指揮者に転向した音楽家達





 アシュケナージ  1937〜   S

 
アシュケナージは現役の音楽家の中でも屈指の知名度を誇る。特に日本では抜群である。  彼は本業はピアニストで、ピアニストとしての活動は現在も続けているが、副業の指揮者活動  の方が活発なよう。このまま指揮者が本業となってしまうのかもしれない。  彼はプレヴィンの後を受け、2007年8月までNHK交響楽団の音楽監督を務め、桂冠指揮  者の名を与えられるほど、N響との結びつきが強い。彼がN響の指揮をしている姿を目にした  ことのある方は多いと思う。しかし、指揮者としては全くといっていいほど名演を残してはお  らず、実力よりも名前の方がはるかに先行している感がある。  ピアニストとしては、世界でも有数の知名度を誇る。というのも、彼のレパートリーは凄まじ  く多く、バッハからショスタコーヴィチまでほとんどの作曲家の曲を網羅し、膨大な録音を残  していることや、ショパンにおいてはほぼすべての曲を録音しているからである。  しかし、ピアニスト活動においても、あまりの知名度の割には、一級レベルの名盤は少ない。  確かに彼の音色は美しく、テクニックもあるのだが、音楽解釈については特に個性や凄みがあ  る訳ではなく、ハメを外さない優等生で、無難と平凡が紙一重という感が拭えない。  ポリーニアルゲリッチなど現役の一線級のピアニストが弾かないマイナーな曲まで録音があ  るため、世界的な彼の演奏を聴けることはありがたいのだが、同じ土俵で戦った場合は、今一  歩歯が立たないことがほとんどである。  指揮者活動はどうも中途半端になっている彼だが、今後どのような道を進むのだろうか。  ☆推薦盤☆  <指揮者>   特になし          <ピアニスト>    ・〜別れの曲〜ショパン名曲集/(71〜84)(デッカ)             ?  ・ショパン 練習曲集/(71,72,81,82)(デッカ)           S  ・ショパン バラード/(76〜84)(デッカ)                 A ・プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番/プレヴィン(75)(デッカ)       S  ・ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番/ハイティンク(84)(デッカ)       A 
 バレンボイム  1942〜   A

 
バレンボイムは現在は指揮者として活動しており、よく来日するので名前を聞いたことのある  方も多いと思うが、彼は本来はピアニストであった。それも、異常なまでの天才ピアニストで  あった。何と7歳の時にすべてのベートーヴェンのプログラムを弾いたというのだから、常識 では考えられない。当時の彼は神童の名を欲しいままにしていた。  彼は二十代になると、指揮業も兼ねるようになってきたが、現在は高齢ということもあるのか、  指揮業に専念しているようだ。  しかし、指揮業はあまり芳しいとはいえない。パリ管弦楽団の音楽監督に就いた時には、その  不評の責任を追及されたし、これといった名演も出していない。  音楽の才能はありあまるものをもっていた天才だけに、早熟だったのか。  ワーグナーでは割とよい演奏をしているようだ。  疑いない天才音楽家だけに、もう一花咲かせて欲しいところ。  ☆推薦盤☆  <指揮者>   ・ワーグナー トリスタンとイゾルデ/ベルリンフィル(94)(テルデック)     B  ・ワーグナー パルジファル/ベルリンフィル(89、90)(テルデック)      B         <ピアニスト>    ・モーツァルト ピアノ協奏曲第20番/ベルリンフィル(88)(テルデック)    B  ・モーツァルト ピアノ協奏曲第23番/ベルリンフィル(89)(テルデック)    B  ・モーツァルト ピアノ協奏曲第24番/ベルリンフィル(88)(テルデック)    A  ・モーツァルト ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」/ベルリンフィル(89)( 〃 ) A  ・モーツァルト ピアノ協奏曲第27番/ベルリンフィル(88)(テルデック)    B  *すべてピアノ+指揮(弾き振り)  *モーツァルトのピアノ協奏曲第20番と第23番は同じCDです。  *モーツァルトのピアノ協奏曲第24番と第26番と第27番は同じCDです。


inserted by FC2 system