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レスピーギは、1879年生まれ、1936年没の、イタリアの現代の作曲家です。 この作品は、作曲者不詳の「リュートのためのアリア」というバロック期の音楽を題材に、レスピーギ が編曲したものです。第4組曲まであるのですが、とりわけ第3組曲だけがよく演奏され、特に第3曲 目の有名な「シチリアーナ」はCMなどでも使われています。弦楽合奏がお好きなクラシックファンに は何ともいえない弦楽ゆえの魅力に溢れた旋律をもち、第1曲目とともに愛されている曲です。 なお、リュートというのはルネサンスからバロック期にかけて使われた撥弦(はつげん)楽器ですが、 古典派以降はギターにとって代わられました。 |
「リュートのための古風なアリアと舞曲」はCMなどで使われている分、親しみやすいですが、レスピ ーギの代表作といえば、「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭」(作曲順)でして、「ローマ 三部作」と呼ばれます。これらは交響詩で、描写音楽です。曲名の通り、イタリアの首都ローマのある ものを題材にした音楽で、管弦楽の色彩感豊かな作品です。例えば「ローマの噴水」では、噴水の様子 を管弦楽で表現しているという音楽です。ローマに行かれたことがある方はよりイメージしやすいでし ょう。各楽章とも、何を表現しているのかの標題がついていますので、ローマに行かれたことのない方 も、解説書を見ながら情景を思い浮かべて聴くと、より分かりやすいかと思われます。 それぞれ第4楽章まであって、各楽章とも5分程度なので、とても聴きやすいです。 最初に作曲された「ローマの噴水」の大好評によって、レスピーギは一躍作曲家としてデビューしたと されています。 ちなみに、最も親しみやすく、かつ最高傑作であるのは「ローマの松」だと言われています。 |
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オペラで有名なロッシーニですが、実は名作ともいえる管弦楽曲を残しています。それがこの「弦楽の ためのソナタ集」で、すべて3楽章からなる6曲、つまり全18曲で構成されています。なかなか各曲 の構成はしっかりしていますし、「メロディーメイカー」としてのロッシーニならではの魅力溢れる美 しい旋律も随所に散りばめられているということで、専門家の評価は高い作品です。 しかも、この曲集は何と12歳の時に作曲されており、専門家の中には「モーツァルトにも匹敵する天 賦の才能」と絶賛する人もいるくらいなのです。 晩年はただの料理マニアになってしまったロッシーニですが、ファンの方には、若き頃のロッシーニの 才能を満喫して頂きたい逸品です。 |
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ワーグナーは管弦楽曲の作曲家ではなくて、オペラの作曲家です。しかし、作品を鑑賞するとなります と、何枚組にもなってお高いオペラの全曲盤のCDを買わなければならないので効率が悪いです。気軽 にワーグナーのオペラの有名曲を聴けるための配慮でしょうか、ワーグナーの管弦楽曲集というような タイトルのCDがたくさん発売されています。これによって、我々は廉価で魅力的なオペラ曲だけを聴 くことができるわけです。 CDは評価の高いものを推薦盤としましたので、楽曲、曲目は全く考慮しておりません。お求めの際は、 ご自分の聴きたい作品が入っているCDを優先なさって下さい。 なお、CDショップではオペラの全曲盤CDは別コーナーになっているのがほとんどですので、そこに 管弦楽曲集もおいてあるか、他の作曲家と同じようにワーグナーのコーナーに置いてあります。 |
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シュトラウス・ファミリーとは、ヨーゼフやヨハンなどのシュトラウス一族を指しています。この一族 はワルツやポルカなどをたくさん作りました。 リヒャルト・シュトラウスは一族ではないのでご注意下さい。 曲名とメロディが一致しなくとも、「美しき青きドナウ」や「ラデツキー行進曲」などを聴いたことの ある方はとても多いでしょう。 ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートをご存知でしょうか。詳しくはこちらからどうぞ。 これは、世界最高のオーケストラ、ウィーン・フィルが、10〜15曲のワルツ、ポルカを選んで、毎 年元日に演奏する恒例行事です。指揮者は、世界的知名度のある指揮者(ウィーン・フィルに好かれて いるかも重要です)がランダムで選ばれます。2002年、小澤征爾もこの舞台に立ちました。 元日の恒例行事として演奏されるだけに、どの曲も明るく、華やかで、祝典的な曲ばかりです。最後は 必ずラデツキー行進曲と決まっています。 できれば、CDだけでなく、DVDで観るか、あるいはNHKで必ずテレビ放送をするので、「眼」で もその華やかさを楽しんで下さい。「クラシック」というとお堅いイメージがありますが、この時ばか りは無礼講で、指揮者などのお遊びは見ていて結構愉しいです。 どの曲も短く、ムードに溢れていますので、初心者の方にもとても分かりやすい音楽です。 下のYOUTUBEへのリンクは、2曲とも、もちろんニューイヤー・コンサートのものですので、いつでも お正月気分に浸って頂ければと思います。 DVDではやはり、カルロス・クライバーの89年盤が一番人気のようです。 なお、ニューイヤー・コンサートのCDは、日本では1月中にすぐに発売されます。 |