名曲案内〜交響曲編V〜

(ドヴォルザーク〜フランク)



    
  やはりクラシックの華といえば大編成のオーケストラによる交響曲(シンフォニー)でしょう。
  日本のコンサートのプログラムでは常にメインに陣取る大曲ばかりです。
  クラシック鑑賞は、交響曲に始まり交響曲に終わるといってもいいでしょう。 

ドヴォルザーク     ・ハイドン     ・フランク


交響曲編T(サン=サーンス〜シューベルト)へ     ・交響曲編U(シューマン〜チャイコフスキー)へ

交響曲編W(ブラ−ムス〜プロコフィエフ)へ     ・交響曲編X(ベルリオーズ〜ベートーヴェン<運命>)へ

交響曲編Y(ベートーヴェン<田園>〜<合唱>)へ     ・交響曲編Z(マーラー〜メンデルスゾーン)へ

交響曲編[(モーツァルト〜ラフマニノフ)へ




☆ドヴォルザーク
作品NO.74 交響曲第8(7)番 ★★★ 2017年1月最新更新

  ドヴォルザークといえば「新世界」と言ってもいいくらい、交響曲第9番「新世界より」は代名詞とも
 なっています。
 交響曲で次にポピュラーなのが、この「第8番」で、第8番、第9番以外が演奏されることは稀です。
 この作品は通称「ドヴォ8」という名で親しまれていて、「イギリス」という副題がつくこともたまに
 あります。
 CDによっては、第8番が第7番、第9番が第8番と表記されていることもあるのでご注意下さい。
 (「ドヴォルザーク」が「ドヴォルジャーク」となっているのは単純な書き方の違いです)
 ドヴォルザークの作品では、チェロ協奏曲や、弦楽四重奏曲「アメリカ」なども人気が高いですが、第
 9番の次に、この「第8番」を選ぶ方は多いです。
 「第8番」はロマン主義と、民族性が融合した作品で、特に第3楽章冒頭の、流麗でどこか物悲しい旋
 律は大変魅力的です。この楽章はドヴォルザークが書いた最も美しい音楽と言われているほどです。
 この楽章の冒頭の旋律に惹かれて、「ドヴォ8」が好きな方も多いと思いのではないでしょうか。全4
 楽章とも、割と短く、聴きやすい交響曲です。
 ドヴォルザークの作風が好みの方にとっては、とても魅力たっぷりの作品です。

第3楽章
 ☆推薦盤☆       ◎セル/クリーヴランド管弦楽団(70)(ワ−ナー)         SS お薦め!   ○カラヤン/ウィーン・フィル(85)(グラモフォン)         A お薦め!   △クーベリック/ベルリン・フィル(66)(グラモフォン)       A    セルの「ドヴォ8」はセルのベストCDとも言える名盤として語り継がれています。20世紀の    名指揮者の一人であるセルの、生涯最後のレコーディングとなったメモリアルCDでもあります。    専門家はその点まで考慮して評価しているわけではないと思いますが、評価は堂々たるSS評価    です。まずはこのCDがお薦めです    カラヤン盤はそれに次ぐA評価を受けていますが、第9番「新世界より」とのカップリングで    1枚分の値段というのは大きいです。「新世界より」はS評価です。しかも高音質のSHM−C    Dですので、カップリング等重視ならばこちらの方がお薦めです。    この2枚に続くCDとして、今回、クーベリック盤を挙げておきましたが、カップリングの「新    世界より」はA評価といったところですので、上の2つの演奏以外で、と言う意味でのお薦めで    す。まずはやはり上の2枚がお薦めです。    <更新のポイント> セル盤をSS評価にし、クーベリック盤を追加しました。
作品NO.75 交響曲第9(8)番「新世界より」 ★★ 2017年1月最新更新

