名曲案内〜協奏曲編X〜

(モーツァルト<ピアノ協奏曲第20番>〜<フルートとハープのための協奏曲>)



    
  協奏曲とは、オーケストラを伴奏に、ソロの演奏家が一人で演奏する形式をいい、ヴァイオリン
  協奏曲、ピアノ協奏曲などがあります。主に3つの楽章からなります。
  交響曲と違ってソリストが主役となるので、ソリストの演奏が存分に楽しめ、かつ重厚なオーケ
  ストラの響きも楽しめるという、贅沢なジャンルなのです。
  なお、協奏曲には「カデンツァ」といって、伴奏がストップしてソロだけが演奏する部分が一ヶ
    所ありますが、ソリストだけの演奏を楽しめるという意味で協奏曲の魅力の一つとなっています。
   *推薦盤にある(Vn)はヴァイオリン、(P)はピアノ、(Cl)はクラリネット、
    (Fl)はフルート、(Hp)はハープの略です。

モーツァルト


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☆モーツァルト
作品NO.128 ピアノ協奏曲第20番 ★★★ 2021年5月最新更新
  
 モーツァルトは様々なジャンルにおいて多くの名曲を残しましたが、中でもピアノ協奏曲というジャン
 ルは重要な位置を占めます。そもそも、ピアノ協奏曲というジャンルは、ピアノとオーケストラの共演
 ですから、非常に贅沢なジャンルです。中には1つの楽章が長く、退屈してしまう作品もありますが、
 モーツァルトのピアノ協奏曲は他の作曲家と比べて比較的短く、旋律がチャーミングなのが特徴です。
 モーツァルトの作品の魅力の大きな部分を占めているジャンルなのです。作品数は27と多いですが、
 本当に有名なものはごく一部ですので、ぜひモーツァルトのピアノ協奏曲に触れて頂きたいと思います。
 その中で一番ポピュラーなのは、この第20番とされています。モーツァルトの作品はどのジャンルを
 とっても長調がほとんどなのですが、この第20番は短調です。珍しい暗さが人気なのでしょうか。
 曲調は、叙情的な第2楽章を除けば、まさに慟哭そのものです。この第20番はモーツァルトにしては
 珍しく、聴衆のことを考えずに、内面を吐露した作品ですが、弦の突き刺さるようなダイナミズムは聴
 いていて痛ましささえ感じます。「交響曲第25番」のような感傷的な作品です。

 
全楽章(グルダ弾き振り)
   ☆推薦盤☆    〇アルゲリッチ/アバド モーツァルト管弦楽団(13)(グラモフォン)  SS    ◎グルダ/アバド ウィーン・フィル(74)(グラモフォン)        A    ▲スホーンデルヴルト/弾き振り クリストフォリ(11)(ACCENT)  A    △ハスキル/マルケヴィチ ラムルー管弦楽団(60)(デッカ)       A    △ビルソン/ガーディナー イギリス・バロック管弦楽団(86)(アルヒーフ)A    「弾き振り」とは、ソロ楽器の演奏者が指揮もする演奏スタイルのことです。    アルゲリッチ盤はSS評価と断然で、録音も新しく、カップリングの「第25番」もS評価で    すので当然お薦め度は◎にしたいところなのですが、2番目のグルダ盤はカップリングが次で    ご紹介しているS評価の「第21番」という点を考慮し、CDとしてはグルダ盤を◎としまし    た。この点はお好みでどうぞ。    ▲のスホーンデルヴルト盤は古楽器演奏ですので、そちらの方がお好みの方にはお薦めです。    A評価の「第21番」とのカップリングとお得ですが、ややお高いです。    その他、古くからの名盤とされてきたハスキル盤、古楽器のビルソン盤を挙げておきました。

