名曲案内〜オペラ曲編U〜

(プッチーニ〜ヨハン・シュトラウスU世)



    
  クラシック音楽の本場、ヨーロッパでは、クラシック音楽の最高の楽しみはオペラにあります。  
  日本ではまだまだオペラ、オペレッタは普及しているとはいえませんが、演劇を見ながら音楽
  を楽しむ。贅沢な楽しみはそこにあるのです。
  交響曲、ピアノ曲などには詳しくても、オペラ曲には疎いというクラシックファンは多いので
  はないでしょうか。そんな方々のために、入門者にも分かりやすいオペラ曲ガイドです。
  ちなみに、CDだけでは音楽しか楽しめませんので、少々お金はかかりますが、やはり実際に
  オペラを観に行きましょう。現在はDVDでも充分楽しめるので、そちらもお薦めです。
  
    歌詞対訳のないCDや輸入盤は、インターネットである程度調べることが出来ますが、不便なため、
  評価ランクのところに「輸」または「無」マークがあります。

  オペラ鑑賞にもってこいの、DVDと解説本がセットになった「魅惑のオペラ」シリーズ(小学館)
  が刊行されている作品には、すべて amazon へのリンクがついています。お薦めです!

プッチーニ  ・マスカーニ  ・モーツァルト  ・J・シュトラウスU世


オペラ曲編T(ウェーバー〜ビゼー)へ     ・オペラ曲編V(リヒャルト・シュトラウス〜オペラ名曲集)へ




                   
☆プッチーニ
作品NO.157 歌劇「蝶々夫人」 ★★★ 2016年9月最新更新
  
 プッチーニの音楽はメロディーが美しいことで知られている、どちらかというと女性向きの作曲家です。
 この「蝶々夫人」と「ラ・ボエーム」、「トスカ」、「トゥーランドット」の代表作4作をご紹介して
 いきます。
 「蝶々夫人」の花は、第1幕、それも蝶々さんの登場から幕切れまでにあります。御覧になる時は是非
 その点を覚えておいて頂ければと思います。
 「蝶々夫人」は名前のイメージの通り、和風の旋律がちりばめられています。その意味では、日本の劇
 団ととても相性がいいですので、本場の劇団にこだわらずに積極的に足を運んでいただきたい作品です。

第2幕「ある晴れた日に」(ネトレプコ独唱)
 ☆推薦盤☆   ★◎カラヤン/ウィーン・フィル(74)(デッカ)              SS    ・セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(58)(デッカ)     A    ・セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(58)(デッカ)     A    ・セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(58)(デッカ)     A    ・セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(58)(デッカ)     A    ・パッパーノ/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(08)(EMI)     A       ・パッパーノ/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(08)(ワーナー)    A    結論から言いますと、お薦めできるCDは一番上のカラヤン盤しかありません。なぜかと言い    ますと、他のCDは国内盤が廃盤中だったり、歌詞対訳のない輸入盤ばかりだからです。    このページの上に赤字で表記してありますが、声楽曲やオペラ曲で歌詞対訳のないCDや輸入    盤は原則、お薦めしておりません。調べるのにかなり手間がかかるからです。    数年前は、カラヤン盤でさえないという状況にありましたが、今は絶対のお薦め★のCDが入    手できますので、このCDだけがお薦めです。    セラフィンは、イタリア生まれで、生涯をオペラ演奏に捧げた名指揮者です。この「オペラ曲    編」でしか登場しない、イタリア特有のタイプの指揮者です。    国内盤は廃盤中ですので、お薦めCDはないのですが、それでも、という方のために輸入盤を    3つ挙げておきました。どれも、歌手陣を照らし合わせると同じ音源でしょう。それにすべて    格安です。    3番手のパッパーノ盤も同様に国内盤が廃盤中ですので、輸入盤を挙げておきました。    
「魅惑のオペラ8」 プッチーニ 蝶々夫人 お薦め!2枚組で1500円 プッチーニ:オペラ作品集(グラモフォン) 6作品収録
   <更新のポイント> パッパーノの輸入盤を追加しました。

