名曲案内〜管弦楽曲・室内楽曲編Z〜

(モーツァルト)



    
  クラシックの大曲といえば交響曲ですが、管弦楽曲、室内楽曲も美しい弦の響き、アンサンブル
  などが聴き手を魅了してやみません。交響曲よりも聴きやすいので、クラシックの入門用として
  も高い価値があります。また、一度は聴いたことのある曲も多いことでしょう。
  ちなみに、管弦楽曲とはフルオーケストラ用でない曲のこと、室内楽曲とは各楽器一人ずつによ
  るアンサンブル曲のことを指すようですが、区別は明確ではありません。
   *推薦盤にある(P)はピアノの略です。  

モーツァルト


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☆モーツァルト
作品NO.140 ヴァイオリン・ソナタ集 ★★ 2016年6月最新更新
   
 モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは少なくとも43作品あるのですが、モーツァルト作曲でないも
 のも多数ありまして、主にCDとしては第25番、28番、32番、34番、35番あたりのセットに
 なったものが多いと思われます。
 モーツァルトの作品で、ヴァイオリンとピアノのソロだけですから、重々しくはなく、もちろん、旋律
 も明るく、充分にモーツァルティックで魅力的ですので、気軽に聴けるところがいいです。
 しかし、第28番だけは、母の死の影響があってか、短調で、内面を吐露するものになってしまってい
 ます。しかもこの作品は2楽章しかありません。
 いずれの作品も、ヴァイオリンとピアノがまさに一体になっているようで、アンサンブルが美しいです。

「第25番」第1楽章(ヒラリー・ハーン演奏)   第28番(チョン・キョンファ演奏)
 ☆推薦盤☆    ◎グリュミオー/ハスキル(P)(56、58)(デッカ)    6作品  SS お薦め!    ・ムター/オーキス(P)(06)(グラモフォン)      16作品      A    ▲ムター/オーキス(P)(06)(グラモフォン)      16作品      A    ○デュメイ/ピリス(P)(90、91)(グラモフォン)    4作品      A    △ヒロ・クロサキ/ニコルソン(P)(91〜93、95)(エラート)16作品   A    元祖、モーツァルト弾きのグリュミオーと、当時最高のデュオと言われたハスキルとのコンビ    による演奏は、断然の評価を得ています。    2枚組ですが1枚かと思われるほどのお安さ。一部にモノーラル録音があるのが痛いですが、    それがなければお薦め度★にしたいほどです。    それにしても、このデュオ、とりわけ、グリュミオーのヴァイオリンに関しては、素晴らしす    ぎて形容しがたいです。典雅ながらも、どこかに愁いを湛えた演奏は、まさにモーツァルトの    心そのもので、私自身も、多くの評論家と共に絶賛の言葉を惜しみません。    2006年はモーツァルト生誕250年ということで多くの録音がなされましたが、ムター盤    もその一つです。CDは国内盤がなく、輸入盤を挙げておきました。4枚組で16作品が収録    されていますが、ちょっとお高いのがネックです。    グリュミオーの弟子、デュメイはおなじみピリスとのデュオです。    新しい録音で、しかも1枚でという方にはお薦めです。デュメイよりも、伴奏のピリスの評判    がいい演奏です。    最後にヒロ・クロサキ盤を挙げておきました。4枚組としてはお手頃で、古楽器による演奏で    す。    <更新のポイント> ヒロ・クロサキ&ニコルソン盤を追加しました。
作品NO.141 セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 ★ 2016年6月最新更新
  
