☆ドビュッシー |
作品NO.82 「映像」第1&第2集 ★★★ 2021年2月最新更新 |
ドビュッシーの「映像」は全部で第4集までありますが、そのうちピアノ独奏のために書かれているの
が、第1集と第2集の2つです。両方とも3曲からなるので、合計6曲です。CDではこの6曲だけ収
録というわけにはいきませんので、ドビュッシーの他の作品とカップリングになっていることが一般的
です。
ドビュッシーといえば「印象主義」ですが、言葉よりも、下のリンクから聴ける第1集第1曲「水の反
映」を聴いて頂いた方が分かりやすいです。第1、第2集の中で最も有名な曲です。
ドビュッシーは作曲した後、第1集の出来に相当な自信をもっていたらしく、出版社宛に「ピアノ作品
の中でシューマンの左かショパンの右に位置する」と書いたと言われています。
第1集 第1曲「水の反映」(何とミケランジェリ演奏!)
☆推薦盤☆
◎ミケランジェリ/(71)(グラモフォン) S
○エマール/(02)(ワーナー) S
・バヴゼ/(08)(Chandos) A
▲フランソワ/(68〜70)(ワーナー) A
・ギーゼキング/(53)(EMI) B
2枚のS評価のCDがありますが、今までこの作品の定盤中の定盤となっていた実績、かつカ
ップリング(前奏曲集第1巻だけで第2巻はありません)を勘案しまして、ミケランジェリ盤
をお薦め度◎としました。とは言え、お薦め度○のエマール盤も、色彩感豊かで、演奏そのも
のは決して劣っていないという高評価を得ています。現在、世界屈指のドビュッシー弾きです。
バヴゼは、下2つにもご紹介していますように、ドビュッシーのピアノ曲が得意なようです。
おそらく間違いないでしょうが、音源が100%同じかの確認がとれておりません。
そこでフランソワ盤を挙げ、お薦め度▲としてはおきましたが、CDは4枚組の全集です。
ドビュッシーが得意なフランソワだけに、お得と言えばお得です。
ギーゼキング盤は旧EMIのCDですので、廃盤中です。いずれワーナーミュージックから再発
売されると思われますが、録音が古いのがネックです。評価も急落しています。
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作品NO.83 前奏曲集 第1&第2巻 ★★★ 2021年2月最新更新 |
「亜麻色の髪の乙女」はご存知でしょうか。「亜麻色の〜長い髪を〜風がやーさしく包む〜♪」昔ヴィ
レッジシンガーズが歌った曲を島谷ひとみがカバーして再ヒットしました。詳しい方はドラクエのすぎ
やまこういち作曲ということまで知っているあの曲です。何とあの曲、実はドビュッシーが…違います。
同じ曲名でも全く関係ないのでした。その「亜麻色の髪の乙女」は時々単品で演奏されるくらいドビュ
ッシーの作品の中ではポピュラーな曲で、前奏曲集第1巻の第8曲です。
前奏曲集はショパンと同じく、12曲ずつの第1巻と第2巻の合計24曲から構成されています。「亜
麻色の髪の乙女」があるせいか、第1巻の方が断然第2巻より優遇されており、第1巻のみ収録のCD
も多いです。
「亜麻色の髪の乙女」(何とミケランジェリ演奏!)
☆推薦盤☆
・ミケランジェリ/(78、88)(グラモフォン) S
◎ツィメルマン/(91)(グラモフォン) S
・エマール/(12)(グラモフォン) A
○オズボーン/(06)(Hyperion) A輸
・バヴゼ/(06)(Chandos) A
▲リュビモフ(11)(ECM) A輸
・ギーゼキング/(53、54)(EMI) B
推薦盤は多めに挙げたのですが、廃盤などが多く、寂しいご紹介となってしまいました。
一番上のミケランジェリのCDは廃盤中のようです。
◎にしたツィメルマン盤は、唯一のドビュッシーの録音で、繊細なタッチと色彩感が素晴らし
いです。
今や現役屈指のドビュッシー弾きであるエマール盤は廃盤中です。
続く、オズボーン盤をお薦め度○としました。
バヴゼ盤は、おそらく同じ音源と思われますが、100%の確証が得られておりません。
よって、リュビモフ盤を▲としました。2枚組の輸入盤としてはちょっとお高いです。
次には、古くから名盤の誉れ高いギーゼキング盤を挙げてありますが、録音が古いのが難点で
すし、現在廃盤中です。
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作品NO.84 組曲「子供の領分」 ★★★ 2021年2月最新更新 |
この組曲は6曲で構成されています。よって、CDではドビュッシーの他のピアノ作品とカップリング
されているのが一般的です。
「子供の領分」の「子供」とは、ドビュッシーが前妻と離婚後、後妻との間に、43歳にして初めて授
かった娘、シュウシュウのことを指しています。彼はこの娘を溺愛し、「子供の領分」を捧げたという
のが名前の由来で、子供用の練習曲という意味ではありません。全曲に英語の副題がついています。
一番有名なのは第6曲です。
全曲 第6曲(何とドビュッシー自作自演?)
