名曲案内〜交響曲編[〜

(モーツァルト〜ラフマニノフ)



    
  やはりクラシックの華といえば大編成のオーケストラによる交響曲(シンフォニー)でしょう。
  日本のコンサートのプログラムでは常にメインに陣取る大曲ばかりです。
  クラシック鑑賞は、交響曲に始まり交響曲に終わるといってもいいでしょう。

モーツァルト     ・ラフマニノフ


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☆モーツァルト
作品NO.120 交響曲第25番 ★ 2021年5月最新更新
 
 モーツァルトは生涯で41の交響曲を残しましたが、そのうち短調で書かれたのは第40番とこの第2
 5番で、共にト短調であるため、前者に対して第25番は「小ト短調」と呼ばれます。しかし、これは
 専門家が使う用語で、一般的には「モーツァルトの25番」と呼ばれています。
 第1楽章の主題は映画「アマデウス」にも使われた有名な主題ですので、ご存知の方も多いのではない
 でしょうか。
 モーツァルトは17歳でこの作品を書きましたが、第1楽章冒頭の主題は激しい感情の爆発で、荒々し
 い音の旋回など、疾風怒濤の音の世界で、若きモーツァルトの青春の慟哭そのものです。
 第3楽章は美しいメヌエット、第4楽章はロマン的な人間感情の溢れた音楽となっています。
 規模こそ小さいですが、内容は濃く、青年時代のモーツァルトの傑作です。短い作品ですので、初心者
 の方も聴きやすいでしょう。

第1楽章(クレンペラー指揮)
 ☆推薦盤☆    ・ローレル/レ・セルクル・ド・ラルモニー(08)(エラート)      S    ◎アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(99)(DHM)S    ○ワルター/ウィーン・フィル(56)(SONY)            A    ・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団(56)(ワーナー)       A    ・ブリテン/イギリス室内管弦楽団(71)(デッカ)           A        有名な「第25番」ですが、廃盤だらけでこれというCDがありません。    一番上のローレル盤は、廃盤中のようです。古楽器演奏者で、新進気鋭の若手指揮者「ジェレ    ミー・ローレル(ロレール、ローラーなど)」という名前はぜひ覚えておいて頂ければと思い    ます。    アーノンクール盤も古楽器演奏で、7枚組のモーツァルト交響曲集ですので無駄といえば無駄    なのですが、何とお値段は約2500円です。お薦めできるのが、他には録音の古いワルター    盤しかありませんので、こちらを◎にしました。レーベル(DHM)は、ドイツ・ハルモニア    ・ムンディの略です。    ワルター盤は、さながらモーツァルトの魂がのり移ったのかのような激烈な演奏です。    歴史的名盤の第40番とのカップリングというのは大きく、第40番を買えば第25番もつい    てくるといった感覚で購入出来ます。    残念ながら録音はモノーラルで、お世辞にも音質は良いとは言えません。    演奏自体は第一にお薦めしたいところですが、音質を考えると、イチオシにはしづらいです。    音質は気にしない方、アーノンクール盤の7枚組という点を気になさる方、国内盤の方がお好    みの方にはこちらがお薦めです。    クレンペラー盤、ブリテン盤は廃盤中です。   

作品NO.121 交響曲第31番「パリ」 ★★ 2021年5月最新更新
 
 モーツァルトが、パリの演奏団体の支配人に依頼され、作曲したのが副題の由来です。パリの聴衆が好
 みそうな、フランス的な優雅な旋律を盛り込んだとされています。
 通称はもちろん「パリ」です。
 そのエピソードの通り、モーツァルトの後期の交響曲(第26番から第41番までを指します)の中で
 も、特に明るさと躍動感に秀でた作品です。
 この作品はニ長調で書かれていますが、モーツァルトの作品でニ長調といいますと、交響曲第35番
 「ハフナー」交響曲第38番「プラハ」ピアノ協奏曲第26番ディヴェルティメントK136、
 ディヴェルティメント第17番など、その明るさが際立つ優美な旋律で書かれた作品が多いです。
 この作品は交響曲ですが第3楽章までしかなく、しかも演奏時間は約18分です。小規模のため扱いは
 地味ですが、初心者の方でも気軽に聴ける作品です。

