☆ヴェルディ |
| レクイエム ★★ |
モーツァルト、フォーレのレクイエムと並んで、三大レクイエムと呼ばれる。モーツァルトは未完、フ
ォーレは規模が小さいのに対して、ヴェルディのレクイエムは全7曲ながら最も規模が大きい大曲であ
る。よって、レクイエムの最高傑作に挙げる人は多い。
他の2つのレクイエムと比べると、ヴェルディの場合はオペラ中心の作曲家ということもあって、全体
的にオペラチックで、劇的である。「フォーレの静、ヴェルディの動」とも評される。また、オペラ作
曲によって合唱というものを知り尽くしているヴェルディだけあって、独唱や合唱の使い方が巧みで、
メロディも美しいと言われている。
☆推薦盤☆
・アバド/ミラノ・スカラ座管弦楽団(79、80)(グラモフォン) A
・カラヤン/ベルリンフィル(72)(グラモフォン) A
・トスカニーニ/NBC交響楽団(51) A
大曲なので、CDはいずれも2枚組である。
現在、アバド盤が一歩抜け出している状況だ。国内盤はないので輸入盤になるが、演奏だけを
考えればこれだろう。第2がカラヤン盤か。演奏の評価自体はアバド盤に一歩を譲るが、国内
盤があるのが大きい。輸入盤嫌いの人はこちらがお薦めである。
トスカニーニ盤は、演奏自体はカラヤン盤に匹敵するが、国内盤はない。私の調べでは輸入盤
はあるのだが、録音年代がはっきりと分からないため、51年録音と確認できたならば、トス
カニーニファンとしてはこれを買いたいところだ。録音が古いので、ファン以外にはお薦めで
きない。買われる方は、51年録音という確認を怠りないように願いたい。
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☆オルフ |
| カルミナブラーナ ★ |
オルフは現代の作曲家である。彼が亡くなったのは1982年である。他にめぼしい作品はないので、
この「カルミナブラーナ」が代表作となっているが、胸がわくわくする名作である。
曲は三部、計22曲からなり、それぞれの前後に序とエピローグがつく。
現代音楽であるが、台本は13世紀の古い歌集に基づいている。よって原始主義的、民族主義的な曲
である。
☆推薦盤☆
・ヨッフム/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団(67)(グラモフォン) S
・小澤征爾/ベルリンフィル(88)(フィリップス) B
ヨッフム盤が他のCDを完全に圧倒しており、当面これを超えるCDは出ないようだ。よっ
て、もちろんこれ一枚で充分である。しかもこのCD、作曲者のオルフ自身が監修したとい
うのだから決定的な名盤である。
オマケで小澤盤を入れておいた。ヨッフム盤とは大きく差をつけられているが、常に評価の
上位には顔を出している。日本人指揮者の演奏でそこまで健闘するのはあまりあることでは
ないので、ファンの方はどうぞ。
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☆シューベルト |
| 歌曲集「美しき水車小屋の娘」 ★ |
この「美しき水車小屋の娘」と、「冬の旅」「白鳥の歌」を、シューベルトの三大歌曲集という。「名
作曲家紹介」の項にも書いてあるが、シューベルトは歌曲の小品の第一人者である。
この3つの歌曲集の中で最も親しみやすいのが、「美しき水車小屋の娘」である。よって、声楽曲の小
品を聴いたことのない人は、この作品から聴きはじめるとよいと思う。全20曲。
この曲はある物語である。若者が水車小屋の娘に恋をし、幸せに酔うが、やがて恋敵が出現し、娘の心
は奪われてしまう。絶望した若者は小川に身を投げ、小川は彼に子守歌をうたう、という物語である。
☆推薦盤☆
・ヴンダーリヒ/ギーゼン(P)(66)(グラモフォン) A
・シュライアー/オルベルツ(P)(71)(ドイツ・ベルリン・クラシックス) A
ヴンダーリヒ盤とシュライアー盤が同等の評価を得ている。どちらを選ぶかということだが、
参考意見を述べよう。ヴンダーリヒ盤はカップリングにシューベルトの歌曲3曲が入っており、
しかも有名な「ます」と「野薔薇」なのである。この2曲をご存知の方は多いと思うので、こ
れは大きい。シュライアー盤はカップリング曲はない。しかも輸入盤で元々外国レーベルのC
Dなので、CDショップの店頭では非常に入手が難しいと思われる。しかも歌曲集を初めて聴
く人には、やはり歌詞対訳のある国内盤がほしいところだ。
そう考えると明らかにヴンダーリヒ盤に部がありそうだ。