☆推薦盤☆
◎ミケランジェリ/(71)(グラモフォン) S
▲フレイレ/(08)(デッカ) S
○フランソワ/(68)(ワーナー) A
・バヴゼ/(07)(Chandos) A
・コルトー/(53)(EMI) A輸
△ギーゼキング/(53)(ワーナー) B
フレイル盤も素晴らしいのですが、この作品においても、長い間「定盤」として君臨してきた
ミケランジェリ盤をお薦め度◎としたいと思います。
ミケランジェリ盤は上でご紹介しているS評価の「映像」とのカップリングという点も大きい
です。
フランソワ盤は、「ドビュッシー ピアノ名曲集」というCDで、非常に評価の高い「版画」
と「ベルガマスク組曲」が収録されていますので、CDとしてのお得さを考慮して、お薦め度
○としました。
バウゼ盤は、おそらく同じ音源と思われますが、100%の確証が得られておりません。
コルトー盤も同じ音源の確証が無く、かつ廃盤中です。
ギーゼキング盤は録音が古いのが難点です。
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☆バッハ |
作品NO.7 オルガン作品集 ★★ 2021年2月最新更新 |
「バッハ」と言ったら、やはりオルガン曲というイメージが強いでしょう。
オルガンやピアノ、チェンバロは、「鍵盤楽器」(クラヴィーア)と言います。
下にリンクがある「トッカータとフーガ」「小フーガト短調」は学校の音楽の授業で誰もが一度は聴い
たことがあるのではないでしょうか。「トッカータ」「小フーガト短調」は、音楽の形式が曲名になっ
ているものです。
下のYOUTUBEで、壮大なパイプオルガンの音色を演奏動画と共にお楽しみ下さい。
なお、オルガン曲はバッハの時代、すなわちバロック時代に多く作曲されましたが、後のモーツァルト
らの古典派の時代以降で有名曲としてお目にかかれるものはほとんどありません。
トッカータとフーガ 小フーガト短調(コープマン演奏)
☆推薦盤☆
◎ヴァルヒャ/(56〜71)(アルヒーフ) 抜粋盤 13曲 S
▲ヴァルヒャ/(56〜71)(アルヒーフ) 全集 S輸
△ヴァルヒャ/(56〜71?)(グラモフォン) 抜粋盤 29曲 S輸
○コープマン/(94〜99)(ワーナー) 全集 S輸
△リヒター/(64、66〜68、73、78)(アルヒーフ)抜粋盤 37曲 伝輸
・リヒター/(64、66、67、78)(アルヒーフ) 抜粋盤 11曲 伝
全集ならばCD15枚前後で、抜粋盤ならば1枚から数枚です。
輸入盤では曲名がよく分かりませんから、バッハの作品番号(BWV)で一々調べるには大変な
手間がかかりますが、国内盤は廃盤中のものが多いです。
◎にしたのはヴァルヒャの1枚もの、国内盤ですが、有名な曲は収録されています。56年とい
う古い録音の曲も入っていますが、音質はほとんど気にならないのでご安心下さい。
全集としましては、2番目の輸入盤しかありません。
なお、ヴァルヒャという演奏家は、盲目のオルガニストで、現代楽器による演奏です。
同じくS評価のコープマンの全集は、国内盤は廃盤中ですので、輸入盤を挙げておきました。
コープマンは古楽器演奏です。
後は、お馴染みリヒターによる演奏ですが、リヒターにはそもそも全集はないようです。
抜粋盤として、37曲収録の輸入盤を挙げておきました。100%同じ音源と断言はできません
が、まず間違いないと思われます。
一番下、リヒターの1枚ものは国内盤なのですが、曲数が少なく、また、上でご紹介している超
有名な「小フーガト短調(BWV578)」が収録されていませんのでお薦めはできません。
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作品NO.8 イギリス組曲 ★★★ 2021年2月最新更新 |
バッハはオルガン専用の曲を作曲すると共に、いわゆる「鍵盤楽曲(クラヴィーア曲)」も多く作曲し
ました。「鍵盤楽曲」とは、バッハの時代にはピアノはまだあまり普及していませんでしたので、オル
ガン専用の作品と、概ねチェンバロとクラヴィコード(鍵盤楽器の一種です。14世紀頃に発明され、
オルガンやチェンバロ、ピアノなどと並行して16世紀から18世紀にかけて広く使用されました。)
のための作品とされています。
ここでご紹介する「イギリス組曲」はその代表的な曲集です。第6番までの22曲から構成され、すべ
ての曲集は、前奏曲→アルマンド→クーラント→サラバンド→ジーグという形式(詳しくは他のサイト
をご覧下さい)の5曲を基本として、サラバンドとジーグの間に、6つの曲集独自の舞曲が配置されて