作品NO.129 ピアノ協奏曲第21番 ★★★ 2021年5月最新更新
 
 ピアノ協奏曲第20番の1ヵ月後に作曲された作品です。モーツァルトのピアノ協奏曲の中でポピュラ
 ーなものといえば、やはり第20番と第27番が双璧で、その後に第23番、第26番、そしてこの第
 21番あたりになるのですが、作品全体の印象としては、祝祭的で優雅な第23番、第26番に遅れを
 とっている感があります。
 ですが、この第21番には、モーツァルトのピアノ協奏曲の中では最も有名と言ってもいい、第2楽章
 があります。この楽章は、映画にも使われましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。ぜひ
 下のリンクからお聴き下さい。この曲のようなチャーミングな曲があるからこそ、モーツァルトの音楽
 を聴くにあたって、ピアノ協奏曲は無視するわけにはいかないのです。
 第1楽章は、モーツァルトのピアノ協奏曲にしてはシンフォニックで、オケに厚みがあり、聴き応えは
 あるのですが、やや冗長になるのが欠点です。その分、第2楽章はヒーリング音楽の粋と言ってもいい
 くらいの魅力に溢れています。

第2楽章(グルダ演奏74年静止画)
 ☆推薦盤☆    ◎グルダ/アバド ウィーン・フィル(74)(グラモフォン)        S    ・グルダ/スワロフスキー ウィーン国立歌劇場管弦楽団(63)(デンオン) S    ・ピリス/アバド ヨーロッパ室内管弦楽団(93)(グラモフォン)     A    〇スホーンデルヴルト/弾き振り クリストフォリ(11)(ACCENT)  A    ▲ブラウティハム/ウィレンズ ケルン・アカデミー(13)(BIS)    A    △バヴゼ/タカーチュ=ナジ マンチェスター・カメラータ(18)(Chandos) A    ・バレンボイム/弾き振り ベルリン・フィル(86)(テルデック)     A    ☆リパッティ/カラヤン ルツェルン音楽祭管弦楽団(50)(ワーナー)       「弾き振り」とは、ソロ楽器の演奏者が指揮もする演奏スタイルのことです。       どうも廃盤が多いようです。グルダの新旧の演奏がS評価となっていますが、旧盤は廃盤中で    すので、新盤を◎としました。このCDは、上でご紹介しているA評価の「第20番」とのカ    ップリングですので非常にお得です。    ピリス盤は廃盤中です。    お薦め度〇のスホーンデルヴルト盤はややお高いですが、A評価の「第20番」とのカップリ    ングですのでお得なCDです。古楽器演奏の方がお好みの方にはお薦めです。    古楽器演奏のブラウティハム盤、現代楽器のバヴゼ盤は、共にカップリングがあまりよくなく、    かつお値段もお高めです。    バレンボイム盤は完全廃盤中です。    リパッティ盤は、ショパンのピアノ協奏曲第1番とのカップリングで、そこでも触れているの    ですが、録音年の割には音質が悪いです。人によってはかなり抵抗があるかもしれません。確    かに、演奏自体は絶品と言ってもいい程で、特に第2楽章は「リパッティ・マジック」が炸裂    しています。これ程繊細なタッチで弾かれると、天国から奏でられているようです。    音質を気にせず、この作品を演奏のみ重視で聴きたい方にはお薦めの歴史的名盤です。

作品NO.130 ピアノ協奏曲第23番 ★★ 2021年5月最新更新
 
 ここでご紹介しているモーツァルトのピアノ協奏曲の中では最も演奏時間が短く、聴きやすい作品です。
 「フィガロの結婚」の前年に作曲されました。
 第1楽章はあたかもセレナーデかのように非常にチャーミングで、まさにモーツァルティックなムード
 が充満しています。それとあまりに対照的に第2楽章は感傷的で、胸に染みいる曲となっています。
 第3楽章のロンドも主題が多彩で魅力的です。

