、ロマン派の代表的ピアノ曲でもあると
 の誉れが高い作品です。
 発表された当時は非常に革新的な作品でしたので、賛否が分かれました。この作品ほど論争を巻き起こ
 した作品も歴史上ないらしいです。
 一応4つの楽章から構成されていることにはなっていますが、楽章同士の間が途切れずに続けて一気に
 演奏されるため、構成に関しては今でもなお物議を醸しています。リストが発明した「交響詩」と同じ
 演奏の仕方です。
 なお、この作品は有名ですので、ピアノ経験のある方でリストを弾いたことがある方は、この作品を弾
 いたことがある方も多いのではないでしょうか。

全曲(ユンディ・リ演奏)
 ☆推薦盤☆     ・エマール(11)(グラモフォン)               S    ・ポリーニ/(89)(グラモフォン)              S    ◎アルゲリッチ/(71)(グラモフォン)            A    〇ツィメルマン(90)(グラモフォン)             A    ▲ポゴレリチ/(90)(グラモフォン)             A    評価の高いエマール盤、ポリーニ盤はいずれも廃盤中です。    他、3枚をご紹介していますが、中でも◎は古くから定評があるアルゲリッチ盤です。    残りのツィメルマン盤とポゴレリチ盤の2枚ですが、正直甲乙はつげがたいですので、    便宜的にツィメルマン盤を〇、ポゴレリチ盤を▲としました。


   
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