名曲案内〜オペラ曲編T〜
(ウェーバー〜ヨハン・シュトラウスU世)



    
  クラシック音楽の本場、ヨーロッパでは、クラシック音楽の最高の楽しみはオペラにあります。  
  日本ではまだまだオペラ、オペレッタは普及しているとはいえませんが、演劇を見ながら音楽
  を楽しむ。贅沢な楽しみはそこにあるのです。
  交響曲、ピアノ曲などには詳しくても、オペラ曲には疎いというクラシックファンは多いので
  はないでしょうか。そんな方々のために、入門者にも分かりやすいオペラ曲ガイドです。
  ちなみに、CDだけでは音楽しか楽しめませんので、少々お金はかかりますが、やはり実際に
  オペラを観に行きましょう。現在はDVDでも充分楽しめるので、そちらもお薦めです。
  
    歌詞対訳のないCDや輸入盤は、インターネットである程度調べることが出来ますが、不便なため、
  評価ランクのところに「無」マークがあります。

  オペラ鑑賞にもってこいの、DVDと解説本がセットになった「魅惑のオペラ」シリーズ(小学館)
  が刊行されている作品には、すべて amazon へのリンクがついています。お薦めです!

ウェーバー     ・ヴェルディ     ・ビゼー

プッチーニ     ・モーツァルト     ・J・シュトラウス


オペラ曲編U(リヒャルト・シュトラウス〜序曲集)へ




                   
☆ウェーバー
歌劇「魔弾の射手」  ★★★
   
 ウェーバーは主にオペラ曲の作曲家であるが、一番の代表作がこの「魔弾の射手」である。ロマン派初
 期の、後のロマン派オペラの先駆けとなる作品で、音楽史的に重要な作品である。
 ストーリーは、魂を引き換えに、悪魔から必ず標的に当たるという魔弾を手に入れた猟師が、最後は信
 仰を誓うことによって救われるというもの。
 音楽は平易に書かれ、合唱の役割が高いのが特徴。とりわけ、「狩人の合唱」と名づけられた歌はこの
 オペラで最も有名な歌で、単独で男声合唱のコンサートでも採り上げられる。

 ☆推薦盤☆
 ・クライバー/ドレスデン国立管弦楽団(73)(グラモフォン)       S
 ・クーベリック/バイエルン国立管弦楽団(79)(デッカ)         S

   現在、この2つのCDが双璧として君臨しており、他のCDはみな無評価に近い。
   あえていえば、クライバー盤はデビュー盤であるからなのだろうか、こちらの方が人気が高い。
   もちろん、クライバーのファンにとってはデビュー録音だけに是非とも手元に置いておきたい
   CDであるが、評価としては全く横並びであるので、どちらがお薦めとはいえない。
   クーベリック盤のリンク先はHMVなのでご注意を。
   また、値段は1000円近くクーベリック盤の方が安い。

☆ヴェルディ
歌劇「椿姫」  ★★
   
 ヴェルディの「椿姫」はオペラの入門用としてはトップに挙げられる作品の一つである。「ラ・トラヴ
 ィアータ」とも呼ばれる。一番有名な曲は「乾杯の歌」で、「ああ、これ聴いたことがある」という方
 も多いと思う。
 ストーリーは、主人公が病死するという悲劇である。よって曲も甘美で、哀切なものが多い。涙もろい
 方は感動して涙することもあるだろう。そして、「またオペラが観たい」となったら、新たなオペラ初
 心者の誕生だ。

乾杯の歌
 ☆推薦盤☆  ・カルロス・クライバー/バイエルン国立管弦楽団(76、77)(グラモフォン)  S ・セラフィン/ミラノ・スカラ座管弦楽団(55)(EMI)            A  ・ギオーネ/サン・カルロ歌劇場管弦楽団(58)(EMI)            A       クライバー盤があれば他のCDは必要ないくらい人気が高く、定盤となっている。    実際には、評論家筋では、人気ほど格差がないのが現状で、A評価のCDが2組ある。    しかし、共に録音が古い点が難点。お値段もクライバー盤とそう変わりはないので、やはりク    ライバー盤が第一のお薦めである。A評価の2つのリンク先はHMV。    クライバーは何よりオペラが得意な指揮者だったが、「椿姫」はその中でも特に得意なレパー    トリーだった。    「魅惑のオペラ2」 ヴェルディ 椿姫      
お薦め!2枚組で1500円 ヴェルディ:オペラ作品集(グラモフォン) 6作品収録
歌劇「アイーダ」  ★★★
   