第1楽章(ホロヴィッツ演奏)   第2楽章(グリモー演奏)
 ☆推薦盤☆   ★◎グルダ/アーノンクール アムステルダムCG(83)(テルデック)   SS    〇内田光子/弾き振り クリーヴランド管弦楽団(08)(デッカ)      A    △アシュケナージ/弾き振り フィルハーモニア管弦楽団(80)(デッカ)  A    △内田光子/テイト イギリス室内管弦楽団(86)(フィリップス)     A    ・バレンボイム/弾き振り ベルリン・フィル(89)(テルデック)     A    「弾き振り」とは、ソロ楽器の演奏者が指揮もする演奏スタイルのことです。    グルダ盤が文句なしのベスト盤です。    グルダの演奏は、さすがにモーツァルトのピアノ協奏曲の第一人者というべきか、音色がチャ    ーミングそのものです。次でご紹介しているSS評価の第26番とのカップリングですから、    超お薦め盤です。その割には何と約1000円で買えますので、お値段もお得です。お薦め度    は★です。    なお、グルダは初めての「奇才」アーノンクールとの共演(競演)ということもあって、何と    か名演にはなったものの、二度と共演(競演)することはなかったそうです。モーツァルト演    奏家としてのグルダとアーノンクールの音楽観が結局はかみあわなかったというエピソードで    す。    〇は内田の弾き振り盤としましたが、なぜかお高いです。    アシュケナージの弾き振り盤は9枚組、内田&テイト盤は8枚組のピアノ協奏曲集ですのでか    なりお高く、積極的にお薦めはできません。△にとどめました。    バレンボイム盤は完全廃盤中です。

作品NO.131 ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」 ★★ 2021年5月最新更新
  
 モーツァルトの有名なピアノ協奏曲は、普段の大衆向けに作曲する創作意図とは違い、自分の内面を吐
 露する性格があります。特に、有名な第20番第27番ではそれが顕著です。
 この第26番は副題の通り、レオポルト2世の戴冠式のために依頼作曲されたものですので、本来の明
 るい面、優美な面が存分に出ていまして、チャーミングさでいえばモーツァルトのピアノ協奏曲の中で
 も屈指です。
 第2楽章は、どことなく寂しげな、暗い影を感じさせる部分もあるのですが、結局モーツァルト的「暗
 さ」を表さずに終わってしまうチャーミングな曲です。
 よって、素直に、祝典的、モーツァルティックな作品として楽しめる逸品となっています。

第2楽章(グルダ弾き振り)
 ☆推薦盤☆   ★◎グルダ/アーノンクール アムステルダムCG(83)(テルデック)   SS    ・バレンボイム/弾き振り ベルリン・フィル(89)(テルデック)     A    〇ピリス/アバド ウィーン・フィル(90)(グラモフォン)        A    ・ピエモンテージ/マンゼ スコットランド室内管弦楽団(16)(Linn) A    ▲ビルソン/ガーディナー イギリス・バロック管弦楽団(86)(アルヒーフ)A    △カザドシュ/セル コロンビア交響楽団(62)(SONY)        A        「弾き振り」とは、ソロ楽器の演奏者が指揮もする演奏スタイルのことです。    グルダ盤が1枚抜きんでた評価を得ています。第1楽章はアグレッシブな表現ですが、第23    番と同じく、第2楽章の繊細な表現はチャーミングの極みといえるほどです。このCDはSS    評価の第23番とのカップリングで約1000円と文句なしの超お薦め盤です。    バレンボイム盤は完全廃盤中です。    ピリス盤はお安めですので、これを〇としました。    ピエモンテージ盤は廃盤中です。リンク先はCDではありませんのでご注意下さい。    古楽器演奏の方がお好みの方には、ビルソン盤をお薦めします。    最後のカザドシュ盤は、現在、期間限定盤で1000円以下とお安いです。