  ドヴォルザークの交響曲の中で最も有名なだけでなく、交響曲の中でも最も有名な作品の一つです。
 第4楽章の冒頭は、おそらくほとんどの方が一度は耳にしたことがあるのでは。第2楽章も、弟子のフ 
 ィッシャーが歌曲にアレンジして「家路」という名で流行させましたので、学校の下校やお店の閉店の
 音楽で聴いたことがある方も多いでしょう。
 この交響曲は、アメリカに渡ったドヴォルザークがホームシックにかかり、故郷のボヘミア(チェコ)
 を想って望郷の念を書き残したものです。全体的に垢抜けなく、土俗的な雰囲気が漂っていますが、こ
 れはアメリカの黒人霊歌を基調としたものだからです。
 第1楽章、第3楽章に慣れれば、初心者の方にも充分親しみやすい交響曲です。
 第4楽章は、冒頭から気分が高揚していくワクワク感が何とも言えません。
 「ドヴォ9」と呼ばれることはまずなく、「新世界」と、ちょっと略して呼ばれます。
 CDによっては、第8番が第7番、第9番が第8番と表記されていることもあるのでご注意下さい。

第2楽章(カラヤン指揮)     第4楽章(ドゥダメル指揮)
 ☆推薦盤☆    ◎ケルテス/ウィーン・フィル(61)(デッカ)             S お薦め!    ○カラヤン/ウィーン・フィル(85)(グラモフォン)          S お薦め!   △クーベリック/ベルリン・フィル(72)(グラモフォン)        A     △アーノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ(99)(テルデック)   A   ▲ノイマン/チェコ・フィル(93)(デンオン)             B   ・ノイマン/チェコ・フィル(93)(デンオン)             B    「新世界」のCDは、カップリングを考えるとカラヤン盤の方がお得です。    A評価の「ドヴォ8」とのカップリングで、しかもSHM−CDです。ですが、私はケルテス    盤を◎にしました。    ケルテスの演奏は、第1、第3楽章の金管の立派さ、ティンパニの強打がまことに期待以上に    充実しきっていて、それに応える弦の響きの充実度も素晴らしいです。もちろん、それとは対    照的に第2楽章、第4楽章では望郷の念が存分にこめられており、満点といってもいい演奏で    す。私自身は、これは素晴らしい演奏だと思いますので、SS評価にしたいくらいです。    ケルテスという、若くしてなくなった指揮者の遺した最大の遺産です。    演奏重視ならばケルテス盤、カップリング重視ならばカラヤン盤がお薦めです。    CDは以上2枚が抜きん出た評価を得ていますので、他は不要かと思えますが、一応3枚ご紹    介しておきます。    クーベリック盤は、土俗的な雰囲気に惹かれる方が多いようです。カップリングはA評価の「    ドヴォ8」ですので悪くはありません。    アーノンクール盤はカップリングが良くはないのですが、お安いのが魅力です。    ノイマンの「新世界」は代名詞でもあり、この93年盤は渾身の録音です。72年の初録音か    らずっと熱烈な支持者が多く、この曲を愛する方は是非とも聴いてほしい演奏です。    お安いのに高音質のBlu-specCDなのが嬉しいです。    一番下に2017年2月発売のUHQCDへのリンクも追加しておきました。    <更新のポイント> アーノンクール盤を追加し、ジュリーニ盤を外しました。また、お薦              め度はカラヤン盤を▲⇒○へ、ノイマン盤を○⇒▲にしました。
☆ハイドン
作品NO.99 交響曲第94番「驚愕」 ★★ 2017年1月最新更新

  ハイドンは何と100作以上の交響曲を書き、「交響曲の父」と呼ばれます。昔はここに挙げた「驚愕」
 や次に挙げた「軍隊」、そして「時計」などはモーツァルトの交響曲並みに人気を誇っていたものだっ
 たらしいのですが、今ではコンサートで演奏される機会も激減してしまいました。また、CDも、新し
 い録音はほとんどが古楽器による演奏になっています。これも時代の流れということなのでしょうか。
 ハイドンの交響曲の魅力は、その親しみやすい旋律にあります。各楽章の時間も短いため、初心者の方
 が聴く入門用の交響曲としても適しています。
 ここに挙げた「驚愕」の名はハイドンが生きていた頃から用いられていまして、第2楽章の突然の最強
 音に由来するとされています。
 なお、1791年から1795年に作曲された12の交響曲、具体的には第93番〜第104番を総称
 して「ザロモン・セット」「ロンドン・セット」「ザロモン交響曲」「ロンドン交響曲」と呼びます。