 アイーダの初演は1871年なので、日本では明治時代になったばかりの頃の作品ということになる。
 ストーリーは、エジプトとエチオピアとの闘争を背景にしたもの。エジプトの司令官とエチオピアの王
 女、アイーダは恋に落ちるのだが、様々な邪魔が入る。両国の闘争などを経て、結局二人とも地下牢に
 入れられ、そのまま死を迎えるというところで幕が下ろされる、悲しい恋の物語。二人の恋は実ったも
 のの…という悲劇である。
 音楽的には、第2幕の「凱旋行進曲」(主人公が司令官を務めるエジプトの勝利の凱歌)が有名。この
 曲は某テレビ局のサッカー中継のテーマとして定着しているのだが、その由来は、当時イタリアのセリ
 エAの強豪、パルマに中田英寿が在籍していたことと関係がある。作曲者ヴェルディはパルマ出身の英
 雄のため、パルマのチームの応援歌にこの曲が使われていた。それを気に入った中田が自身のHPで紹
 介したのを受けて、某テレビ局がテーマ曲として採用したという。よって、中田は既に引退したが、サ
 ッカー自体と全く関係がない訳ではないのである。
 ちなみに、アイーダという作品は、ヴェルディがスエズ運河の開通の記念に作曲を依頼されたとされて
 いるが、現在では、これは偽説であることが判明している。
 初心者の方でも充分楽しめる作品。

「アイーダ」第2幕より「凱旋行進曲」
 ☆推薦盤☆  ・ムーティ/ニューフィルハーモニア管弦楽団(74)(EMI)      S  ・カラヤン/ウィーンフィル(79)(EMI)              A  ・カラヤン/ウィーンフィル(59)(デッカ)              A       現在、総合点でいけばムーティ盤がわずかに抜きん出てトップ評価。この録音は現代の巨匠、    ムーティの初期のディスクで、彼の最高傑作との声もあるもの。    しかし、国内盤はなく、輸入盤の3枚組で、少々お高いのが欠点。    カラヤンの新旧2種類の録音は、甲乙付けがたく、レヴューによれば、新録音の方はオケが充    実していて、旧録音の方は歌手が充実しているとのこと。この点は好みの問題なのだが、新録    音は輸入盤である上に、少々お高い。それならば、ムーティ盤も含めて、カラヤンの旧録音を    お薦めしたい。これだけが唯一の国内盤であるし、値段もお安い。問題なのは59年という録    音年なのだが、音質には定評のあるデッカであるし、2008年に再発売されたばかりという    のであれば、それほど気にならないはず。    よってカラヤンのデッカの旧盤がお薦めだが、歌詞対訳が必要ない方はムーティ盤がお薦め。    なお、この3枚の評価が抜きん出ていて、79年以降の録音でこれらを凌ぐものは全く出てい    ない模様。        「魅惑のオペラ6」 ヴェルディ アイーダ
☆ビゼー
歌劇「カルメン」  ★★
   
 「カルメン」も「椿姫」同様にオペラの入門用としてはトップに挙げられる作品の一つである。何より
 「第1幕への前奏曲」は「カルメン」の代名詞ともなっている曲で、この曲の曲名を「カルメン」と思
 っている方もいるのではないだろうか。テレビでよく聴く、あの威勢のいい曲である。
 「カルメン」はその曲があまりに有名なので、全曲盤だけでなく、組曲、あるいは抜粋盤としてCD化
 されているものもある。全曲を聴くのが大変な方は、まずは曲数の少ないそちらの方からお買い求めに
 なるのもいいと思う。