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| 歌曲集「冬の旅」 ★★ |
「冬の旅」はシューベルトの三大歌曲集の中で最高傑作とされている。三大歌曲集をすべて聴きたい人
は、まずは親しみやすい「美しき水車小屋の娘」から入り、次にはこの「冬の旅」、そして最後に「白
鳥の歌」という順序で聴くのがよいと思う。
「冬の旅」は、「美しき水車小屋の娘」の物語と連結しているが、ムードは一変、全曲を通して暗いム
ードが漂っている。失恋した若者は冬の旅に出発する。若者の心はすさんでいて、わずかな希望の光も
ない。もはや失恋を超えて、人生への絶望を感じているのだ。よって、曲の旋律よりは詩の内容が重視
された歌集となっているので、とっつきにくい面はある。全24曲。
☆推薦盤☆
・フィッシャー・ディースカウ/バレンボイム(P)(79)(グラモフォン) S
CDはこれ一枚で充分。フィッシャー・ディースカウは何と7回もこの歌集を録音しているの
で、お買い求めの際はどうかお間違えのないように願いたい。ピアノもムーアではなくバレン
ボイムであるし、レーベルもEMIではなくてグラモフォンである。カップリングはない。
ちなみに、フィッシャー・ディースカウは20世紀屈指の男声バリトン歌手なので、ぜひ覚え
ておきたい。
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| 歌曲集「白鳥の歌」 ★★ |
この「白鳥の歌」は、シューベルトの三大歌曲集の中でも知名度、CDの数ともに数段冷遇を受けてい
る。全14曲。
「白鳥の歌」はシューベルトの最後の歌曲集である。彼は亡くなる年に14曲の歌曲を作曲したまま、
編集せずにこの世を去った。それを死後、「白鳥の歌」と名づけてまとめられたのがこの歌集である。
☆推薦盤☆
・フィッシャー・ディースカウ/ムーア(P)(72)(グラモフォン) S
CDはこれだけあれば他は必要ないだろう。「白鳥の歌」だけでなく、有名な「ます」と「野
薔薇」もカップリングされているのは嬉しい限りだ。
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☆チャイコフスキー |
| バレエ「白鳥の湖」 ★ |
「白鳥の湖」は「くるみ割り人形」、「眠りの森の美女」と共にチャイコフスキーのバレエ曲の代表作
であるだけでなく、これら3つは「3大バレエ」と呼ばれる。その中でも最も有名なのがこの「白鳥の
湖」だろう。
曲は序奏と第1幕〜第4幕からなる。とりわけ、第1幕の「ワルツ」、第2幕の「情景」はことに有名
で、この2曲を含めた組曲として演奏されることがある。
「白鳥の湖」は旋律が美しく、非常に有名なので、バレエ曲の入門には最適である。
☆推薦盤☆
・プレヴィン/ロンドン交響楽団(76)(EMI) 全曲 A
・デュトワ/モントリオール交響楽団(91)(デッカ) 全曲 A
プレヴィンは3大バレエ曲を得意としており、彼のCDを買えば間違いない。
「白鳥の湖」ではデュトワ盤も評判は高いものの、プレヴィン盤の方が一歩リードしているの
で、こちらを第一にお薦めする。
デュトワ盤は現在国内盤が廃盤中で、5月に再発売の予定である。録音はこちらの方が新しい
ので、こだわりがある人は5月まで待ってもよいと思う。輸入盤はあるのだが、再発売盤より
高いので、今は無理をして買う必要はないと思われる。
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| バレエ「くるみ割り人形」 ★ |
序曲と第1幕、第2幕からなる。「白鳥の湖」の美しさに対して、こちらは大変愉快なバレエ曲である。
アニメ映画に使われた曲もあるので、馴染みのある人も少なくないだろう。特に第2幕の第13番「花
のワルツ」はチャイコフスキーお得意のワルツの中でもとりわけ有名な、優雅な曲であり、ご存知の方
は多いと思う(「名作曲家紹介」のページのBGMに使っています)。
この「くるみ割り人形」も、バレエ曲入門にはぴったりだろう。
☆推薦盤☆
・プレヴィン/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(86)(EMI) 全曲 S
「くるみ割り人形」のCDはプレヴィン盤の独壇場である。これだけあれば他は不要。
ちなみに2枚組である。
|
| バレエ「眠りの森の美女」 ★★ |