第2楽章
 ☆推薦盤☆    ・ミンコフスキ/ルーヴル宮音楽隊(09)(ナイーヴ)        12楽曲   S    ・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(92)(デッカ)        3楽曲   S    ○クイケン/ラ・プティット・バンド(92)(ハルモニアムンディ)  12楽曲   A    ・ファイ/ハイデルベルグ交響楽団(98)(HANSSLER)     2楽曲   A    ◎セル/クリーヴランド管弦楽団(67)(SONY)          3楽曲   A    ▲アーノンク−ル/ロイヤル・コンセルト・ヘボウ(90)(テルデック) 2楽曲   B        上記のように、ほとんどが古楽器演奏で、かつCDは複数枚のものが多いのが現状です。    かつ廃盤が多く、悲惨な状況です。    前回SS評価でしたブリュッヘン盤にミンコフスキのCDが肩を並べてきました。    しかし、共に廃盤中です。    ミンコフスキ盤は録音が新しいこともありますが、何より新鮮なアプローチが魅力的です。新    たな古楽器演奏の新星誕生かもしれません。ハイドンのチャーミングな旋律美を余すところな    く伝えています。このCDは4枚組です。    お薦め度○には、古楽器演奏の重鎮、クイケン盤を挙げておきました。このCDも4枚組です。    どちらかと言いますとオーソドックスな演奏です。    今回追加したファイ盤は、1枚もので、交響曲は2楽曲収録なのですがお高いです。輸入盤し    かなく、同じ音源かの確認がとれておりません。    現代楽器での演奏をお望みの方のことも考えて、お薦め度◎はセル盤にしました。ただし、期    間生産限定盤です。    最後のアーノンクール盤は、現代楽器による1枚ものです。    <更新のポイント> ミンコフスキ盤とファイ盤を追加し、ブリュッヘン盤の評価をSに下げ              ました。
作品NO.100 交響曲第100番「軍隊」 ★★ 2017年1月最新更新
 
  ハイドンの100を超える交響曲の中では最もポピュラーな作品であると共に、最もチャーミングな、
 いかにもハイドンらしい旋律美を誇っている名作です。「交響曲の父」ハイドンの代表作です。
 ハイドンの交響曲でポピュラーなものと言えば副題のつく交響曲で、「V字」、「奇蹟」、「驚愕」、
 「軍隊」、「時計」などがそれにあたりますが、どれも作風はかなり似ていますので、どれから聴き
 始めてもいいとは思いますが、この「軍隊」が一番旋律がチャーミングですので、まずはハイドンの
 交響曲の入門曲としていかがでしょうか。
 大太鼓、シンバルなどの軍隊用の楽器を用いているのが「軍隊」の由来です。
 なお、1791年から1795年に作曲された12の交響曲、具体的には第93番〜第104番の総
 称として、「ザロモン・セット」「ロンドン・セット」「ザロモン交響曲」「ロンドン交響曲」と呼
 んでいます。

全楽章(ヤンソンス指揮)
 ☆推薦盤☆    ・ミンコフスキ/ルーヴル宮音楽隊(09)(ナイーヴ)        4枚組   S    ・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(90)(デッカ)             S    ◎クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(65)(ワーナー)      A    ・アーノンクール/ロイヤル・コンセルト・ヘボウ(86)(テルデック)6枚組   A    ・アーノンクール/ロイヤル・コンセルト・ヘボウ(86)(ワーナー) 5枚組   A    「軍隊」のCDはS評価でミンコフスキ盤とブリュッヘン盤がトップ争いという状況ですが、    共に廃盤中です。    クレンペラー盤は、古楽器演奏、またはピリオド・アプローチによる演奏が主流となっている    ハイドンの交響曲において、古い録音なのに、A評価ということ自体がすごいです。演奏スタ    イルはスケール雄大です。お薦め度◎としました。    これだけでは寂しいですので、アーノンクールの現代楽器による演奏も加えておきました。    国内盤は廃盤中のため輸入盤です。レコードレーベルが違い、枚数も違いますが、おそらく同    じ音源のはずです。100%の確証はありません。    <更新のポイント> ミンコフスキ盤を加え、ワルター盤、アバド盤、クイケン盤を外し              ました。お薦め度もだいぶ変わりました。
作品NO.101 交響曲第101番「時計」 ★★ 2017年1月最新更新
 