作品NO.158 歌劇「ラ・ボエーム」 ★★★ 2016年9月最新更新
  
 「ラ・ボエーム」は、パリの屋根裏部屋に、詩人、画家、音楽家、哲学家の4人の貧しい若者が共同生 
 活している物語です。彼らの友情に哀しい恋がからみ、最後は少女ミミの死によって悲劇的に幕を閉じ
 ます。全体は4幕からなりますが、ここに交響曲のアレグロ、スケルツォ、アダージョ、アレグロとい
 う、曲のテンポの違いを適用し、短く簡潔に書かれ、その中に情感溢れる音楽を充満させていくあたり、
 音楽的な構成もよくできていると言われています。

第1幕「私の名はミミ」
 ☆推薦盤☆    ・カラヤン/ベルリン・フィル(72)(デッカ)            SS    ・カラヤン/ベルリン・フィル(72)(デッカ)            SS    ・セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(59)(デッカ)   A    ・セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(59)(デッカ)   A    ・シャイー/ミラノ・スカラ座管弦楽団(98)(デッカ)         A    ・シャイー/ミラノ・スカラ座管弦楽団(98)(デッカ)         A    CDは悲惨な状況です。絶対のSS評価のカラヤン盤を始め、セラフィン盤、シャイー盤も国    内盤が廃盤中です。よって、それぞれに輸入盤を採り上げることとしました。歌詞については    こちらのような専用サイトをあたっていただくしかありません。    カラヤン−セラフィンのラインはこの作品でも強固です。    カラヤン盤の評価が高い一因には、悲劇のヒロイン「ミミ」を演じているフレーニが生涯最高    とも言える名演奏(歌唱)を成し遂げたという意見が多いです。このように、オペラのCDの    評価は、名歌手の存在によって決まるケースがあることも覚えておきたいところです。    「三大テノール」のパバロッティも参加しています。    セラフィン盤も輸入盤しかないのですが、格安のお値段です。    最後のシャイー盤は、3番手です。98年録音という高音質で聴きたい方にお薦めです。    
「魅惑のオペラ15」 プッチーニ ラ・ボエーム
   <更新のポイント> カラヤンの輸入盤を追加しました。 

作品NO.159 歌劇「トスカ」 ★★★★ 2016年9月最新更新
  
 この作品は、音楽というよりは、オペラとしての見せ場が多いことから、オペラ史の中でも重要な作品
 として位置づけられています。原作の持つ複雑な背景や政治性をカットして、主役のトスカの悲恋にス
 ポットを当て、ドラマ風に分かりやすく仕立て直した作品です。
 作品は簡単に言いますと、画家であるカヴァラドッシと恋人で、有名な歌手である主役の女性トスカの
 物語です。
 カヴァラドッシは脱獄した政治囚の逃亡を助けたために死刑宣告をされます。トスカは彼を救おうと、
 警視総監スカルピアを殺すのですが、スカルピアの計略でカヴァラドッシは処刑されてしまい、トスカ
 も彼の後を追って自殺してしまうという、悲惨な物語です。結局、主役3人はみな亡くなってしまうの
 です。
 ちなみに、20世紀最大のオペラ歌手とされているマリア・カラス(女性)はトスカを何度も演じたこ
 とで知られています。トスカ=カラスというイメージをいまだに拭えない本場のファンもいるようです。