  アイネ・クライネ・ナハトムジークという曲名は知らなくとも、特に第1楽章の冒頭のテーマを聴いた
 ことのない方はほとんどいないのではないでしょうか。あらゆるクラシック作品の中でも1位を争うく
 らい、誰にでも知られている超有名な曲です。
 その第1楽章冒頭のテーマからしてモーツァルトの旋律美がつまりにつまった名曲で、全4楽章とも、
 その純音楽的な美しい魅力にとりこにならずにはいられないでしょう。
 すべての楽章に魅力的な旋律があり、覚えやすく、演奏時間も短いですので、クラシック入門用として
 はうってつけの曲。いえ、ベストを争う1曲と言えるのでは。「アイネクライネ」の愛称で呼ばれます。
 その割には、作曲背景、意図などは全く知られていない謎の作品でもあります。
 ちなみに、アイネ・クライネ・ナハトムジークとは eine  kleine  nacht  musik というドイツ語で、
 アイネは英語の a 、クライネは little 、ナハトは night 、ムジークは music なので、a little 
  night music つまり、日本語では「小さな夜の音楽」という訳になります。ご存じでしたか?

第1楽章     第3楽章
 ☆推薦盤☆    ◎オルフェウス室内管弦楽団/(85)(グラモフォン)         S お薦め!    ▲コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団(88)(エラート)  A お薦め!    ○ワルター/コロンビア交響楽団(58)(SONY)          A    △マリナー/アカデミー室内管弦楽団(85)(フィリップス)      A    超有名な作品ながら、CD選びは難しいです。    パッヘルベルのカノンのように、即興性が強く、楽譜が簡単に書いてあるため、演奏者によっ    てテンポも解釈もまちまちで、結局は好みで選んで頂くしかないようです。ある書物によりま    すと、この曲を演奏することは超難しいらしいです。技術レベルは全く低いものなのですが    (私でも弾けます)、解釈、表現が難しいということなのでしょう。    唯一S評価なのがオルフェウス盤です。爽快で、快適で、歯切れのいいテンポは特に初心者の    方向けにはうってつけなのではないでしょうか。お値段もお安いです。    コープマン盤はオルフェウス盤に次ぐほど評価は高いのですが、古楽器演奏です。とはいえ、    演奏自体の評価は非常に高く、また、ディヴェルティメントK136〜K138までの3曲が    カップリングなのにお安いため、大変人気のあるCDです。古楽器ファンにはお薦めです。    モーツァルトの大家ワルターの新盤はステレオ録音ですので、音の古さは気にならないですし、    お安いです。ワルターのモーツァルトに対する愛着が表れているかのような演奏です。    最後のマリナー盤は、オルフェウス盤とベストを争ってきたCDですが、国内盤、輸入盤共に    廃盤中のためか、評価が急落してしまいました。なぜか元々輸入盤しかなく、旧フィリップス    の音源ですので、デッカから再発売されたのですが、すぐに廃盤となってしまいました。    よって、推薦盤に挙げたCDはフィリップスから発売されていたものです。お値段が妙に高く    なってしまっていますが、演奏自体はお薦めです。いずれデッカから再発売されると思われま    す。    <更新のポイント> イ・ムジチ盤とワルターの旧盤を外しました。   
作品NO.142 ディヴェルティメント K136、K137、K138 ★ 2017年1月最新更新

 ディヴェルティメントという曲名のあとにある「K」は、モーツァルトの作品番号です。ケッヘルと読
 めばマニアっぽいですが、ケーだけでも構いません。ベートーヴェンはOPで、バッハはBWVである
 のも同様です。曲を作品番号で呼ぶのは、このモーツァルトの3つのディヴェルティメントくらいです。
 CDではほぼ全部といっていいほどK136、K137、K138がセットで入っていますので、ここ
 でも3つまとめてご紹介することとしました。それぞれ3つの楽章からなるので、計9曲です。
 「アイネクライネ」と並び、モーツァルトの弦楽合奏曲としては最も美しく、親しみやすい旋律美をも
 っています。特にK136の第1楽章の弦の流麗さといったら美しさの極みで、冒頭のテーマをご存知
 の方も多いのではないでしょうか。第2楽章の陶酔的な旋律美も特筆ものです。
 また、演奏時間の短さもあって、初心者、入門者の方にはうってつけの作品でもあります。
 「3つのディヴェルティメント」と呼ばれることもありまして、また、稀に「ザルツブルク・シンフォ
 ニー」と呼ばれることもあります。その時は、「ザルツブルク・シンフォニー 第1番、第2番、第3
 番」と呼びます。でも作品番号で呼ぶのが一番一般的です。

