|
主に交響詩の作曲で知られるリヒャルト・シュトラウスですが、有名なオペラの作品もあるのでご紹介。 この「ばらの騎士」という作品ですが、どちらかというと喜劇的な面も持っているオペラで、初心者の 方でも楽しめます。作曲者自身が、モーツァルトのようなオペラを目指して作曲したため、優美な旋律 が随所で聴かれます。また、舞台がウィーンであるため、ワルツも使用しています。 リヒャルト・シュトラウスのオペラといったらこの「ばらの騎士」、ヨハン・シュトラウスU世のオペ ラといったら「こうもり」ですので、お間違えないようにどうぞ。 |
|
レハ−ルはハンガリー生まれで、ヨハン・シュトラウスU世亡きあと、ウィーンのオペレッタの再興の 立役者となった作曲家です。「メリー・ウィドウ」という作品はその代表作です。かなりマイナーです が、この作品は「フィガロの結婚」や「椿姫」などと並んで、オペラ入門用にもぜひお薦めしたい作品 です。 純粋なオペラ、というよりも、喜歌劇、オペレッタですので、セリフが多く、全体は短く、音楽も親し みやすい作品です。 なお、この「メリー・ウィドウ」は日本の「二期会」の得意の演目で、本場よりも高く評価する人もい るくらいということですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。 |
|
ロッシーニの代表作品で、オペラの傑作の一つとして知られています。どちらかというとやや中級者の 方向けでしょうか。 初心者、入門者の方はやはり「椿姫」「フィガロの結婚」「こうもり」などから入って頂くのがお薦め で、その後に楽しむべき作品であると思われます。 ストーリーは非常に楽しいです。また音楽的にも、「ロッシーニ・クレッシェンド」とも呼ばれる軽快 なメロディが全編に散りばめられていまして、とても楽しい気分になれます。コメディタッチの作品で すので、深刻なオペラは苦手という方でも、「フィガロ」なみの気軽さで接することができます。 この作品のような、やや中級者の方向けの作品の後は、「蝶々夫人」「ラ・ボエーム」などの作品を楽 しんで頂くのがお薦めです。ワーグナーはまだ難しく、退屈してしまうと思われます。 |
|
ワーグナーはオペラ専門の作曲家で、オペラの第一人者ですが、作品は上級者向けです。何より長く難 しいです。決して「フィガロの結婚」のように笑って気軽に楽しめる作品ではありません。 そのワーグナーに、とんでもなく長大な作品があります。それがこの「ニーベルングの指環」です。 主人公は、不死身の英雄ジークフリートです。 楽劇4部作の名の通り、「ラインの黄金」「ワルキューレ(ヴァルキューレ)」「ジークフリート」 「神々のたそがれ」の4部作から成り、何と上演に4日かかります。もちろん、つながりはあるのです が、あまりに長いため、便宜的に4つの作品に分かれていて、1つの作品それぞれが他のオペラ作品1 つに値するほどの長さと思って頂ければ分かりやすいでしょう。楽劇4部作の全曲盤CDは13枚組か 14枚組がほとんどですので、とんでもなく長い作品です。これ以上長いクラシック作品はもちろんあ りません。 いくらクラシック上級者の方とはいえ、ここまでくると体力勝負になってきますが、この長大な作品に、 ワーグナーの魅力が充満している、というのが音楽評論家の説です。この作品を聴かずにワーグナーを 語ることはできないと言われています。 ですが、いきなりこんな気の遠くなるほどの作品を頭から聴き始めても訳が分かりません。どうすれば いいのかといいますと、まずはハイライト盤をとにかく聴きまくるのがいいそうです。よって、ハイラ イト盤を何枚かお薦めで挙げておきました。割と専門書籍で採り上げてあるハイライト盤、抜粋盤で、 演奏の評価はともかくとして、これらのCDをとにかく聴きまくるのだそうです。 そしていざ全曲盤を手に入れたら、CD1枚ずつを繰り返し聴きまくるのがいいらしいです。それを繰 り返して、いつか、一度でいいから全曲盤CDを初めから通して聴いてみると、ワーグナーは一生の宝 になるはず、という、人類の至宝とも言うべき超大作なのです。 |
古代トリスタン伝説に基づいて書かれたとされ、騎士であるトリスタンと、アイルランドの王女イゾル デとの究極の愛の物語と言われています。 しかし、これ以上、この作品の成り立ちをご紹介しようとすると相当難しいですので、詳しくは専用の サイトをあたって下さい(こちらからどうぞ)。やはりワーグナーが書いただけあって、上級者向けの 作品です。 「究極の愛の物語」ということだけ分かっていれば、ストーリーはさほど難しくはないですし、登場人 物も少ないです。ただ、音楽としては、これといった名旋律があるわけでもなく、あくまで「劇」を観 賞するための作品と言えそうです。 |
「パルジファル」はワーグナーが書いた最後のオペラで、オペラ上級者でないと難しく、まさにワーグ ナーの奥の院ともいえる作品です。数々の有名オペラを制覇した人が最後に挑戦する作品といってもい いでしょう。「舞台神聖祝典劇」という呼び名はワーグナー自身がつけたのですが、その名の通り、宗 教性の強い作品です。 題材となった「聖杯伝説」はキリスト教に基づく伝説ですが、単純にキリスト教的というよりは、独自 色を示していて難しいです。 この作品はワーグナー自身が建てたバイロイト祝祭歌劇場での上演を前提にして書かれた作品でして、 ワーグナーの死後も30年はバイロイトでの独占上演が認められました。それだけワーグナー自身も大 衆的な要素を排除し、この作品に希少性と言いますか、神秘性、付加価値を持たせたのです。 いずれにしても、オペラの達人が最後に味わう神々しいまでの逸品です。 下のリンクから聴ける「聖金曜日の音楽」は、ワーグナーの最も美しい音楽の1つと言われています。 |
|
オペラに使われている曲、とりわけ序曲はオープニングを飾る曲で、ストーリー全編の音楽を集約した ものです。単品ですので、どのような雰囲気のオペラなのかを考えながら、気軽に聴けるところが長所 です。よく耳にする曲も多く、オペラの入門者の方にももってこいです。 これらのCDはオムニバスですので、作曲家のコーナーにあるか、オムニバスのコーナーにあるかはお 店によってまちまちです。分からなければ店員さんに聞くのがいいですが、店頭には置いてないことが 多いですので、ネット販売を利用するのも得策です。 なお、ワーグナーの曲は「管弦楽曲集」というCDがたくさんありますので、「管弦楽曲・室内楽曲編」 で採り上げています。 |