第2幕「歌に生き、恋に生き」  第2幕「歌に生き、恋に生き」(何とカラス熱唱!)
 ☆推薦盤☆   ★◎サバータ/ミラノ・スカラ座管弦楽団(53)(ワーナー)      SS  S×?サバータ/ミラノ・スカラ座管弦楽団(53)(ワーナー)      SS    ・カラヤン/ベルリン・フィル(79)(グラモフォン)         A    ・カラヤン/ベルリン・フィル(79)(グラモフォン)         A    ・シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団(90)(グラモフォン)    A    ・シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団(90)(グラモフォン)    A      まず、SS評価のサバータ(サバタ)盤は、他の作品にもほとんど見られないほどの歴然とし    た差をつけ、「トスカ」のベストCDの座に君臨しています。    サバータは決して有名な指揮者ではないですが、このCDは伝説化されています。1番の要因    は、ヒロインであるトスカ役を演じているのがマリア・カラスであることでしょう。上の作品    紹介にありますように、トスカ=カラスというイメージをいまだに拭えない本場のファンもい    るくらいなのです。究極の名盤の1つ、不滅の金字塔で、録音記録としても価値あるCDです。    ただし、唯一の欠点は、録音が1953年のモノーラルであることです。    プッチーニの他の作品同様、このCD以外に推薦盤に挙げたCDはみな歌詞がないだけに唯一    のお薦めCDとなっているのですが、どうしても音質が気になる方には、下のDVDの方がお    薦めです。そして、この作品の音楽としての記録を聴いてみたいという方には、まずはこのC    Dがお薦めです。    カラヤン盤は国内盤が廃盤中で、三大テノールのカレーラスが出演しています。    シノーポリ盤は、90年という新しい録音で、名歌手フレーニ(女性)が参加しています。    
「魅惑のオペラ12」 プッチーニ トスカ
   <更新のポイント> サバータ盤を再発売CDに更新しました。

作品NO.160 歌劇「トゥーランドット」 ★★★★ 2016年9月最新更新
  
 プッチーニ最後のオペラで、未完に終わっています。プッチーニは第3幕の「リューの死」まで作曲し
 て亡くなり、残りはアルファーノが草稿に基づいて完成させました。
 この作品の舞台は中国です。異国の王子カラフが冷酷非情なトゥーランドット姫に恋をすると、姫は3
 つの謎を解くようにと王子に告げます。王子は何とかして謎を解き、姫の冷酷な心も溶け、二人は結婚
 するという物語で、音楽には、中国的な旋律が盛り込まれています。
 この作品が有名なのは、第3幕、主役のカラフが歌う「誰も寝てはならぬ」が、数あるオペラのアリア
 の中でも屈指といえるほどの有名曲だからです。

アリア「誰も寝てはならぬ」(パバロッティ演奏)
 ☆推薦盤☆   ・モリナーリ=プラデッリ/ローマ国立歌劇場管弦楽団(65)(EMI)    SS   ◎カラヤン/ウィーン・フィル(81)(グラモフォン)             A   ・エレーデ/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(55)(デッカ)       A          「トゥーランドット」のCDもプッチーニの作品の例にもれず、これというものがありません。    本来であれば、SS評価のモリナーリ=プラデッリ盤の国内盤があれば真っ先にお薦めできる    のですが、現在は輸入盤も廃盤中です。    このCDの最大の魅力は、史上最高のトゥーランドットとも言えるニルソンの存在と言われて    います。そして、カラフを演じたコレッリも絶賛を浴びています。やはりオペラのCDの評価    は、歌手によって決まる部分が大きいです。    よって、推薦盤に唯一国内盤の在庫があるカラヤン盤を◎としました。歌手陣の評価はさほど    特筆されるものではありませんが、演奏自体の評価は高いです。    エレーデ盤は55年録音ながらステレオで、かつ音質には定評のあるデッカ盤ですので、さほ    ど録音に抵抗はないと思われますが、国内盤も輸入盤も廃盤中です。カラフ役のデル・モナコ    が好評なだけに、お薦めしたい演奏なのですが。    
「魅惑のオペラ4」プッチーニ トゥーランドット
   <更新のポイント> セラフィン盤を外しました。

☆マスカーニ
作品NO.241 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 ★★ 2021年5月最新更新
 
 作曲者のマスカーニは、イタリア出身の作曲家兼指揮者です。
 この「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、音楽出版社の懸賞に応募して当選した作品で、当時の文芸
 運動の現実主義を主張する動きに影響された、「ヴェリズモ・オペラ」の第1号作品とされています。
 劇の内容も、日常生活に根差した、人間の欲望を生々しく描いたものになっています。
 村娘サントゥッツァと、恋人である若者トゥリドゥとの悲恋を描いた作品です。
 間奏曲が有名で、約3分の曲ですが、テレビなどで流されたり、単品としてオムニバスのCDに収録さ
 れていることがある、抒情的で美しい曲です。