K136第1楽章(小澤指揮)    K136第2楽章(小澤&サイトウ・キネン演奏)
 ☆推薦盤☆    ○コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団(89)(エラート) SS お薦め!   ▲ハーゲン弦楽四重奏団/(90)(グラモフォン)           A    ◎イ・ムジチ合奏団/(83)(デッカ)                A お薦め!    この3つの作品のCDは、非常に寂しい状況です。かろうじて、断然トップ評価のコープマン    盤が国内盤でもあり、かつカップリングも充実していながらお安いというのは救いなのですが、    これは古楽器演奏です。その他のCDは廃盤だらけで、私も探し回りましたが、結局満足でき    るご紹介とはいきませんでした。店頭にもあきれるほどしかありません。    「アイネクライネ」同様に、この3つの作品の演奏も即興性が強いので、好みが分かれるとこ    ろです。現在は古楽器演奏のコープマン盤が断然トップのSS評価を得ています。古楽器がお    好きな方には文句なくこのCDがお薦めです。しかも、上でご紹介したA評価の「アイネクラ    イネ」とのカップリングなのに1枚で両方聴ける上に、約1000円というお安さです。    演奏はメリハリが効いていて躍動感に溢れていますので、古楽器がお好きでない方にもぜひお    薦めしたいです。    現代楽器の演奏で最も評価が高いのはハーゲンSQ盤なのですが、それに次ぐイ・ムジチ盤の、    伸びやかで流麗な美音は私は個人的にはイチオシです。お値段もこちらの方がお安いですので    お薦め度◎としました。    <更新のポイント> ボスコフスキー盤を外しました。   
作品NO.143 ディヴェルティメント第17番 ★★ 2016年6月最新更新
   
 前述のK136、K137、K138と違いまして、この作品は「ディヴェルティメント第17番」と
 呼ばれる一つの作品で、6つの楽章から成ります。前述の3つのディヴェルティメントのように有名な
 作品ではないのですが、モーツァルティックな旋律に溢れた魅力的な作品です。モーツァルトファンの
 方ならば絶対に聴いておきたいところです。
 第3楽章は「モーツァルトのメヌエット」と呼ばれていまして、中でも一番有名な曲で、ヴァイオリン
 独奏で弾かれることもあります。冒頭の旋律が何とも言えずチャーミングです。

第3楽章「メヌエット」
 ☆推薦盤☆    ・ウィーン八重奏団員/(61)(デッカ)                  S    ・ラルキブデッリ/(90)(SONY)                   S       ○カラヤン/ベルリン・フィル(87)(グラモフォン)            A    ・ボスコフスキー/(73、74)(デッカ)                 A   ◎ウィーン室内合奏団/(91)(デンオン)                 A    前回の更新は2012年2月で、その時は「実は、ここにご紹介してある4枚とも廃盤中とい    う、異常な事態。もう少し時間を下さい。一体何ということ!あまりに馬鹿げていて話になら    ない。日本のクラシックCD販売会社はまともに働いているのか…。」    と表記しました。少しはマシになりましたが、まだまだ厳しい状況です。    ウィーン八重奏団員のCDが古くから評価が高いのですが、依然廃盤中です。ひどいです。    今回S評価に上げたラルキブデッリ盤も廃盤中です。古楽器演奏の最前線にいる一人、チェリ    ストのビルスマが率いる弦楽合奏団による古楽器演奏でして、古楽器ファンの方にはお薦めな    のですが…。    おまけにボスコフスキー盤も廃盤中です。    となりますと、カラヤン盤とウィーン室内合奏団盤のどちらかがお薦めとなります。    お値段と、Blu-specCDということを考えてウィーン室内合奏団盤を◎としました。    寂しいお薦め盤となっております。    <更新のポイント> ラルキブデッリ盤の評価をAからSに上げ、ウィーン室内合奏団盤を              追加しました。
作品NO.144 弦楽四重奏曲第14番〜第19番<ハイドン・セット> ★★ 2016年6月最新更新
  
