シューマン 1810〜1856 SCHUMANN B ドイツ |
シューマンはドイツのロマン派音楽を代表する作曲家です。青春時代はピアニストを目指して
いましたが、練習のしすぎで手を痛め、ピアニストの夢は断念せざるをえなかったと言われて
います。それが契機ともなり、作曲家への道を歩んだのですが、シューマンの作品にはピアノ
曲が多く、作曲当時は作品23までがピアノ曲だったと言われています。これも、ピアノに対
する気持ちの表れなのでしょう。
シューマンはドビュッシー、リストなどと違って交響曲も作曲していますが、やはり本業はピ
アノ曲の作曲家といったところでしょう。特に、ピアノを習うことからクラシックに親しんだ
方にとっては、馴染みのある作曲家であると思われます。曲は、「子供の情景」の中の「トロ
イメライ」が一番有名です。また、「アラベスク」も、オムニバスのCDに単品で入っている
ことが多い曲です。
「ピアノ協奏曲」も、このジャンルを代表する名作です。
妻は当時の名ピアニスト、クララ・シューマンでした。
晩年、ある若者がシューマンを訪れ、自作のソナタを弾いたところ、シューマンと妻のクララ
は感動したため、シューマンは若者の輝ける未来を予言し、評論で絶賛しました。この若者と
は、かのブラームスです。
クラシック音楽界で一つの謎となっている、ブラームスとクララの不倫疑惑については、未だ
研究中とのことです。シューマンはそれを危惧しながら病没しました。
アラベスク
☆代表作☆
<交響曲> 第1番 第3番「ライン」 第4番
<協奏曲> ピアノ協奏曲
<ピアノ曲> アラベスク 子供の情景(「トロイメライ」など) クライスレリアーナ
<声楽曲> 詩人の恋 リーダークライス 女の愛と生涯
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リスト 1811〜1886 LISZT B ハンガリー |
リストは作曲家であるとともに、音楽史上最大のピアニストです。「ピアノの魔術師」と呼ば
れるほどの技巧を持ち、リストを超えるピアニストはまだ現れていないとも言われています。
指が6本あった、というのも、本当に信じられていたそうです。
リストは「鬼神」と呼ばれたヴァイオリニスト、パガニーニの演奏を見て、あまりの超絶技巧
に言葉を失い、自分は「ピアノの魔術師」になろうと決意したと言われています。
また、リストは初見(楽譜を初めて見てその場で弾くことです)の達人でしたが、ショパンの
練習曲の作品10(詳しくは「名曲案内」にて)だけは弾けなかったというエピソードも残さ
れています。
作曲家としてのリストは「交響詩」というジャンルの創設者でもあります。「交響詩」は「交
響曲」とは関係なく、標題音楽を発展させたものです。リストが作曲した交響詩では「前奏曲」
だけが世間に知られていまして、他の作品が演奏されることはまれです。
曲は、「ピアノ作品集」などによく入っている、単品の「愛の夢」が一番有名です。
リストは、ピアニスト兼作曲家の代表として、特に女性にファンが多いようです。
更に、リストは指揮者としても活躍しました。
愛の夢(キーシン演奏)
☆代表作☆
<協奏曲> ピアノ協奏曲第1番
<管弦楽曲> 交響詩「前奏曲」
<ピアノ曲> ピアノ・ソナタ ラ・カンパネッラ 愛の夢
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ドビュッシー 1862〜1918 DEBUSSY B フランス |
ドビュッシーはフランス生まれの作曲家で、あまり世間一般的に馴染みのある曲はないに等し
いのですが、音楽史上においては特筆すべき重要な作曲家です。いささか学問的なご紹介にな
ってしまいますが、ご了承下さい。
ドビュッシーの独特な作曲技法は「印象主義音楽」と呼ばれ、モーツァルトらの古典派の音楽
や、ベートーヴェンらのロマン派の音楽から、20世紀の音楽へと橋渡しを行ったという功績
において、極めて重要な人物です。
初期〜中期の代表作品、例えば「牧神の午後への前奏曲」に見られる全音音階(1オクターブ
において、2度ずつずれた音階を使用することです。ド、レ、ミ、ファ#、ソ#、ラ# か、
ド#、レ#、ファ、ソ、ラ、シの6音階の2パターンしかありません)の技法などは、当時の
西洋音楽としては異色でした。
そして中〜後期の代表作、ピアノ曲では「映像」「子供の領分」「前奏曲」、管弦楽・室内楽
曲では、「交響詩『海』」「夜想曲」に見られる作曲技法は、印象主義音楽、あるいは印象派
と呼ばれています。印象主義音楽というものをごく簡単にご説明しますと、物語の描写のよう
な表現は避け、その時の気分や雰囲気にまかせた、簡潔で明快な様式のことです。
☆代表作☆
<交響詩> 交響詩「海」
<管弦楽曲> 夜想曲 牧神の午後への前奏曲
<ピアノ曲> 「映像」第1&第2集 子供の領分 前奏曲集 第1&第2巻
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