いるという形式になっています。舞曲とは、「ガボット」や「メヌエット」(曲の形式、様式の呼び名
です)などで、例を挙げますと、最もよく知られていて、演奏機会も多いのが下のリンクから聴ける第
6番の「ガボット」です。
「イギリス」という名の由来は確実ではなく、現在では、バッハ自身が「イギリスの貴人のために作曲
した」という逸話に基づいているとされています。
なお、CDでは、イギリス組曲集としてではなく、そのうちの何番かをバッハの他の作品などとカップ
リングさせているものもあるのでご注意下さい。「イギリス組曲」全曲盤をお求めの方は、下の推薦盤
でご紹介しているように6つの曲集が揃ったものをお求め下さい。
第6番
☆推薦盤☆
◎グールド/(71〜76)(SONY) S
・ルセ/(04)(アンブロワジー) S
○レオンハルト/(84)(エラート) A
▲西山まりえ/(09)(OMF) A
グレン・グールドは20世紀を代表するピアニストで、バッハの大家として名高いです。それ
も大家という枠に収まらず、バッハの鍵盤楽曲演奏(ピアノ)は、ほぼ全ての作品のCDをと
っても、20世紀中は、他の演奏家の手の届く域ではなく、絶対的な名盤として君臨してきま
した。しかし、学問的研究も進んで、21世紀の今や、バッハ演奏はほとんどが古楽器演奏と
なっています。
ところが、この作品においては、廃盤や輸入盤が多く、今でもグールドの演奏がベスト盤とい
うことになるでしょうか。個人的に、輸入盤ではなく、日本語の解説を参考に鑑賞して頂きた
いからです。
2枚組ですので少々お高いですが、お薦め度◎としました。グールドがバッハの演奏をする時
は現代楽器のピアノですのでお気をつけ下さい。
ルセ盤は、チェンバロの「ストラディヴァリウス(最高級です)」と称される名器と、メリハ
リの効いた表現が好評なのですが、国内盤、輸入盤共に廃盤中のようです。今の潮流を考慮す
ればこちらを◎にしたいくらいなのですが…
レオンハルトは古くから安定感のあるチェンバロ奏者で、古楽器、特にバッハにおいては第一
人者的存在です。古楽器がお好きな方、あるいはチェンバロ(大変惹きつけられる音色が魅力
です)で聴きたい方には、グールド盤よりもこちらの演奏がお薦めです。お値段もお得です。
西山まりえ盤もチェンバロです。
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作品NO.230 フランス組曲 ★★★ 2021年2月最新更新 |
バッハが作曲した鍵盤楽曲の組曲としては、上記の「イギリス組曲」に匹敵する、規模の大きな鍵盤楽
曲です。6つの組曲から構成されています。
第5番までは、新妻アンナ・マグダレーナに贈ったもので、第6番はあとから付け加えたものとされて
います。
この作品も「イギリス組曲」同様、アルマンド→クラント→サラバンド→ジーグにメヌエットなどの舞
曲が加えられていますが、前奏曲はないですので、その分、「イギリス組曲」よりも小規模となってい
ます。最も親しまれているのは第5番です。
第5番
☆推薦盤☆
・ルセ/(04)(アンブロワジー) S
○グールド/(71〜73)(SONY) S
◎エガー/(15)(ハルモニア・ムンディ) A
▲レオンハルト/(75)(セオン) A
グレン・グールドは20世紀を代表するピアニストで、バッハの大家として名高いです。それ
も大家という枠に収まらず、バッハの鍵盤楽曲演奏(ピアノ)は、ほぼ全ての作品のCDをと
っても、20世紀中は、他の演奏家の手の届く域ではなく、絶対的な名盤として君臨してきま
した。しかし、学問的研究も進んで、21世紀の今や、バッハ演奏はほとんどが古楽器演奏と
なっています。
評価が高いのはルセ盤なのですが、現在、国内盤も輸入盤も廃盤中です。ですので、お薦めと
しましては、チェンバロ演奏のエガー盤(日本語解説書つきの輸入盤です)か、ピアノのグー
ルド盤かということになりますが、今日の状況を鑑みまして、イチオシはエガー盤としました。
古楽器のレオンハルト盤ですが、期間限定の1000円程度のCDもあるようでして、在庫次
第ではそちらをお求めになる方がお得です。
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作品NO.231 パルティータ全曲 ★★ 2021年2月最新更新 |
「パルティータ」という用語は、器楽曲のジャンルのことでして、元々は変奏曲、後に組曲を意味する
ようになりました。バッハには、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」という作品も
あります。