序曲と第1幕〜第3幕からなる。三大バレエ曲の中では最も長く、約2時間を要するので、やはり「白
鳥の湖」か「くるみ割り人形」でバレエ曲に親しんでから聴くべきだろう。
「眠りの森の美女」のタイトルの通り、ディズニーのアニメに使われている曲がある。アニメを見た人
は詳しいだろうが、これといった有名な曲はないので、3大バレエ曲の中では一番親しみがないと思わ
れる。もし余裕があったらディズニーのアニメも見てみよう。大人が真剣に見ていたら何だと思われる
かもしれないけれども。
☆推薦盤☆
・プレヴィン/ロンドン交響楽団(74)(EMI) 全曲 A
・ドラティ/アムステルダム・コンセルト・ヘボウ(79、80、81)(フィリップス)全曲 A
・ゲルギエフ/キーロフ劇場管弦楽団(92)(蘭フィリップス) 全曲 A
・ボニング/ナショナル管弦楽団(77)(デッカ) 全曲 B
・プレトニョフ/ロシア・ナショナル管弦楽団(97)(グラモフォン) 全曲 B
・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(59)(デッカ) 全曲 B
何と6種類もCDが並んでしまった。プレヴィンの国内盤が廃盤になったのがその原因だ。
「眠りの森の美女」に関しては、文句なくプレヴィン盤とはいかない。現在、上の3つの評価
が横一線で並んでいる。残念なのはいずれも輸入盤なので、曲名が分からない。しかし他のC
Dとの差がかなりあるので致し方ないところか。どうしても国内盤をという人は演奏の評価は
落ちるが3つ紹介しよう。
まずはボニング盤。3枚組だが特別高いわけではない。一時期評価が高かったこともあるCD
である。しかし5月に再発売の予定なのでそれまで待たねばならない。次にプレトニョフ盤。
97年の最新録音が魅力だが、これも5月に再発売の予定。2枚組。最後にアンセルメ盤。こ
れだけは、現在国内盤がある。しかし59年の古い録音なのはどうか。どうにも国内盤が今す
ぐにほしい人向けである。2枚組。
さて、上の3つの中からどう選んでいくか。好みの問題だが、例によって参考意見を述べてい
こう。いずれも2枚組である。
まず、ゲルギエフ盤は、録音が一番新しいのが魅力だ。しかし、レーベルが外国レーベルなの
で店頭での入手が困難なことと、何といっても他の2つと同じ2枚組なのに6000円以上の
値段は高すぎる。ドラティ盤は約2000円、プレヴィン盤は約1500円。よって、まずこ
れを三番目に落とした。
プレヴィン盤とドラティ盤の違いは、プレヴィン盤の方が安いこと、プレヴィンにとっては3
大バレエは得意なレパートリーなので信用に足るということを考慮すれば、プレヴィン盤に部
があるというものではないだろうか。その2点にこだわらないならば、後はCDジャケットの
デザインであるとか、個々の好みの問題だろう。
結局、「眠りの森の美女」のCDにはこれというものがなく、つらいところだ。
|
☆バッハ |
| マタイ受難曲 ★★★ |
マタイ受難曲は声楽曲の最高傑作の呼び声が高いだけでなく、あらゆるジャンルの音楽作品の中でも最
高傑作の一つとも言われている。演奏に約3時間はかかる合唱曲の大曲である。
マタイ受難曲は、聖書のマタイ伝を元にした宗教劇である。聖書朗読者とキリストの語るような歌を中
心とする物語は、群集の合唱や信者の独唱を加えて進行し、有名なユダやペテロの裏切り、キリストの
捕縛、ピラト総督による裁判、十字架での処刑、そして復活と続く。こう書いてみると、いかに宗教色
が強いかがお分かりいただけるだろう。キリスト教に関心のある方には特に、無常の感動を与えてくれ
るに違いない。
大きく二部から構成されていて、第1部はキリストの捕縛までを描く29曲、第2部はピラト総督によ
る裁判から、処刑される場面などを描く39曲の、計68曲からなる。大変な大曲である。
このような大曲であること、宗教色が強いことなどを考慮して、上級者向けとした。ここで紹介してい
る声楽曲の中で上級者向けにしたのはこの作品だけなので、やはり最後に聴くのがよいかと思う。
☆推薦盤☆
・リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団(58)(アルヒーフ) SS
リヒターは指揮者兼チェンバロ奏者であり、バッハの大家である。ピアニストのグールドと同
じく、彼のバッハ演奏のCDを買えばまず間違いはない。
このCDは、そのリヒターによる極めつけの名盤、人類の至宝である。ステレオ録音なので音
も悪くはない。このCDで存分にマタイ受難曲を味わっていただきたい。3枚組。