「カルメン」より「第1幕への前奏曲」
 ☆推薦盤☆  ・カラヤン/ベルリンフィル(82、83)(グラモフォン)     SS  ・プレートル/パリ・オペラ座管弦楽団(64)(EMI)       A    カラヤン盤が断然の一位。カルメン=カラヤンである。続いてプレートル盤が二位の座を確立    している。    カラヤン盤は録音も新しく、不滅の名盤といってもいいほどなので、真っ先にお薦めしたいが、    カラヤン盤は3枚組、プレートル盤が2枚組で、値段は倍。一考の余地はあるかもしれない。    「魅惑のオペラ3」 ビゼー カルメン
☆プッチーニ
歌劇「蝶々夫人」  ★★★
   
 プッチーニの音楽はメロディーが美しいことで知られている。一応中級者用としたが、この「蝶々夫人」
 と「ラ・ボエーム」、「トスカ」、「トゥーランドット」の代表作4作を紹介することにしよう。
 「蝶々夫人」の花は、第1幕、それも蝶々さんの登場から幕切れまでにある。御覧になる時は是非その
 点を覚えておいて頂ければと思う。
 「蝶々夫人」は名前のイメージの通り、和風の旋律がちりばめられている。その意味では、日本の劇団
 ととても相性がいいので、本場の劇団にこだわらずに積極的に足を運んでいただきたい作品である。

 ☆推薦盤☆
 ・カラヤン/ウィーンフィル(74)(デッカ)              SS
 ・セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(58)(デッカ)    A

   カラヤン盤が有無を言わせぬ断然の1位。当然、文句なしのお薦めである。
   このCDに唯一対抗できるのがセラフィン盤のようだが、録音が58年と古い。
   しかし、カラヤン盤はなんとセラフィン盤の倍のお値段。これはかなり再考の余地がありそう。
   レーベルが音質には定評のあるデッカだけに、58年録音とはいえあまり気にはならないはず。
   となると、カラヤン盤があまりにも高いという方には、セラフィン盤もお薦めしておこう。

   「魅惑のオペラ8」 プッチーニ 蝶々夫人

お薦め!2枚組で1500円 プッチーニ:オペラ作品集(グラモフォン) 6作品収録
歌劇「ラ・ボエーム」  ★★★
   
 「ラ・ボエーム」は、パリの屋根裏部屋に、詩人、画家、音楽家、哲学家の4人の貧しい若者が共同生
 活している物語である。彼らの友情に哀しい恋がからみ、最後は少女ミミの死によって悲劇的に幕を閉
 じる。全体は4幕からなるが、ここに交響曲のアレグロ、スケルツォ、アダージョ、アレグロという曲
 のテンポの違いを適用し、短く簡潔に書かれ、その中に情感溢れる音楽を充満させていくあたり、音楽
 的な構成もよくできている。

 ☆推薦盤☆
 ・カラヤン/ベルリンフィル(72)(デッカ)             SS
 ・セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(59)(デッカ)   S
  
   カラヤン盤がやはりNo.1の評価を受けているのだが、セラフィン盤もぴったりとくっつい
   ており、この2つが他のCDを圧倒的に突き放している。セラフィン盤のリンク先はHMV。
   評価と録音の新しさからいけばカラヤン盤だが、歌手はセラフィン盤の方が評判はいいし、価
   格もカラヤン盤の半額である。よって、セラフィン盤の方がお薦め、ということになるのかと
   いうと、国内盤なのに対訳がついていないとのこと。大きな欠陥である。
   つまり、「ラ・ボエーム」の歌詞対訳がなくても結構な方向けのCDである。
   結局、カラヤン盤がお薦め。お値段重視の方は一考されたい。