全楽章(アーノンクール指揮)
 ☆推薦盤☆    ・ゲーベル/バイエルン室内PO(07)(Oehms Classics) S    ・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団(63)(ワーナー)      S    ・J・ネルソン/アンサンブル・O・ド・パリ(08)(Ambroisie)     A    ・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(85)(デッカ)         A    ・ゴルツ/フライブルク・バロック(05)(ハルモニア・ムンディ)    A    ・A・フィッシャー/デンマーク国立室内O(10、11)(Dacapo) A    ◎ガーディナー/イギリス・バロック管弦楽団(87)(デッカ)      B    上でご紹介した「第25番」も廃盤が多く、かなりの憂き目にあっていますが、こちらは更に    ひどい状況です。    唯一お薦めできるガーディナー盤以外はすべて廃盤中のようです。    J・ネルソン盤、ゴルツ盤、A・フィッシャー盤は音源の確証もとれておりませんのでご注意    下さい。

作品NO.122 交響曲第35番「ハフナー」 ★ 2021年5月最新更新
 
 特に有名な旋律のある作品ではありませんが、モーツァルトの数ある交響曲の中でもとりわけ明るく、
 一つの楽章が短いので非常に聴きやすいです。モーツァルトの交響曲の中では第40番第41番など
 と比べるといま一つポピュラーとは言えませんが、聴きやすさでは屈指です。というのも、この交響曲
 は元々セレナーデでした。モーツァルトのセレナーデで最も有名なのは「アイネクライネ」ですが、お
 得意な分野でもあり、モーツァルティックな魅力が充満しています。小品ですが、明るさと愉しさでは
 モーツァルトの交響曲の中でこれが一番でしょう。通称は「ハフナー」です。
 
第1楽章(ベーム指揮)     第3楽章(ベーム指揮)
 ☆推薦盤☆    ◎アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(12)(SONY) SS    〇クーベリック/バイエルン放送交響楽団(80)(SONY)           A    ・シューリヒト/ウィーン・フィル(56)(デッカ)              A    ▲アバド/モーツァルト管弦楽団(06)(ARCHIV)            A    ・コンツェルト・ケルン(02)(Capriccio)             A    ハフナーの推薦盤はみなお高いです。短い作品ですので、「交響曲集」のような複数枚のCD    に収録されているものが多いです。    現在、最も評価が高いものはアーノンクール盤です。古楽器による演奏です。    テンポはやや遅めで、厚みのあるオケで堂々と、格調高く、スケールの大きいハフナーとなっ    ています。演奏と、カップリングの「ポストホルン」もSS評価である点をを考慮すれば当然    ◎ですが、約3000円とお高い点を考慮しますと、絶対のお薦め★にはしづらいです。    クーベリック盤も後期交響曲集ですので約3000円ですが、この第35番ハフナーから第4    1番「ジュピター」まで、第37番以外の有名な6作品が収録されている3枚組ですので、お    得といえばお得です。    クーベリックのモーツァルトの良さと言えば、何と言っても、上品でみずみずしく、耳に心地    よい音色です。迫力には欠けるのですが、この作品においてはあまり必要がないでしょう。最    高に近いほどの美音はモーツァルティックな世界そのものです。古楽器的な演奏を好まない方    にはこちらの方がお薦めかもしれません。    シューリヒト盤は廃盤中です。    アバド盤も交響曲集ですので、輸入盤であるのに約3000円です。    晩年、自ら結成した「モーツァルト管弦楽団」による、5作品収録の後期交響曲集です。    まさしく、これがアバドのピリオド・アプローチと言わんかのような演奏です。イタリア出身    のアバドは、元々カンタービレを基本とし、70年代から80年代には夢見るようなモーツァ    ルトを表現していたのですが、晩年にはスタイルを変えました。演奏自体はピリオド・アプロ    ーチがお好みかどうかが問題です。きりりと、テンポはやや速めの軽快なハフナーで、アーノ    ンクールの演奏とは正反対とも言えるスタイルです。    カップリングの「プラハ」「ジュピター」共にA評価です。    最後のコンツェルト・ケルン盤は廃盤中のようです。