ちなみに、最近グラモフォンからリヒター指揮の「マタイ」のCDが出ているが、レーベルは
アルヒーフなのでお間違えなく。また、国内盤は約6000円で輸入盤は約3000円なので、
価格を気にする方は輸入盤に手が伸びてしまうところだが、輸入盤だと曲名が全く分からなく、
何を歌っているのかさっぱりだと思われるので、やはり国内盤を買うべきだと思う。
|
☆フォーレ |
| レクイエム ★★ |
ヴェルディ、モーツァルトのレクイエムと並んで、三大レクイエムの一つと呼ばれる、フォーレの代表
作品である。先に、ヴェルディのレクイエムはオペラチックで、劇的、「フォーレの静、ヴェルディの
動」と評されていると紹介したが、こちらはおとなしく、慎ましく、瞑想的なレクイエムである。ヴェ
ルディのレクイエムとは全く対照的だ。同じく7曲構成であるが、こちらは規模が小さく、演奏時間は
約40分である。その意味では、ヴェルディよりはこちらを先に聴いた方がいいのではないだろうか。
☆推薦盤☆
・クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団(62)(EMI) S
・コルボ/ベルン交響楽団(72)(エラート) A
クリュイタンス盤の評判が他のCDを圧倒しており、これが一番お薦めである。
しかし、第2に推薦するコルボ盤は独唱に女性の代わりに少年を使っており、美しさではこち
らの方が上だという声もある。よって、一枚だけ買うのならばクリュイタンス盤だけでいいが、
この曲を愛する人は二枚揃えるのはいかがだろうか。コルボ盤は1000円なので安い。
そして耳寄りな情報!今年で三年目を迎える、東京国際フォーラムでの「ラ・フォル・ジュル
ネ『熱狂の日』音楽祭2007」に、コルボが登場し、フォーレのレクイエムを演奏する。も
ちろんCDとはオケも合唱団も異なるが、この曲を愛する人は必聴!全指定席でS席3000
円、A席2000円、5/2から5/6まで毎日演奏する。
|
☆ベートーヴェン |
| ミサ・ソレムニス ★★ |
「ミサ・ソレムニス」のことを、日本語では「荘厳ミサ」とも呼ぶ。ベートーヴェンが書いた最後の大
宗教曲であり、大曲であるがゆえに難解な作品である。ベートーヴェンという名前につられて初心者が
聴こうものならば、わけがわからなくなるだろう。「名作曲家紹介」のページに書いたように、ベート
ーヴェンという作曲家は他のジャンルの作品でも交響曲的になってしまう。この声楽曲でさえその例に
漏れない。合唱が複雑に絡み合うので、各パートの動きに注意して聴く必要がある。その分作品として
は大傑作であり、あの「第九」の第4楽章よりも優れているという声も多い。
5曲から成り立っており、曲数は少ないのだが、1曲1曲が長く、いきなり初めから通して聴くのは難
しい。よって、まずは、第2曲「グローリア」、第3曲「クレド」、第5曲「アニュス・デイ」の3曲
だけを聴き込むという方法がよいと思う。
☆推薦盤☆
・バーンスタイン/アムステルダム・コンセルト・ヘボウ(78)(グラモフォン) A
・クレンペラー/ニューフィルハーモニア管弦楽団(65、67)(EMI) A
演奏自体の評価では、現在バーンスタイン盤が一歩リードしている。しかし、CDのお買い得
度等を考慮すると、一枚選ぶのは難しいので、個々の好みにお任せしたい。演奏も録音もバー
ンスタイン盤の方が上、となると、当然こちらがお薦めとなるのだが、こちらは2枚組で、値
段はクレンペラー盤の約2倍なのだ。それに、演奏の評価が一歩リードしているとはいえ、本
当に一歩程度なので、好みによるところだろう。よって私の考えで簡単にお薦めすることはで
きないのである。バーンスタインとクレンペラーは全く芸風が違うので、「名指揮者紹介」の
ページでよく検討して頂きたい。元々バーンスタインのファンの方、あるいは彼の芸風の方が
好みだと判断した方は、多少高くてもこちらをお買いになればいいと思う。
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☆モーツァルト |
| 戴冠ミサ曲 ★ |
天国的な美しい旋律を創り出すモーツァルトが、声楽曲を創ったとしたらどんなイメージをお持ちにな
るだろうか。実際は、彼の声楽曲で最も有名な作品は次に紹介する「レクイエム」であり、彼らしから
ぬ暗さが充満している。これではモーツァルトの魅力を堪能することはできない。「レクイエム」以外