   「魅惑のオペラ15」 プッチーニ ラ・ボエーム

歌劇「トスカ」  ★★★★
   
 この作品は、音楽というよりは、オペラとしての見せ場が多いことから、オペラ史の中でも重要な作品
 として位置づけられている。原作の持つ複雑な背景や政治性をカットして、主役のトスカの悲恋にスポ
 ットを当て、メロドラマ風に分かりやすく仕立て直した作品である。
 作品は簡単にいうと、画家カヴァラドッシと恋人で、有名な歌手である主役の女性トスカの物語である。
 カヴァラドッシは脱獄した政治囚の逃亡を助けたために死刑宣告をされる。トスカは彼を救おうと、警
 視総監スカルピアを殺すが、スカルピアの計略で彼は結局処刑されてしまい、トスカも彼の後を追って
 自殺するという、悲惨な物語である。
 ちなみに、20世紀最大のオペラ歌手とされているマリア・カラス(女性)はトスカを何度も演じたこ
 とで知られている。トスカ=カラスというイメージをいまだに拭えない本場のファンもいるらしい。

 ☆推薦盤☆
 ・サバータ/ミラノ・スカラ座管弦楽団(53)(EMI)       SS
 ・カラヤン/ベルリンフィル(79)(グラモフォン)          A
 ・シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団(90)(グラモフォン)    A
  
   まず、SS評価のサバータ盤であるが、私の所有する「21世紀の名曲名盤300」では、3
   00曲中唯一の30点満点。満点をたたき出すCDがあったのだ。もちろん、他の書籍を見て
   も、すべてこのCDを第一に推薦している。恐ろしいほどのCD。まさに「人類の至宝」の名
   に相応しい。サバータは決して有名な指揮者ではないが、トスカ役を演じるのはマリア・カラ
   ス。これぞ究極中の究極の名盤である。これだけ評価の高いCDに逆らう必要もないだろう。
   ただし、録音は53年のモノーラル。もちろん、30点満点という評価は、録音を考慮しての
   ものであるし、2007年に再発売されたばかりなので、かなり音質はよくなっていると推測
   される。
   どうしても録音に抵抗がある方のために、一応A評価のCDを2枚用意した。共に評価は全く
   の横並びであるが、究極の名盤に逆らって、あえてこの2枚の方を取るべきだろうか。
   カラヤン盤はこの3つの中で一番高い。それに対して、シノーポリ盤は3000円以下という
   安さで90年代の第一級の録音なのだが、何と歌詞対訳がないとのことである。

   「魅惑のオペラ12」 プッチーニ トスカ

歌劇「トゥーランドット」  ★★★★
   
 プッチーニ最後のオペラで、未完に終わっている。プッチーニは第3幕の「リューの死」まで作曲して
 亡くなり、残りはアルファーノが草稿に基づいて完成させた。
 この作品の舞台は中国である。異国の王子カラフが冷酷非情なトゥーランドット姫に恋をすると、姫は
 3つの謎を解くようにと王子に告げる。王子は何とかして謎を解き、姫の冷酷な心も溶け、二人は結婚
 するという物語。音楽には、中国的な旋律が盛り込まれている。
 この作品が有名なのは、第3幕の「誰も寝てはならぬ」という歌が、数あるオペラのアリアの中でも屈
 指といえるほどの有名曲だからである。この曲、CM等でよく耳にする曲というほどではないのだが、
 何と荒川静香さんがトリノオリンピックで金メダルを取った時にBGMとして使った曲なのでありまし
 た。荒川さんのファンの方、あるいはフィギュアスケートのファンの方にはこの曲をご存知の方もいら
 っしゃるのでは。イナバウアーという名前はこの曲名から来ていると思った人も多かったとのこと。