作品NO.246 交響曲第36番「リンツ」 ★★★ 2021年5月最新更新

 上でご紹介している交響曲第35番「ハフナー」と同時期の作品で、モーツァルトがウィーンに居を構
 えた頃に作曲されました。「リンツ」というのは、現在ではオーストリア第3の都市名で、モーツァル
 トがリンツに立ち寄った際に、急遽開催された歓迎演奏会のために4日で書き上げたというエピソード
 に基づいています。
 導入部をはじめ、形式的にはハイドンの影響が強いと言われています。

全楽章(カルロス・クライバー指揮)
 ☆推薦盤☆    ◎アーノンクール/アムステルダム・コンセルトヘボウ(84)(テルデック)SS    ・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(89)(デッカ)          A    〇ガーディナー/イギリス・バロック管弦楽団(88)(デッカ)       A        SS評価であるアーノンクール盤は、現代楽器での演奏です。古楽器での録音はされませんで    した。お値段もお安いですが、カップリングの第35番「ハフナー」は、上でご紹介している    SS評価のCDとは音源が違いますのでご注意下さい。    古楽器演奏のブリュッヘン盤は廃盤中です。    古楽器演奏の方がお好みの方には、ガーディナー盤がお薦めです。リンク先のCDジャケット    の写真はどうも違うようですが、音源は間違いないと思われます。

作品NO.123 交響曲第38番「プラハ」 ★★★ 2021年5月最新更新
 
 1787年に完成し、同年にプラハ(チェコの首都)で初演されていることから、「プラハ」と名づけ
 られています。プラハの様子をモチーフにした作品ではないようです。通称は「プラハ」です。
 この交響曲の最大の特徴は、他のモーツァルトの交響曲ならば第3楽章にあたる、メヌエット楽章がな
 く、3楽章構成である点です。ですが、上の「ハフナー」に比べるとより交響曲として枠組みがしっか
 りしていまして、充実感があります。これで普通に4楽章構成ならば、初心者の方には飽きがくるかも
 しれません。
 もちろん、モーツァルトの魅力である旋律の美しさに満ちた作品ではありまして、モーツァルティック
 な雰囲気が溢れています。
 また、同じ頃に発表された「フィガロの結婚」と通じていまして、幸せなニュアンスにも満ちています。

第1楽章
 ☆推薦盤☆    ・ヤーコプス/フライブルク・バロック(06)(ハルモニア・ムンディ)   S    ◎クーベリック/バイエルン放送交響楽団(80)(SONY)        S    ・クーベリック/バイエルン放送交響楽団(80)(SONY)         S    ・アーノンクール/ヨーロッパ室内管弦楽団(93)(テルデック)      A    ・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(88)(デッカ)          A    〇アバド/モーツァルト管弦楽団(06)(ARCHIV)          A    ▲マッケラス/スコットランド室内管弦楽団(06)(Linn)       A    廃盤が多く、本当にお薦めできるCDは少ないです。    一番上のヤーコプス盤は古楽器演奏ですが、廃盤中のようです。    そこで、同じS評価のクーベリック盤を◎にしました。    音色がモーツァルトとマッチしている非常に優雅、典雅な演奏で、耳に心地よいです。お値段    もお安いです。    下のCDは、約3000円とややお高いですが、第35番「ハフナー」から第41番「ジュピ     ター」までの6作品(第37番以外)が収録されているお得な3枚組の後期交響曲集ですので、    お好みでどうぞ。    アーノンクール盤は現代楽器の演奏ですが、どうも廃盤中のようです。    古楽器演奏のブリュッヘン盤は廃盤中です。    アバド盤は交響曲集ですので、輸入盤であるのに約3000円です。    カップリングの「ハフナー」「ジュピター」共にA評価です。    他に廃盤が多いですので、これをお薦め度〇としました。    最後のマッケラス盤も交響曲集で5枚組ですので、輸入盤であるのにお高いです。    次にご紹介している「第40番」もA評価ですので、たくさん聴きたい方にお薦めです。