作品NO.132 ピアノ協奏曲第27番 ★★★ 2021年5月最新更新
  
 このピアノ協奏曲第27番は、モーツァルトが亡くなった年に書かれ、最後のピアノ協奏曲となりまし
 た。この年は病気と貧困で悲惨そのものの状態でして、生活費を得るために子供の絵本のための童謡ま
 で作曲しましたが、この童謡は、第27番の第3楽章から転用したものです。
 かの天才アインシュタインは、この第3楽章について「この世を去った幼な子たちが天国で遊びたわむ
 れるようだ」と評しました。死を前にしたモーツァルトの音楽がここにあります。モーツァルトの心は
 すでに天に召されていたのでしょうか。

第3楽章(ペライア演奏)
 ☆推薦盤☆    ◎グルダ/アバド ウィーン・フィル(75)(グラモフォン)          S    ・シュタイアー/フライブルク・バロック管弦楽団(07)(ハルモニア・ムンディ)S    〇カーゾン/ブリテン イギリス室内管弦楽団(70)(デッカ)         A    ▲ピリス/アバド モーツァルト管弦楽団(11)(グラモフォン)        A    ・ハスキル/フリッチャイ バイエルン国立管弦楽団(57)(グラモフォン)   A   ☆△バックハウス/ベーム ウィーン・フィル(55)(デッカ)             S評価のCDが2つありますが、古楽器のシュタイアーは廃盤中です。    もう一方のグルダ盤は、モーツァルトのピアノ協奏曲の第一人者グルダということもあります    し、カップリングの第25番もS評価ですので、お薦め度は◎です。悲愴感漂う微妙なニュア    ンスの表現は抜群です。    カーゾン盤が〇、ピリス盤が▲ですが、これは便宜的なもので、どちらもカップリングは「第    20番」ですし、お値段もほぼ同じですので、お好みでどうぞ。    古くから名盤とされてきたハスキル盤は廃盤中です。    最後のバックハウス盤は歴史的名盤として挙げておきました。バックハウスにしては極めて繊    細なタッチで、この作品に込められた真のモーツァルト像を表出します。芸術肌だけに、妥協    を許さずこの作品の本質に迫ろうとする表現はさすがに世紀の巨匠です。英デッカの録音だけ    に、音質は悪くありません。この作品やバックハウスのファンの方にはどうしても聴いて頂き    たい演奏です。カップリングのブラームスのピアノ協奏曲第2番はA評価です。

作品NO.133 クラリネット協奏曲 ★★ 2021年5月最新更新

 クラリネット協奏曲は、モーツァルトが亡くなる年に書かれた作品です。この頃のモーツァルトは病気
 と貧困にあえいでいまして、いかに明るいモーツァルトでも、その時の心境が垣間見えます。第3楽章
 の中間の短調の部分がそうです。こういうモーツァルトの「暗さ」は、室内楽曲の項でご紹介している
 「クラリネット五重奏曲」にも見られます。
 モーツァルトはクラリネットという楽器をことのほか愛しました。友人のクラリネット奏者シュタート
 ラーに捧げるために作ったのが、この「クラリネット協奏曲」と「クラリネット五重奏曲」です。
 第3楽章は、どこかで聴き覚えのある方が多いのではないでしょうか。

第3楽章
 ☆推薦盤☆    〇フレスト/ドイツ・カンマー管弦楽団ブレーメン(10)(BIS)       S    ◎カルボナーレ/アバド モーツァルト管弦楽団(06)(グラモフォン)     S    △ホープリチ/ブリュッヘン 18世紀オーケストラ(01)(グロッサ)     A    ・W・マイヤー/アーノンクール ウィーンCM(98)(テルデック)      A   ☆▲ウラッハ/ロジンスキー ウィーン国立歌劇場O(54)(ウェストミンスター) A        フレスト、ホープリチ、W・マイヤーは共にバセットクラリネットという古楽器を使用してい    ます。    ウラッハ盤が古くからの名盤として君臨してきましたが、54年という録音年が問題なのか、    評価は急落しています。    S評価はフレスト盤とカルボナーレ盤ですが、お値段がかなり違いますので、お安いカルボナ    ーレ盤の方を◎としました。現代楽器と古楽器という違いもありますので、お好みでどうぞ。    ホープリチ盤を△とし、録音の古いウラッハ盤を▲としました。    W・マイヤー盤の伴奏オケ名は「ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」です。音源は間違    いないと思われますが、廃盤中のようです。