第3幕より「誰も寝てはならぬ」
 ☆推薦盤☆   ・モリナーリ=プラデッリ/ローマ国立歌劇場管弦楽団(65)(EMI)    SS   ・セラフィン/ミラノ・スカラ座管弦楽団(57)(EMI)           A   ・エレーデ/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団(55)(デッカ)       A   ・メータ/ロンドン交響楽団(72)(デッカ)                 B       「トゥーランドット」のCDには、まさにこれというものがない。本来であれば、SS評価の    モリナーリ=プラデッリ盤の国内盤があれば真っ先にお薦めできるのだが、現在は輸入盤しか    ないようなので、非常に困ってしまう。とても初心者の方にはお薦めできない。このCDは別    格ということで置いておこう。お好みでどうぞ。    そこで、国内盤でA評価の2枚がまずお薦めとなるのだが、2枚とも録音が古い。57年のセ    ラフィン盤と55年のエレーデ盤。評価が横並びならば、57年のモノーラル録音ではあるが、    往年の大歌手、カラスが歌っているというセラフィン盤を一番にお薦めしたい。カラスという    名前だけで相当価値があるCDである。    エレーデ盤は55年録音ながらステレオで、音質には定評のあるデッカ盤なので、さほど録音    に抵抗はないとは思う。    しかし、いずれにせよ50年代の録音に抵抗がある方には、B評価ながらメータ盤がお薦め。    ただし、このCDはちょっとお高い。リンク先はHMV。    「魅惑のオペラ4」プッチーニ トゥーランドット
☆モーツァルト
歌劇「フィガロの結婚」  ★★
   
 「フィガロの結婚」はモーツァルトのオペラの入門用に最もふさわしいだけでなく、あらゆるオペラの
 入門に最も適している作品の一つ。何より音楽やストーリー自体が明るく楽しく、まさにモーツァルト
 ならではの魅力が満載だからである。
 「フィガロ」の序曲だけでも聴いたことがある方は、いかにもモーツァルティックな音楽だなと感じら
 れたのでは。聴いたことがない方は、下のMIDIでどうぞ。まさにモーツァルトの粋。
 特にモーツァルトのファンの方でオペラを観たことのない方には、「フィガロ」を第一にお薦めしたい。

                         
      「フィガロの結婚」序曲         第2幕より「恋とはどんなものかしら」
 ☆推薦盤☆
 ・ベーム/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団(68)(グラモフォン)       A
 ・ベーム/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団(68)(グラモフォン) ハイライト A
 ・ジュリーニ/フィルハーモニア管弦楽団(59)(EMI)            A 
 ・アバド/ウィーンフィル(94)(グラモフォン)                A

   「フィガロ」のCDはベーム盤とジュリーニ盤が横一線状態で、これといったCDがないので、
   選ぶのは非常に難しい。例によってCDとしての特徴を紹介していこう。
   ベーム盤は、やはりモーツァルトの大家ベームだけあって、一番無難で安心できる演奏ではな
   いだろうか。録音もそれほど古くはない。3枚組で約6000円。リンク先はHMV。ベーム
   には1000円のハイライト盤もあるので、まずはこれから聴くのもお薦め。
   ジュリーニ盤は、2枚組ということもあるのか、何と3000円台という破格の安さ。59年
   という録音がいささか気になるし、国内盤なのに歌詞対訳がないのだが、値段で選べば絶対に
   これだろう。リンク先はHMV。
   アバド盤は94年の新しい録音で、近年評判がいい。将来的には「フィガロ」の第一の名盤と
   して一歩抜け出す可能性がある。しかし、いくら3枚組とはいえ、約9000円の値段は高す
   ぎる。いくら演奏がよくてもこの値段は問題。金銭的に余裕のある方にはお薦め。
   以上3種、ご自分の好みで選んでいただきたい。

   「魅惑のオペラ1」 モーツァルト フィガロの結婚

歌劇「魔笛」  ★★★
   
 「魔笛」はモーツァルトの亡くなった年に書かれた。それだけでもファンはその音楽の内容が気になる
 が、それほど暗い物語ではなく、むしろチャーミングな、漫画チックな歌劇である。
 この作品はあえて中級者向けにしておいたが、それはやはりモーツァルトのオペラといったら「フィガ
 ロ」から観てほしいからである。「フィガロ」を観た後には、他の初心者向けオペラ、例えば「椿姫」
 や「カルメン」に進むのも良いし、この「魔笛」に進んでも良いと思う。