作品NO.124 交響曲第40番 ★★ 2021年5月最新更新
 
 第1楽章冒頭のテーマはあまりにも有名で、ご存知の方も多いでしょう。クラシック音楽の有名な旋律
 は多数ありますが、その中でも有数と言える旋律です。ぜひ下のYOUUBEへのリンクからお聴き下さい。
 この作品はモーツァルトが書いた数少ない短調の交響曲(41作品中2つで、もう一つは上でご紹介し
 ている第25番です)で、人生の哀感が全4楽章を貫いている傑作です。
 あらゆる交響曲の中でも最も有名な作品の一つです。
 旋律が非常に美しいですので、やや冗長な第2楽章を除けば、初心者の方にもお薦めです。
 一般的には、「40番」だけで通ってしまう名曲中の名曲です。

全楽章(バーンスタイン指揮)
 ☆推薦盤☆   ★◎アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(13)(SONY) SS    〇ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(10)(グロッサ)           A    △ミナージ/アンサンブル・レゾナンツ(19)(ハルモニア・ムンディ)     A    ▲セル/クリーヴランド管弦楽団(67)(SONY)              A    △ブロムシュテット/バイエルン放送交響楽団(13)(BR Klassik)  A    △マッケラス/スコットランド室内管弦楽団(07)(Linn)         A    ☆ワルター/ウィーン・フィル(52)(SONY)                   推薦盤は、複数枚のCDが多いです。    アーノンクール盤は第39番から第41番「ジュピター」の3作品が収録されていて、いずれ    もSS評価という凄まじいCDです。録音も新しいですので、絶対のお薦め★にしました。    第39番の第4楽章から第40番の第1楽章が続けて演奏されているという、いかにもアーノ    ンクールらしい独特の解釈がされています。    アーノンクール盤、ブリュッヘン盤は共に古楽器演奏で、演奏スタイルは似ています。従来の    古楽器演奏と言いますと、こじんまりとしているイメージがあったのですが、この2つの演奏    は現代楽器の演奏よりもシンフォニックで、今までのイメージを払拭させています。古楽器演    奏の1つの到達点と言えるのではないでしょうか。    ミナージ盤は、現代楽器のようですが、確認がとれておりません。    セル盤は、現代楽器の演奏の方がお好みの方にはお薦めです。2枚組の交響曲集ですがお安い    ですし、カップリングの「ジュピター」もA評価ですので、お得なCDです。      ブロムシュテット盤は現代楽器の演奏ですが、輸入盤で1枚ものにしてはお高いです。    マッケラス盤は交響曲集で5枚組ですので、輸入盤であるのにお高いです。    上でご紹介している「プラハ」もA評価ですので、たくさん聴きたい方にお薦めです。       ワルター盤は、古くから「40番」の定盤とされてきた歴史的名盤です。A評価の「第25番」    とのカップリングのCDで、非常に有名なCD、ワルターの代表的な名盤でもあります。    第1楽章冒頭のテーマをポルタメント(音のずり上げ)で表現していまして、その甘美さには    思わずしびれてしまいます。まさにワルターここにあり、といわんばかりの演出で、これぞウ    ィーン音楽の粋です。他の楽章の旋律の歌い方もワルターならではで、モーツァルトに対する    愛着が存分に表現されています。    確かに録音は古いですが、この作品を愛する方には必聴の名盤です。

作品NO.125 交響曲第41番「ジュピター」 ★★ 2021年5月最新更新

 モーツァルトが書いた最後の交響曲でして、神々の王「ジュピター」から名づけられたように、優雅で
 美しく、格調も高く、その名に恥じない外観と内容を誇っています。あらゆる交響曲の中でも名作中の
 名作です。
 「第40番」よりは、中級者以上の方向けでしょうか。一般的には「41番」よりも「ジュピター」と
 呼ばれます。
 なお、ホルスト作曲の「惑星」のジュピターとは何の関係もありません。
 第1楽章はまことに堂々たる威容と優美で美しい旋律に満ちた楽章で、全楽章の中でも最も魅力的な楽
 章の一つです。第2楽章は田園を歩くモーツァルトの世界が描かれ、人生の哀感がたっぷりと表現され
 ている逸品です。こぼれるような弦の表情が美しいです。第3楽章は宇宙を思わせるスケールの大きな
 音楽です。第4楽章は情熱がほとばしる熱い楽章で、表面は流麗ながらもうちに込められたパッション
 が素晴らしく、モーツァルトの交響曲の最後を飾るにふさわしいフィナーレとなります。 