 これぞ室内楽曲、すなわち弦楽四重奏=カルテットの代表ともいえる、6つをまとめたモーツァルトの
 「ハイドン・セット」は、弦楽四重奏曲第14番から第19番までの6つの楽曲の総称です。
 名前の由来は、モーツァルトがハイドンの「ロシア弦楽四重奏曲」に触発されて作曲したことにありま
 して、6つの関連性については何もないとは言えず、依然研究中のようです。
 6つの楽曲はそれぞれ4つの楽章から成りますので、合わせて24曲です。
 代表的なものをご紹介します。
 まず、第14番は、「ハイドン・セット」の記念すべき始まりの作品で、抒情溢れるモーツァルティッ
 クな旋律が魅力的です。第15番は唯一の短調の作品で、やはり全体的に暗いムードです。モーツァル
 トは、よくこうして明と暗の対照を意識的に楽しみましたので、そういった作曲意図なのではないかと
 言われています。
 次は、最もポピュラーな第17番「狩」。これは第1楽章の第1主題が狩場の信号のラッパを連想させ
 ることから、後に付けられた愛称です。とにかく、快活で親しみやすい旋律は、カルテットの醍醐味そ
 のものと言える作品で、弦楽器ファンの心を惹きつけて止まず、効果満点です。
 最後の第19番には「不協和音」という副題がついています。第1楽章冒頭部や主題が、いかにも混沌
 としていることから名付けられましたが、天才モーツァルトがそんな不始末をするわけがなく、印刷ミ
 スという説も流れたほどです。真相は未だ謎のままですが、モーツァルトの伝家の宝刀の「おあそび」
 なのでしょうか?
 というわけで、純粋に、ヒーリング音楽としてもいいですし、また小規模の作品の割には、アンサンブ
 ルとしての構成が高度で緻密なものらしいですので、「聴き比べ」も面白いと言われています。

第14番 第1楽章(アルバン・ベルク演奏)   第17番 第1楽章   第19番 第1楽章
 ☆推薦盤☆   ★◎アルバン・ベルク四重奏団/(87)(ワーナー) 第14番&第15番  SS お薦め!   ★◎アルバン・ベルク四重奏団/(90)(ワーナー) 第16番&第17番  SS お薦め!   ★◎アルバン・ベルク四重奏団/(89)(ワーナー) 第18番&第19番  SS お薦め!    ○クイケンSQ/(92)(デンオン)      第14番&第17番    A    ・クイケンSQ/(91)(デンオン)      第15番&第18番    A    ○クイケンSQ/(90)(デンオン)      第16番&第19番    A    ・ハーゲンSQ/(95〜00)(グラモフォン)        7枚組   A    世界屈指の弦楽四重奏団、アルバン・ベルクの新盤がダントツのSS評価です。ベートーヴェ    ンのカルテットドヴォルザークのカルテット「アメリカ」、モーツァルトの弦楽五重奏曲に    おいてもかなり高い評価を得ていまして、こういった作品では必ずのように名盤を輩出してい    る演奏団体ですので、室内楽曲がお好きな方は是非「アルバン・ベルク四重奏団」、あるいは    「アルバン・ベルクSQ(ストリング・カルテット=四重奏団の意味です)」の名は覚えてお    きたいところです。    クイケンSQによる3枚は、古楽器での演奏です。古楽器ファンの方には是非聴いて頂きたい    ですし、そうでない方も、古楽器によるカルテットの新鮮な魅力に気づくかもしれないという    評論家の弁があります。デンオン発売ですので値段はこちらの方がお安いです。    ただ、第15番&第18番のCDだけが在庫が無いようです。輸入盤もありません。    最後は、元々輸入盤しかないハーゲンSQ盤ですが、7枚組で大量の作品が聴けます。    音源は間違いないと思われますが、100%の保証はありません。    <更新のポイント> ハーゲンSQ盤を入れ替えました。
作品NO.145 弦楽五重奏曲第4番 ★★ 2016年6月最新更新
  