間奏曲
 ☆推薦盤☆    ・シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団(89)(グラモフォン)         S    ・セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(60)(デッカ)       S    ◎カラヤン/ミラノ・スカラ座管弦楽団(65)(グラモフォン)          A    この作品は短い作品ですので、オペラにしては珍しく、CDは1枚のものが多いです。    S評価のシノーポリ盤とセラフィン盤は廃盤中のようです。       唯一お薦めできるのはカラヤン盤で、国内盤でかつとてもお安いCDとなっています。

☆モーツァルト
作品NO.150 歌劇「フィガロの結婚」 ★★ 2016年6月最新更新
  
 「フィガロの結婚」はモーツァルトのオペラの入門用に最もふさわしいだけでなく、あらゆるオペラの
 入門に最も適している作品の一つです。何より音楽やストーリー自体が明るく楽しく、まさにモーツァ
 ルトならではの魅力が満載だからです。
 「恋とはどんなものかしら」だけでも聴いたことがある方は多いのでは。オペラなんか聴いたこともな
 いという方でも、「キューピー3分…」ならば…。
 下のYOUTUBEからどうぞ。まさにモーツァルトの粋でチャーミングの極みです。特別に歌だけバージョ
 ンへのリンクも作りました。
 音楽だけでなく、特にモーツァルトのファンの方でオペラを観たことのない方には、「フィガロ」を第
 一にお薦めしたいです。

序曲(バレンボイム指揮)  第2幕よりアリア「恋とはどんなものかしら」(劇場版)
第2幕よりアリア「恋とはどんなものかしら」(アニメ版)
               ☆推薦盤☆       ◎ジュリーニ/フィルハーモニア管弦楽団(59)(ワーナー)            S    ・アバド/ウィーン・フィル(94)(グラモフォン)                S    ○アバド/ウィーン・フィル(94)(グラモフォン)                S   B2▲クルレンツィス/ムジカ・エテルナ(12)(SONY)              A    ・ベーム/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団(68)(グラモフォン)        A    △ベーム/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団(68)(グラモフォン) ハイライト  A      「フィガロ」のCD選びはかなり困った状況です。とにかく国内盤の廃盤が多いです。よって    お薦め盤もかなり限られています。    そんな中で、最も評価が高いジュリーニ盤に国内盤があるのが救いです。ましてやこのCD、    2枚組ということを考慮しても割安ですので、SS評価ならばお薦め度★にしたいくらい、か    なりお薦めのCDです。    アバド盤は国内盤は廃盤中で、輸入盤しかありません。輸入盤ですと歌詞対訳がないのは痛い    ところです。声楽曲やオペラ曲は、なるべく歌詞対訳のある国内盤がお薦めというのが私個人    的な考えです。    そういう意味ではこの輸入盤も大きなマイナスなのですが、まだ廃盤でないだけマシというこ    とで、仕方なくお薦め度○としました。    クルレンツィス盤は、古楽器演奏です。いよいよオペラも古楽器という時代になってきたので    しょうか。このCDは国内盤で、Blu-specCD2です。    ベーム盤は、国内盤がなく、輸入盤も廃盤中です。    なお、ベーム指揮のハイライト盤は、1000円ちょっととお安く、お薦めです。    
「魅惑のオペラ1」 モーツァルト フィガロの結婚
   <更新のポイント> クルレンツィス盤を追加しました。

作品NO.151 歌劇「魔笛」 ★★★ 2016年6月最新更新
  
 「魔笛」はモーツァルトの亡くなった年に書かれました。それだけでもファンはその音楽の内容が気に
 なるものですが、それほど暗い物語ではなく、むしろチャーミングな、漫画チックな歌劇です。
 この作品はあえて中級者向けにしておきましたが、それはやはりモーツァルトのオペラといったら「フ
 ィガロ」から観てほしいからです。「フィガロ」の後には、他の初心者向けのオペラ、「椿姫」「こ
 うもり」「カルメン」などに進むのも良いですし、この「魔笛」に進むのもお薦めです。 