「イギリス組曲」「フランス組曲」に続く、バッハの第3番目の鍵盤楽器の組曲集です。
作曲年ははっきりとはしていませんが、「クラヴィーア練習曲集第1巻」として出版されました。
クラヴィーアとは、鍵盤楽器のことです。
構成は4つの舞曲が基本となっていまして、冒頭に前奏曲、シンフォニア、幻想曲、序曲、トッカータ
などを配して、曲中にもスケルツォ、ブルレスカ、カプリッチョ、アリア、エールなどの舞曲以外が織
りまぜられています。
第1番(リヒター演奏)
☆推薦盤☆
・シュタイアー/(93)(ドイツ・ハルモニア・ムンディ) S
◎グールド/(57〜63)(SONY) 伝
○レオンハルト/(86)(エラート) A
▲武久源造/(14)(ALM) A
グレン・グールドは20世紀を代表するピアニストで、バッハの大家として名高いです。それ
も大家という枠に収まらず、バッハの鍵盤楽曲演奏(ピアノ)は、ほぼ全ての作品のCDをと
っても、20世紀中は、他の演奏家の手の届く域ではなく、絶対的な名盤として君臨してきま
した。しかし、学問的研究も進んで、21世紀の今や、バッハ演奏はほとんどが古楽器演奏と
なっています。
最もお薦めしたいのはシュタイアー盤なのですが、現在、国内盤も輸入盤も廃盤中です。です
ので、お薦め度◎としては、無難なグールド盤としました。
武久源造盤は、ジルバーマン・ピアノという珍しい古楽器による演奏です。レオンハルト盤は
お馴染みのチェンバロによるオーソドックスな演奏ですので、こちらをお薦め度○としました。
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作品NO.232 平均律クラヴィーア曲集 ★★★ 2021年2月最新更新 |
元々練習用として作曲された曲集ですが、バッハはそれを芸術作品の域にまで高めました。
第1巻と第2巻の2つから構成されていまして、第1巻は1722年、第2巻は1742年に完成と、
かなり年代に開きはあります。
12の長調と12の短調の計24の調律による曲集でして、ハ長調→ハ短調→嬰ハ長調→嬰ハ短調の
ように進行していきます。今日では、最も重要な練習用曲集の一つとされています。
なお、第1巻、第2巻とも2枚組のセットですので、全曲で4枚となり、総演奏時間は約4時間を要
する大規模な作品となっています。
第1巻(シフ演奏)
☆推薦盤☆
・リヒテル/(70〜73)(SONY) S
◎グールド/(62〜67、69、71)(SONY) 伝
・エガー/(06、09)(ハルモニア・ムンディ) S輸
○レオンハルト/(67、72、73)(ドイツ・ハルモニア・ムンディ) A
▲シフ/(11)(ECM) A
△ルセ/(13、15)(アパルテ) A
グレン・グールドは20世紀を代表するピアニストで、バッハの大家として名高いです。それ
も大家という枠に収まらず、バッハの鍵盤楽曲演奏(ピアノ)は、ほぼ全ての作品のCDをと
っても、20世紀中は、他の演奏家の手の届く域ではなく、絶対的な名盤として君臨してきま
した。しかし、学問的研究も進んで、21世紀の今や、バッハ演奏はほとんどが古楽器演奏と
なっています。
これというCDがありません。一番上のリヒテル盤は第1巻のみのCDはあるのですが、全曲
盤は廃盤中です。
3番目のエガー盤はチェンバロによる演奏で、第1巻と第2巻が分売されていまして、上のリ
ンクは第1巻へのものですが、おそらくすべて廃盤中と思われますので、リヒテル盤と共に、
お薦めの印はつけてありません。
ピアノ演奏のグールド盤、チェンバロのレオンハルト盤、ピアノのシフ盤は、CDがすべてセ
ットになっている国内盤ですので、お薦め度を高くしました。
1番下のルセ盤は分売されていまして、日本語の解説書付きの輸入盤です。
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作品NO.9 ゴルトベルク変奏曲 ★★ 2021年2月最新更新 |
バッハのクラヴィーア(鍵盤楽器)曲の中で最大の規模を誇る作品で、クラヴィーア練習曲集第4部と
して出版されたものです。アルファベットでは「GOLD BERG」と表記されるため、英語読みす
ると「ゴールドベルグ」となりますから、こちらで表記されることもあります。
作曲の意図は、バッハの弟子のゴルトベルクが仕えていたカイザーリンク伯爵の不眠症解消のためらし
いのですが、本当に効くのでしょうか…??確かに開始から子守唄のようですが…。
最初と最後に主題のアリアを配して、カノン、フーガ、練習曲・・・と30もの変奏が繰り広げられます。
音楽の作曲技法に関して詳しい方なら、より楽しめる作品です。また、不眠症の方にもお薦め!?