 弦楽五重奏曲はQUINTET(クィンテット)とも言います。弦楽四重奏曲、すなわちQUARTE
 T(カルテット)に比べますと、圧倒的に曲数が少ないですし、演奏団体も少ないです。共に室内楽の
 弦楽重奏の代表的な演奏スタイルで、カルテットはヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1の編成が一
 般的ですが、クィンテットは、カルテットの編成に、ヴィオラかチェロがもう一人加わります。稀に、
 コントラバスが加わることもあります。
 モーツァルトの弦楽五重奏曲は6作品ありまして、すべてヴィオラが2つという編成です。
 そして、6作品の中で、最も人気が高いのが、この第4番です。
 この作品の魅力は、調性に尽きるとも言われています。モーツァルトが短調では頻繁に用いるト短調に
 よって第1楽章の冒頭が書かれていまして、小林秀雄は「モーツァルトのかなしさは疾走する」と表現
 しました。
 第4楽章もト短調の悲痛な序奏から始まるのですが、そこから一変してト長調の明るい曲調となり、幕
 を閉じます。この調性の妙が、効果抜群の作品です。 

全楽章
 ☆推薦盤☆    ・アルバン・ベルクSQ、ヴォルフ/(86)(ワーナー)      S    ▲ラルキブデッリ/(94)(SONY)              S    ◎ブダペストSQ、トランプラー/(66)(SONY)       S    ○クイケンSQ、寺神戸亮/(95)(デンオン)          A    一番のお薦めはアルバン・ベルク四重奏団盤なのですが、廃盤中で、輸入盤はありません。ヴ    ォルフと付け加えてあるのは、アルバン・ベルクSQは四重奏団ですので、協力して演奏した    ヴィオラ奏者の名前です。下の2枚も同様です。    ビルスマ率いる古楽器グループ、ラルキブデッリのCDは、収録曲はアルバン・ベルクSQ盤    と同じ第3番と第4番なのですが、なぜか値段がお高いです。この点を考慮してお薦め度を下    げました。    ブダペストSQ盤は「弦楽五重奏曲集」で、全6作品が収録されている3枚組です。それだけ    に、全作品を聴きたい方にはお値段もそこそこでお薦めなのですが、第4番だけを聴きたい方    には高すぎるCDです。    66年と録音は古いですが、それだけ長い間評価され続けているという信頼度ではNO.1と    も言えます。これを1番のお薦めにせざるをえませんでした。      一番下のクイケンSQと日本人ヴィオリスト寺神戸亮によるCDも古楽器演奏です。ラルキブ    デッリ盤は高すぎますので、同じ古楽器演奏であるならば、一番お安いこのCDをお薦め度○    としました。    本当はアルバン・ベルク盤をお薦め度◎にしたいところです。    <更新のポイント> ラルキブデッリ盤の評価をSに上げました。
作品NO.146 クラリネット五重奏曲 ★★ 2016年6月最新更新
   
 クラリネット五重奏曲とは、クラリネット5本による合奏ではなく、弦楽四重奏にクラリネットのソロ
 が加わったものです。モーツァルトにはクラリネット協奏曲という作品もありますが、クラリネットと
 いう楽器は弦楽合奏と非常に相性がよく、優雅な雰囲気を醸し出します。
 しかしこの作品は、前出のディヴェルティメントのように、すべて明るさが充満した曲ではなく、第3
 楽章、第4楽章では短調が突然現れ、モーツァルトの本心を垣間見せます。モーツァルトといいますと
 明るい曲だけと考えるのは筋違いでして、時にはこの曲のように、「暗さ」が顔を出すこともあります。
 たまには暗い、短調のモーツァルトに触れてみるのもいかがでしょうか。
 ところが、この作品では、短調が現れたかと思うと、いつのまにか長調に戻ってしまいます。
 モーツァルトのネアカな面が出ているのです。