には、彼は主にミサ曲を作曲したのだが、その中で最もモーツァルティックな魅力に満ちた作品として
は、この「戴冠ミサ曲(あるいは戴冠式ミサ曲)」が最有力候補の筆頭だろう。
全部で6曲から構成されている。1曲目の「キリエ」の冒頭から彼の天国的な美しさ満点である。
あるいは、6曲目の「アニュス・デイ」の旋律の美しさといったらどうだろう。とてもこの世の音楽と
は思えない。2曲目の「グローリア」も次々と出てくる美しい旋律に我を忘れてしまう。
この作品は以上のように旋律がとても親しみやすく、また一曲が短いので、初心者向けである。声楽曲
を聴こうという人は、シューベルトは後回しにしておいて、まずこの作品を聴いて頂きたい。
合唱経験からクラシックを聴こうという人でも、あるいは交響曲やピアノ曲には詳しいが声楽曲には触
れていないという人でも、とにかくこの作品を聴いてほしい。これを聴かないなんて本当にもったいな
い話なのだ。
☆推薦盤☆
・カラヤン/ベルリンフィル(85)(グラモフォン) A
・クーベリック/バイエルン放送交響楽団(73)(グラモフォン) A
・コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団 (?)(エラート)
・マルケヴィチ/チェコフィル(?)(グラモフォン)
「戴冠ミサ曲」の名盤紹介をしている書籍は非常に少ない。よって、また私の主観も交えなが
ら紹介することとなってしまうが、ご了承頂きたい。ちなみに、コープマン盤とマルケヴィチ
盤は録音年とお薦め度が書いてないが、これらのCDを私が所有していないために不明のまま
になってしまった。ご理解頂きたいし、私もなるべく早いうちに二枚とも揃えたいと思う。
ここに選んだ四枚は、国内盤で、かつCD1枚で、発売元が確認できたものである。一番値段
が高いのがマルケヴィチ盤で、約2000円。
演奏からいけばカラヤン盤が一番無難だと思われるが、このCDはバチカンでの祝祭のライブ
録音であり、作品以外の、当時の儀式の様子なども録音されている。曲がばらばらなので、単
純に曲だけを順番通りに聴きたい人にとってはかえって煩わしく感じられるかもしれない。そ
の点では、クーベリック盤は単純に曲だけを聴いていられる。これも演奏は無難である。
コープマン盤は古楽器の演奏なので、古楽器が好きな人向けである。マルケヴィチ盤は聴いた
ことがないので分からない。よって、1枚だけ買う場合にこれを選ぶのは止めた方がいいと思
う。
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| レクイエム ★★ |
モーツァルトの「レクイエム」は彼が亡くなる年に書き進められていた。しかし、病気は段々と重くな
り、いよいよこの作品の進行もままならなくなってしまった。そこでモーツァルトは信頼していた弟子
を呼び、この作品を書き進めるよう指示した。結局、モーツァルトはこの作品の完成をみないうちに生
涯を閉じ、翌年、弟子の補筆を加えた形で完成したのである。全部で14曲からなるが、すべてをモー
ツァルト自身が作曲したわけではないため、この「補筆」に関しては様々な波紋を呼んでいる。CDの
ほとんどは、この「補筆」による楽譜を使用した演奏なのであるが、後に二人のモーツァルト研究家が
補筆した楽譜を使用したCDも出ている。つまり、同じモーツァルトの「レクイエム」でも、CDによ
って曲が違うということが起きてしまっているのだ。ここではこれ以上詳しいことには触れないが、興
味のある方は調べてみるのもいいだろう。
作品の特徴であるが、死を前にしたモーツァルトはもはや聴衆のことは考えず、自分の精神状態を吐露
するかのように、自分のために作曲した。そのため、病気と貧困にあえいでいた晩年でさえ明るい曲を
作曲していた彼ゆえ、それまでの彼には決してそんなことはなかったのだが、この作品は例外的に暗く、
深刻な曲となってしまった。すなわち、彼らしくない曲なのがこの「レクイエム」である。
☆推薦盤☆
・ベーム/ウィーンフィル(71)(グラモフォン) S
最後もやはりモーツァルトを愛してやまなかったベームの登場だ。このCDは他のCDを大き
く凌駕する名盤である。これ一枚あれば他は必要ない。
ちなみに、このベーム盤は従来のオーソドックスな、モーツァルトの弟子が補筆した楽譜を用
いている。他の楽譜による演奏を聴きたい人は、専門の文献、ホームページをあたって下さい。
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