ピアニストにしろ、弦楽器奏者にしろ、「神様」と呼ばれるのは、カザルスだけでしょう。 カザルスは「チェロの神様」と呼ばれます。19世紀生まれのチェリストですが、技術うんぬ ん以前に、チェロを楽器として今日のように大衆性をもたせたのは他ならぬカザルスの功績で す。今日一般的となっているチェロの弓の奏法を始めたのもカザルスです。チェロを弾く者な らば、その名を知らなければ失礼にあたるほどの「レジェンド」なのです。 バッハの「無伴奏チェロ組曲」を芸術作品として世に広めたのもカザルスです。1930年代 後半の、いかにも貧しい音質の録音ですが、この歴史的名盤に限っては、後世の名チェリスト がいかに優秀な録音をもってしてもかなわない、不滅の金字塔となっています。 スペイン生まれの13歳の少年カザルスが、ある古い楽譜屋に立ち寄った時、ふとボロボロに なった楽譜を見つけました。バッハ作曲の作品で「チェロ独奏のための六つの組曲」と書いて ありました。 全く偶然に見つけたその楽譜によって、カザルスは「無伴奏チェロ組曲」に、チェリストなら ば誰もが一度は録音を切望するほどの価値を与えたのでした。 また、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番「大公」も、ヴァイオリンにティボー、ピアノ にコルトーという、豪華絢爛なトリオによる永遠の名盤となっています。 ステレオ録音時代まで生きましたが、晩年は、高齢のためチェリストとしては一線を退き、指 揮者となりましたので(CDもあります)、チェリストとしての録音は古い録音ばかりです。 バッハ「無伴奏チェロ組曲」第1番(貴重映像) ☆推薦盤☆ ・エルガー チェロ協奏曲/ボールト(45)(Naxos) 伝 ・ドヴォルザーク チェロ協奏曲/セル(37)(EMI) B ・バッハ 無伴奏チェロ組曲全曲/(36、38、39)(ワーナー) 伝 ・ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第7番「大公」/ ティボー(Vn)コルトー(P)(28)(ワーナー) 伝 <雄大><音量豊富><指揮>