作品NO.134 フルート協奏曲第1番 ★★ 2021年5月最新更新
  
 フルートという楽器は独奏楽器としても用いられますが、他の楽器とは何とも言えない絶妙なハーモニ
 ーを奏でます。モーツァルトによる、いわゆる「ヒーリングミュージック」の代表作としましては、下
 でご紹介している「フルートとハープのための協奏曲」を私は挙げたいのですが、フルートのために書
 いた協奏曲は第2番まであります。
 「第2番」は、オーボエ協奏曲を編曲して済ませたため、ここでは「第1番」をご紹介します。
 この作品は、オランダのフルート愛好家の作曲依頼で書かれたものです。モーツァルト自身はクラリネ
 ットが大好きで、フルートはむしろ嫌いだったらしいのですが、第2楽章などはかなり難しく書かれて
 いると言われています。
 嫌いな楽器であっても難曲を書いてしまうのは、プロの作曲職人、あるいは天才と呼ばれる所以なので
 しょうか。
 全3楽章構成で、計25分程度です。モーツァルティックな何とも優美な旋律の第1楽章冒頭から始ま
 ります。

第1楽章
 ☆推薦盤☆    ・パユ/アバド ベルリン・フィル(96)(ワーナー)            SS    ・有田正広/弾き振り 東京バッハ・モーツァルト管弦楽団(06)        A    ・ヒュンテラー/ブリュッヘン 18世紀オーケストラ(91〜94)(デッカ)  A    ・ベザリー/カンガス オストロボスニア室内管弦楽団(05)(BIS)     A    ・ゴールウェイ/マリナー アカデミー室内管弦楽団(95)(RCA)      A    SS評価のパユ盤は、次でご紹介しているカップリングの「フルートとハープのための協奏曲」    がA評価で、特別お高くもないですので、絶対のお薦め★にしたいところなのですが、上から    は廃盤中のEMI盤にしかつながらず、ワーナー盤へ直接はとびません。    このリンクを介してワーナー盤へとぶことは可能なのですが…。    他のCDはすべて廃盤中です。

作品NO.242 オーボエ協奏曲 ★★ 2021年5月最新更新

 この作品は、1920年に、モーツァルト学者のパウムガルトナーによって筆写譜が発見され、「フル
 ート協奏曲第2番」の原曲と認定されました。1777年に作曲されたことは分かっていたのですが、
 楽譜の所在は不明で、1949年になってやっと出版されたという作品です。
 ザルツブルク宮廷楽団のフェルレンディスのために書かれたとされています。
 モーツァルトにはクラリネットやフルート、ホルンなどの管楽器の協奏曲の作品がありますが、オーボ
 エがお好きな方には是非とも聴いて頂きたい逸品です。 

全楽章
 ☆推薦盤☆    ・アルフケン/ミュレヤンス フライブルク・バロックO(06)(ハルモニア・ムンディ)S    ・ホリガー/吹き振り アカデミー室内管弦楽団(83)(デッカ)           S    ◎コッホ/カラヤン ベルリン・フィル(71)(ワーナー)              A    ・グラッツィ/ベルナルディーニ ゼフィーロ(06)(Arcana)         A    〇ブライネ/モンゴメリー 18世紀オーケストラ(15)(グロッサ)         A                         S評価のアルフケン盤は廃盤中のようです。    同じくS評価のホリガーの新盤は、この作品の定盤でした。吹き振りというのは、演奏者が指    揮もする形態のことです。CDの特定ができませんでしたので、廃盤中かもしれません。    ホリガーには旧盤もありますのでご注意下さい。    コッホ盤は国内盤がありますので、◎としました。    グラッツィ盤は、おそらく同じ音源だと思われますが、6枚組でかなりお高いですので、お薦    めできません。    ブライネ盤を〇としましたが、お高いCDです。古楽器の演奏の方がお好みの方には、こちら    の方がお薦めです。