 ☆推薦盤☆
 ・ショルティ/ウィーンフィル(69)(デッカ)            SS
 ・ショルティ/ウィーンフィル(69)(デッカ)    抜粋盤(1枚) SS
 ・ベーム/ベルリンフィル(64)(グラモフォン)            A

   演奏の評価自体は、ショルティ盤が抜けていて、独走状態といっても良いほど。
   しかし、このCD、3枚組とはいえ、約8500円もするのはあまりに高くはないだろうか。
   発売元もその点を考慮してか、1枚の抜粋盤と、なぜか2枚組の抜粋盤がある。1枚ならとも
   かく、2枚組というのはいかにも中途半端だ。よって、1枚組の抜粋盤を買われるのであれば、
   このショルティの演奏をお薦めしたい。
   ベーム盤は、ショルティ盤が独走状態とはいえ、決して悪い演奏というわけではなく、しっか
   りと安定した地位は確立している。こちらは2枚組でショルティ盤の半分の金額で済むので、
   全曲盤としてはベーム盤を第一に推薦することとしたい。

   「魅惑のオペラ5」 モーツァルト 魔笛


☆ヨハン・シュトラウスU世
こうもり  ★
  
 ウィンナーワルツやポルカで知られる、ヨハン・シュトラウスU世は、オペラ曲にも素晴らしい傑作を
 残した。それが、この「こうもり」である。オペレッタの最高傑作の地位を不動のものにしているだけ
 でなく、あらゆるオペラ曲の中でも最高傑作の誉れが高い。
 とはいえ、この作品はワーグナーの作品のように決して奥深かったり、長い訳ではなく、むしろ、最も
 初心者向けの作品の最有力候補でもある。
 その一番の理由は、劇としての愉快、痛快さにある。「こうもり」という作品名が一体何を意味してい
 るのか最後まで分からないというような「仕掛け」もあるし、登場人物のセリフもシャレが利いていて
 面白い。とにかく、観ていて面白く、かつ、初心者の方にも非常に分かりやすい作品なのだ。
 また、作曲者が作曲者だけに、ウィーン情緒溢れる、美しく流麗な音楽も大きな理由である。
 なお、オペレッタとは「喜歌劇」のことで、オペラの中でも喜劇や、やや気軽に接することのできる作
 品のことを指している。
 この「こうもり」は、オペラの中でも屈指の作品ということで、ストーリーに大晦日が関わっているこ
 とにちなみ、ヨーロッパの主要な歌劇場では、大晦日に上演されるのが現在でも恒例となっている。

「こうもり」序曲
 ☆推薦盤☆  ・カルロス・クライバー/バイエルン国立管弦楽団(75)(グラモフォン)       SS ・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団(55)(EMI)                A  ・カルロス・クライバー/バイエルン国立管弦楽団(87)(ドリームライフ) DVD *SS          こうもり=クライバー。クライバー=こうもり である。クライバーはオペラに名演を残した    が、この作品は極めつけ、彼の十八番であった。全く揺るぎないSS評価を確立してきた名盤    だったが、一時期国内盤が廃盤。再び再発売されたものの、現在はSHM−CDの2枚組なの    で、ちょっとお高い。そこで私がお薦めするのは、一番下のDVD。このDVDはクライバー    がバイエルン国立歌劇場で上演した時の映像で、紛れもなく彼の演奏なのだが、何と!定価6    930円であったものが、2940円と超プライスダウンされて、再発売となった。これはも    しかすると限定販売かもしれないので、これからオペラを聴こうという方からクライバーファ    ン、クラシック上級者の方まで、この機会をお見逃しなく!しかも録画年も87年と新しいの    で、よほど落ち着いて音楽だけを楽しみたい方以外は、こちらのDVDの方がお薦め。    クライバーのCD、DVDで選択に困る方には、次に評価が高く、この作品のNo2の座を揺    るぎないものにしているカラヤン盤がお薦め。      55年という録音年が気になるが、国内盤なのにお安いことや、シュワルツコップを始めとす    る豪華歌手陣が魅力。    「魅惑のオペラ7」 J・シュトラウスU世 こうもり


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