|
モーツァルトは生涯で41の交響曲を残しましたが、そのうち短調で書かれたのは第40番とこの第2 5番で、共にト短調であるため、前者に対して第25番は「小ト短調」と呼ばれます。しかし、これは 専門家が使う用語で、一般的には「モーツァルトの25番」と呼ばれています。 第1楽章の主題は映画「アマデウス」にも使われた有名な主題ですので、ご存知の方も多いのではない でしょうか。 モーツァルトは17歳でこの作品を書きましたが、第1楽章冒頭の主題は激しい感情の爆発で、荒々し い音の旋回など、疾風怒濤の音の世界で、若きモーツァルトの青春の慟哭そのものです。 第3楽章は美しいメヌエット、第4楽章はロマン的な人間感情の溢れた音楽となっています。 規模こそ小さいですが、内容は濃く、青年時代のモーツァルトの傑作です。短い作品ですので、初心者 の方も聴きやすいでしょう。 |
モーツァルトが、パリの演奏団体の支配人に依頼され、作曲したのが副題の由来です。パリの聴衆が好 みそうな、フランス的な優雅な旋律を盛り込んだとされています。 通称はもちろん「パリ」です。 そのエピソードの通り、モーツァルトの後期の交響曲(第26番から第41番までを指します)の中で も、特に明るさと躍動感に秀でた作品です。 この作品はニ長調で書かれていますが、モーツァルトの作品でニ長調といいますと、交響曲第35番 「ハフナー」、交響曲第38番「プラハ」、ピアノ協奏曲第26番、ディヴェルティメントK136、 ディヴェルティメント第17番など、その明るさが際立つ優美な旋律で書かれた作品が多いです。 この作品は交響曲ですが第3楽章までしかなく、しかも演奏時間は約18分です。小規模のため扱いは 地味ですが、初心者の方でも気軽に聴ける作品です。 |
特に有名な旋律のある作品ではありませんが、モーツァルトの数ある交響曲の中でもとりわけ明るく、 一つの楽章が短いので非常に聴きやすいです。モーツァルトの交響曲の中では第40番、第41番など と比べるといま一つポピュラーとは言えませんが、聴きやすさでは屈指です。というのも、この交響曲 は元々セレナーデでした。モーツァルトのセレナーデで最も有名なのは「アイネクライネ」ですが、お 得意な分野でもあり、モーツァルティックな魅力が充満しています。小品ですが、明るさと愉しさでは モーツァルトの交響曲の中でこれが一番でしょう。通称は「ハフナー」です。 |
上でご紹介している交響曲第35番「ハフナー」と同時期の作品で、モーツァルトがウィーンに居を構 えた頃に作曲されました。「リンツ」というのは、現在ではオーストリア第3の都市名で、モーツァル トがリンツに立ち寄った際に、急遽開催された歓迎演奏会のために4日で書き上げたというエピソード に基づいています。 導入部をはじめ、形式的にはハイドンの影響が強いと言われています。 |
1787年に完成し、同年にプラハ(チェコの首都)で初演されていることから、「プラハ」と名づけ られています。プラハの様子をモチーフにした作品ではないようです。通称は「プラハ」です。 この交響曲の最大の特徴は、他のモーツァルトの交響曲ならば第3楽章にあたる、メヌエット楽章がな く、3楽章構成である点です。ですが、上の「ハフナー」に比べるとより交響曲として枠組みがしっか りしていまして、充実感があります。これで普通に4楽章構成ならば、初心者の方には飽きがくるかも しれません。 もちろん、モーツァルトの魅力である旋律の美しさに満ちた作品ではありまして、モーツァルティック な雰囲気が溢れています。 また、同じ頃に発表された「フィガロの結婚」と通じていまして、幸せなニュアンスにも満ちています。 |
第1楽章冒頭のテーマはあまりにも有名で、ご存知の方も多いでしょう。クラシック音楽の有名な旋律 は多数ありますが、その中でも有数と言える旋律です。ぜひ下のYOUUBEへのリンクからお聴き下さい。 この作品はモーツァルトが書いた数少ない短調の交響曲(41作品中2つで、もう一つは上でご紹介し ている第25番です)で、人生の哀感が全4楽章を貫いている傑作です。 あらゆる交響曲の中でも最も有名な作品の一つです。 旋律が非常に美しいですので、やや冗長な第2楽章を除けば、初心者の方にもお薦めです。 一般的には、「40番」だけで通ってしまう名曲中の名曲です。 |
モーツァルトが書いた最後の交響曲でして、神々の王「ジュピター」から名づけられたように、優雅で 美しく、格調も高く、その名に恥じない外観と内容を誇っています。あらゆる交響曲の中でも名作中の 名作です。 「第40番」よりは、中級者以上の方向けでしょうか。一般的には「41番」よりも「ジュピター」と 呼ばれます。 なお、ホルスト作曲の「惑星」のジュピターとは何の関係もありません。 第1楽章はまことに堂々たる威容と優美で美しい旋律に満ちた楽章で、全楽章の中でも最も魅力的な楽 章の一つです。第2楽章は田園を歩くモーツァルトの世界が描かれ、人生の哀感がたっぷりと表現され ている逸品です。こぼれるような弦の表情が美しいです。第3楽章は宇宙を思わせるスケールの大きな 音楽です。第4楽章は情熱がほとばしる熱い楽章で、表面は流麗ながらもうちに込められたパッション が素晴らしく、モーツァルトの交響曲の最後を飾るにふさわしいフィナーレとなります。 |
|
ラフマニノフの作品では、「ピアノ協奏曲第2番」と並んで最も有名な作品です。 いずれも一般の方にはあまり馴染みのない作品なのですが、交響曲第2番の第3楽章は聴き覚えのある 方も多いのではないでしょうか。おそらく、ラフマニノフの作品で最も親しまれているのはこの楽章で しょう。 これだけロマンティックで、いかにも恋のムードに溢れた曲も珍しく、筆舌に尽くしがたい魅力があり、 「恋人といる時にかけたい曲」や「美メロ」では必ず挙げられる曲です。 この交響曲自体は初心者の方向きではないと思いますが、第3楽章があまりに魅力的ですので、初心者 の方には第3楽章だけ聴くという目的でも超お薦めの交響曲!また、特に女性にもお薦めしたいです。 ラヴラヴなムードに浸れること間違いなし! |