作品NO.135 フルートとハープのための協奏曲 ★ 2021年5月最新更新
  
 フルートとハープの共演で、しかもモーツァルト作曲ならばどんな曲になるのか想像してみて下さい。
 ご想像の通り、モーツァルトのあらゆる作品の中でもその雅なこと、優美なことといったら特筆もので、
 まさに天国的な音楽がここにあります。いつまでもこの音楽美の中に浸っていたいと思わせられます。
 初心者の方にとっても、難しくもなんともありません。音色、響きそのものが芸術なのです。この作品
 を聴いていると、いえ浸っていると、余計なことはすべて忘れて音楽美の中に身をゆだねることができ
 ます。まさに純音楽のヒーリングの極みのような作品です。
 この作品の純音楽的美しさに満足できないのならば、モーツァルトとは絶対的に相性が悪いということ
 になるでしょう。

全楽章
 ☆推薦盤☆    ・ヴォルフ(Fl)吉野直子(Hp)/WCM(99)(テルデック)          S    ◎ランパル(Fl)ラスキーヌ(Hp)/パイヤール室内O(63)(エラート)     S    ・パユ(Fl)ラングラメ(Hp)/ベルリン・フィル(96)(ワーナー)       A    ・ハーツェルツェト(Fl)クワスト(Hp)/アムステルダムBO(93)(エラート) A    ・ズーン(Fl)ベルモンド(Hp)/モーツァルト管弦楽団(08)(グラモフォン)  A    ヴォルフ&吉野直子盤は廃盤中のようです。。    ランパル&ラスキーヌ盤は以前は断然のSS評価で、しか約1000円ですので、超お薦め盤    だったのですが、近年評価が下がっています。ですが、唯一お薦めできるのはこれしかありま    せんので、お薦め度は◎としました。    パユ&ラングラメ盤は、上でご紹介しているカップリングの「フルート協奏曲第1番」がSS    評価で、特別お高くもないですので、お薦め度は◎にしたいところなのですが、上からは廃盤    中のEMI盤にしかつながらず、ワーナー盤へ直接はとびません。このリンクを介してワーナ    ー盤へとぶことは可能なのですが…。    他のCDはすべて廃盤中のようです。

作品NO.243 ホルン協奏曲全集 ★★ 2021年5月最新更新
  
 モーツァルトは4つのホルン協奏曲を作曲していますが、第1番は、亡くなったために第1楽章しか完
 成されていませんし、第3楽章はありません。また、作曲順では、第2番、第4番、第3番、第1番と
 なる点で、珍しい作品群ということになります。
 特に有名なのは第3番です。ホルンのほのぼのとした音色や、華やかさが魅力的で、伴奏のオケの充実
 さが奥行きを持たせています。

第3番全楽章
 ☆推薦盤☆    ◎モンゴメリー/エイジ・オブ・インライトゥンメント(12)(Sihnum Classics) S    〇ブレイン/フィルハーモニア管弦楽団(53)(ワーナー)           S    ▲ハルステッド/エンシェント室内管弦楽団(93)(オワゾリール)       A    △バウマン/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(73)(テルデック)    A        4つの作品の全集ですが、録音時間は1時間弱ですので、CDは1枚で足ります。    S評価のCDが2枚あります。モンゴメリー盤は古楽器演奏です。こちらを◎としましたが、    非常にお高いです。ブレイン盤は推薦盤の中では唯一の現代楽器での演奏で、古くからこの作    品の定盤として名高いCDです。録音が古いですので〇にしましたが、音質を気になさらない    方、現代楽器での演奏がお好みの方にはこちらの方がお薦めです。お値段もお安めです。    ▲はハルステッド盤としました。△のバウマン盤はSACDしかなく、かなりお高いですので、    あまりお薦めはできません。


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