全曲(シフ演奏)
☆推薦盤☆
○グールド/(81)(SONY) S
◎シュタイアー/ (09)(ハルモニア・ムンディ) S
▲グールド/(55)(SONY) B
グレン・グールドは20世紀を代表するピアニストで、バッハの大家として名高いです。それ
も大家という枠に収まらず、バッハの鍵盤楽曲演奏(ピアノ)は、ほぼ全ての作品のCDをと
っても、20世紀中は、他の演奏家の手の届く域ではなく、絶対的な名盤として君臨してきま
した。しかし、学問的研究も進んで、21世紀の今や、バッハ演奏はほとんどが古楽器演奏と
なっています。
この作品においては、グールドの新盤とシュタイアー盤の2つが抜きん出た評価を得ています。
グールドは55年録音の旧盤も好評ですが、まずは音質の良い新盤の方が賢明でしょう。
グールドの新盤はピアノ、シュタイアーはチェンバロでの演奏となっていますので、お好みで
どうぞ。
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作品NO.10 音楽の捧げ物 ★★ 2021年2月最新更新 |
バッハの晩年の傑作として名高い作品です。特にバッハはそうなのですが、曲名に音楽形式の用語が使
われていることが多いです。パッヘルベルの「カノン」も同様です。この「音楽の捧げ物」も作曲技法
を尽くした作品ですが、音楽の専門用語を紹介するサイトではありませんので、簡単にご説明します。
学問的な作曲技法、用語を詳しく知りたい方は他のサイトをあたって下さい。
まず、この作品は3つの技法のいずれかを使った曲で構成されています。フーガと、トリオソナタと、
カノンです。フーガとカノンは、難しく解説したらきりがありませんので、ここでは同じようなものと
お考え下さい。初めに主題(提示部)があって、それを同じ形か、あるいは少し音程を変えたりして、
時間をずらして追いかけていく輪唱のようなものです。ごく簡単な例では、パッヘルベルの「カノン」
や「かえるのうた」を想像していただければ分かりやすいかもしれません。トリオソナタは「トリオ」
ですから、2つの旋律楽器(主にヴァイオリン)と低音楽器の、計3つによるアンサンブルのことです
が、楽器の構成に特に制限はありません。実際、この作品でも、旋律楽器をヴァイオリンとフルートが
務めている曲が2曲あります。全17曲からなる作品です。
また、この作品では、特にカノンの曲が多くなっています。
4声のカノン トリオソナタ
☆推薦盤☆
◎クイケン・アンサンブル(94)(ドイツ・ハルモニア・ムンディ) S
○リヒター(指揮&チェンバロ)/他(63)(アルヒーフ) 伝
▲レオンハルト(指揮&チェンバロ)/他(74)(セオン) A
・ムジカ・アンティクヮ・ケルン(79)(アルヒーフ) A
△有田正広(フルート)/他(93)(デンオン) A
お馴染みのメンバーですが、同じS評価でも、私の◎はご時世に合わせてクイケン盤です。
レオンハルト盤にもS.クイケンは参加しています。
リヒター盤は、現代楽器では唯一のお薦め盤です。
ムジカ・アンティクヮ・ケルン盤は廃盤中のようですし、音源の確認が取れておりません。
また、有田正広他による日本人グループのCDはお安いのが嬉しいです。
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