全楽章
 ☆推薦盤☆    ◎ウラッハ ウィーン・コンチェルトハウスSQ/(51)(ウェストミンスター) SS    ○プリンツ ウィーン室内合奏団/(79)(デンオン)              A       ▲ナイディック ラルキブデッリ/(92)(SONY)              A     演奏だけをとればウラッハ盤の評判が断然の評価を得ていまして、定盤ともいえるCDです。    51年の録音が気になるところですが、音質はよく、ほとんど気にする必要はないように感じ    られます。いずれ新録音の名盤が登場することに期待しながらのお薦め度◎です。    音質に抵抗がある方にお薦めなのは、プリンツ盤です。約1000円というお値段も魅力的で    すが、この作品を愛する方には、ぜひともウラッハ盤も揃えてほしいところです。    ナイディック盤は、ビルスマ率いるラルキブデッリによる古楽器演奏です。古楽器がお好きな    方には唯一のお薦めです。評価は高いですが、お値段も高いのは痛いです。SONYのCDは    時に高すぎることがあります。        <更新のポイント> プリンツ盤を入れ替えました。
作品NO.139 音楽の冗談 ★★★ 2016年6月最新更新
  
 この作品はクラシック作品の中ではかなりマイナーな作品ですが、モーツァルトファンならば知ってい
 る方も多いと思われますし、異色中の異色の作品ですので、思い切って採り上げてみました。
 簡単にご紹介しますと、4楽章構成の管弦楽曲で、曲名の通り、音楽によって聴き手を笑わせようとい
 う、天才モーツァルトの面目躍如たる作品です。
 タイトルはもちろん、モーツァルト自身がつけました。
 どこが面白いのかといいますと、「当時の」下手な作曲家のやりそうなことや、下手な演奏家のやりそ
 うなことを敢えて実現することで、皮肉っている点です。「当時の」という点が大事でして、当時の定
 番であった音楽の形式に基づいての作曲ができない下手さ加減を皮肉ったり、当時の流行だった演奏が
 できないことを皮肉っているのでありまして、21世紀の今ではあまり笑えないという説もあります。
 よって、当時の音楽を学究的に知っている方であればかなり笑えるでしょう。音楽の形式などについて
 の専門的な説明は他のサイトをあたって下さい。その意味ではかなり上級者向けの作品です。
 ですが、ここではあくまでクラシック鑑賞者の方にも分かりやすくご説明します。この作品は、断じて
 真面目にクラシック音楽鑑賞をしてはいけません。「何か今の変だな?」と思うところがあればOKで
 す。音楽として違和感を感じるところです。モーツァルトはわざとそういう楽譜を書いたのです。
 主な笑いどころは、突然出だしの場所を間違えて音をだす楽器、あきらかな不協和音、弦が演奏中に切
 れてしまう独奏ヴァイオリン、そして最後の第4楽章の終わり方などです。 
 なお、天才作曲家モーツァルトは、このような「おあそび」の作曲が大好きな人でもありました。音楽
 の化身としての余裕なのでしょうか。

第1楽章   第4楽章
 ☆推薦盤☆    ・アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(86)(テルデック)    A    ◎オルフェウス室内管弦楽団/(89)(グラモフォン)                A    ○ウィーン室内管弦楽団/(92)(デンオン)                    A    アーノンクール盤は、指揮者が指揮者だけに、最も過激な冗談です。解る方には、この演奏が    一番笑えるのではないでしょうか。    過激であるゆえに、音楽についてあまり詳しくない方、初心者の方には不向きかもしれません。    古楽器演奏です。しかし、残念ながら国内盤、輸入盤共に廃盤中です。    オルフェウス盤が最も万人向けですので1番のお薦めとしました。    演奏はスマートで、かつ笑いの要素も兼ね備えたものとなっています。また、安めのお値段な    がら、モーツァルトのマイナーな管弦楽曲だけで21曲も収録されています。    ウィーン室内管弦楽団盤は、やや落ち着いた表現ではあるものの、笑いの中にもモーツァルテ    ィックな上品さがある演奏となっています。    <更新のポイント> ボスコフスキー盤を外しました。



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