序曲(ムーティ指揮)
 ☆推薦盤☆    ・アバド/マーラー室内管弦楽団(05)(グラモフォン)          S    △アバド/マーラー室内管弦楽団(05)(グラモフォン)          S    ◎カラヤン/ベルリン・フィル(80)(グラモフォン)           A    ○ショルティ/ウィーン・フィル(69)(デッカ)             A    ▲ベーム/ベルリン・フィル(64)(グラモフォン)            A    演奏の評価ではアバド盤が抜けています。国内盤は廃盤中ですので輸入盤を挙げておきました    が、やはり輸入盤はあまりお薦めできません。    1番のお薦めはカラヤン盤としましたが、ショルティ盤も甲乙つけがたいです。お値段は同じ    で割安ですし、録音もいいです。あえてカラヤン盤の方を上にしたのは、カラヤンはオペラが    得意である点と、2枚組なので手軽である点と、ショルティ盤は以前はSS評価だったのです    が、今ではA評価になってしまいまして、安定性がないからです。    ベーム盤は、世界的歌手のヴンダーリヒが何よりも魅力とのことです。    ですが、カラヤン盤、ショルティ盤に比べて評価が劣りますし、お高いですのでお薦め度は▲    までとしました。       
「魅惑のオペラ5」 モーツァルト 魔笛
   <更新のポイント> ショルティ盤の評価をSからAへ下げ、クレンペラー盤を外しました。

☆ヨハン・シュトラウスU世
作品NO.202 喜歌劇「こうもり」 ★ 2017年2月最新更新
  
 ウィンナーワルツやポルカで知られる、ヨハン・シュトラウスU世は、オペラ曲にも素晴らしい傑作を
 残しました。それが、この「こうもり」です。オペレッタの最高傑作の地位を不動のものにしているだ
 けでなく、あらゆるオペラ作品の中でも最高傑作の誉れが高い作品です。
 とはいえ、この作品はワーグナーの作品のように決して奥深かったり、長い訳ではなく、むしろ、最も
 初心者の方向けの作品の最有力候補でもあります。
 その一番の理由は、劇としての愉快、痛快さでしょう。「こうもり」という作品名が一体何を意味して
 いるのか最後まで分からないというような「仕掛け」もありますし、登場人物のセリフもシャレが利い
 ていて面白いです。観ていて愉快で、かつ、初心者の方にも非常に分かりやすい作品なのです。
 また、作曲者が作曲者だけに、ウィーン情緒溢れる、美しく流麗な音楽も大きな理由です。
 なお、オペレッタとは「喜歌劇」のことで、オペラの中でも喜劇や、やや気軽に接することのできる作
 品のことを指しています。
 この「こうもり」は、オペラの中でも屈指の作品ということで、ストーリーに大晦日が関わっているこ
 とにちなみ、ヨーロッパの主要な歌劇場では、大晦日に上演されるのが現在でも恒例となっています。

「こうもり」序曲(クライバー指揮日本公演の超貴重映像!)
 ☆推薦盤☆   ★◎カルロス・クライバー/バイエルン国立管弦楽団(75)(グラモフォン)    SS       ・カラヤン/ウィーン・フィル(60)(デッカ)                 A    △カラヤン/ウィーン・フィル(60)(グラモフォン)              A    △カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団(55)(ワーナー)            A    こうもり=クライバー。クライバー=こうもり です。クライバーはオペラに名演を残しまし    たが、この作品は極めつけ、十八番でした。全く揺るぎないSS評価を確立してきた名盤です。    どうしてもという方にはカラヤン盤がお薦めですが、2つとも国内盤は廃盤中です。    輸入盤へのリンクを挙げておきましたが、例によってオペラの輸入盤はあまりお薦めできませ    ん。なお、上の60年録音の輸入盤は、国内盤とはレーベルが違っていますが同じ音源のよう    です。また、55年盤はモノーラル録音です。     
「魅惑のオペラ7」 J・シュトラウスU世 こうもり
   <更新のポイント> カラヤンの60年盤を追加しました。


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