 この作品も「驚愕」「軍隊」同様、親しみやすい旋律で、かつ演奏時間は約30分という、ハイドンら
 しい、聴きやすい交響曲です。
 副題の「時計」という名は、ハイドンがつけたものではなく、第2楽章の規則正しい音符の並びが、い
 かにも時を刻む時計の動きを連想させるものとして、19世紀に付けられたものだそうです。
 一度は聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。下のYOUTUBEへのリンクからお聴き下さい。

第2楽章
 ☆推薦盤☆    ・ミンコフスキ/ルーヴル宮音楽隊(09)(ナイーヴ)        4枚組   S    ◎ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(87)(デッカ)             S    ▲クイケン/ラ・プティット・バンド(94)(ハルモニアムンディ)  4枚組   A    ・マッケラス/セント・ルークス管弦楽団(92)(テラーク)           A    △マッケラス/セント・ルークス管弦楽団(92)(テラーク)           A   △アバド/ヨーロッパ室内管弦楽団(88)(グラモフォン)            A    CDは例によってS評価でミンコフスキ盤とブリュッヘン盤がトップ争いという状況です。    ミンコフスキ盤は国内盤、輸入盤共に廃盤中です。    「驚愕」「軍隊」と違ってブリュッヘンの国内盤があるのでお薦め度は◎にしましたが、表現    の新鮮さ、チャーミングさで言えば、演奏そのものはミンコフスキ盤をとりたいです。    クイケン盤は、「驚愕」「軍隊」が入った、4枚組、12楽曲収録のCDです。    マッケラス盤は国内盤が廃盤中ですので輸入盤を挙げておきましたが、1枚なのにお高く、あ    まりお薦めできません。    アバド盤は、評価急落なのですが、古楽器に抵抗がある方にはお薦めです。        <更新のポイント> ミンコフスキ盤とマッケラス盤を加えました。
☆フランク
作品NO.90 交響曲 ★★★ 2017年1月最新更新
 
  フランクという作曲家は、どうも作曲が本職ではなく、パリ音楽院の教授が、晩年に音楽の知識を活か
 して作曲活動を行ったようです。
 そのフランクの代表作といったらこの「交響曲」と「ヴァイオリンソナタ」で、作曲数は全く少ないも
 のの、この2曲は後世に名を残すほどの評価を得ているのだからすごいです。
 普通は「交響曲第○番」となっている作曲家が多いのですが、フランクにはこの1作品しかありません
 ので、あえて「第1番」とは呼びません。
 曲は短調から長調へ、そして闘争を経て勝利へ、という構成ですが、自らのオルガンの知識を駆使した
 響きやチャーミングな旋律に溢れる作品です。交響曲ですが3楽章構成の短い作品です。

第3楽章
 ☆推薦盤☆    ○カラヤン/パリ管弦楽団(69)(ワーナー)            S    ◎モントゥー/シカゴ交響楽団(61)(RCA)           S    ▲マルティノン/フランス国立放送管弦楽団(68)(エラート)    A    この作品のCDは、カラヤン盤と、フランス音楽を演奏させたら天下一品のフランス音楽の指    揮者モントゥー盤とのトップ争いといった状況です。    カラヤン盤は、やはり演奏が「パリ管弦楽団」というフランスのオケであるのが大きいのでは    ないでしょうか。カラヤンとパリ管という珍しいコンビのCDです。    評価通りにいけば、完全に安定しているカラヤン盤がお薦めとなりますが、お値段を考慮して    今回の更新でモントゥー盤を◎にしました。    モントゥー盤は、古い録音であるのに、近年評価を上げています。というのも、ステレオ録音    なので音質が向上されてきたことと、フランス音楽の大家、モントゥーの耽美的な表現が、こ    の作品にマッチしていることが再評価されてきているようです。    お値段もお安いのでかなりお薦めです。    マルティノン盤もお安いのですが、100%同じ音源かの確認がとれていません。    <更新のポイント> お薦め度◎をカラヤン盤からモントゥー盤に変えました。また、デュ              トワ盤を外し、マルティノン盤を追加しました。    


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