全楽章(パーヴォ・ヤルヴィ指揮)  全楽章(ブリュッヘン指揮 おそらく同じ音源です)
 ☆推薦盤☆   ★◎アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(13)(SONY) SS    〇ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(10)(グロッサ)           A    ・サバール/ル・コンセール・デ・ナシオン(17)(アリア・ボックス)     A    ▲アバド/モーツァルト管弦楽団(06)(ARCHIV)            A    △セル/クリーヴランド管弦楽団(63)(SONY)              A    上の第40番と似たご紹介文になります。推薦盤は、複数枚のCDが多いです。    アーノンクール盤は第39番から第41番の3作品が収録されていて、いずれもSS評価とい    う凄まじいCDです。録音も新しいですので、絶対のお薦め★にしました。    アーノンクール盤、ブリュッヘン盤は共に古楽器演奏で、演奏スタイルは似ています。従来の    古楽器演奏と言いますと、こじんまりとしているイメージがあったのですが、この2つの演奏    は現代楽器の演奏よりもシンフォニックで、今までのイメージを払拭させています。古楽器演    奏の1つの到達点と言えるのではないでしょうか。    上のYOUTUBEへのリンクから聴けるブリュッヘンの演奏は、おそらく同じ音源かと思われます    のでぜひお聴き下さい。    サバール盤は廃盤中のようです。    晩年のアバドによる新盤は、ピリオド・アプローチによるものです。ところどころ、アバドの    モーツァルトに対する愛情が感じられる演奏となっています。旧盤とは全くと言っていいほど    演奏スタイルは違います。交響曲集ですのでややお高いですが、現代楽器の演奏の方がお好み    という方にはお薦めです。カップリングの「ハフナー」「プラハ」共にA評価です。    最後のセル盤は2枚組の交響曲集ですがお安いですし、カップリングの「40番」もA評価で    すので、お得なCDです。  

☆ラフマニノフ
作品NO.159 交響曲第2番 ★★★ 2016年9月最新更新
 
  ラフマニノフの作品では、「ピアノ協奏曲第2番」と並んで最も有名な作品です。
 いずれも一般の方にはあまり馴染みのない作品なのですが、交響曲第2番の第3楽章は聴き覚えのある
 方も多いのではないでしょうか。おそらく、ラフマニノフの作品で最も親しまれているのはこの楽章で
 しょう。
 これだけロマンティックで、いかにも恋のムードに溢れた曲も珍しく、筆舌に尽くしがたい魅力があり、
 「恋人といる時にかけたい曲」や「美メロ」では必ず挙げられる曲です。
 この交響曲自体は初心者の方向きではないと思いますが、第3楽章があまりに魅力的ですので、初心者
 の方には第3楽章だけ聴くという目的でも超お薦めの交響曲!また、特に女性にもお薦めしたいです。
 ラヴラヴなムードに浸れること間違いなし!

第3楽章(プレヴィン指揮NHK交響楽団)
 ☆推薦盤☆    ◎プレヴィン/ロンドン交響楽団(73)(ワーナー)          SS 超お薦め!    ▲ゲルギエフ/キーロフ劇場管弦楽団(93)(デッカ)          A    ・プレヴィン/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(85)(テラーク)  A    ○プレヴィン/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(85)(テラーク)  A        この作品のCDはプレヴィンの旧盤が抜きん出た評価を得ています。    以前は、新盤の方が上でした。3番目の新盤は元々輸入盤なのですが、日本語の解説がついて    います。テラークというレーベルはこのような販売の仕方が多いです。    このCD、頻繁に廃盤になることが多いですので、輸入盤へのリンクも作成しておきました。    個人的には正直甲乙つけがたいですので、旧盤をお薦め度◎、新盤を○としておきました。    他にお薦めとなると、「お国もの」ということもあるのか、ゲルギエフ盤です。お安いです。    


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