名曲案内〜協奏曲編X〜
(YOSHIKI〜ロドリーゴ)



    
  協奏曲とは、オーケストラを伴奏に、ソロの演奏家が一人で演奏する形式をいい、ヴァイオリン
  協奏曲、ピアノ協奏曲などがあります。主に3つの楽章からなります。
  交響曲と違ってソリストが主役となるので、ソリストの演奏が存分に楽しめ、かつ重厚なオーケ
  ストラの響きも楽しめるという、贅沢なジャンルなのです。
  なお、協奏曲には「カデンツァ」といって、伴奏がストップしてソロだけが演奏する部分が一ヶ
    所ありますが、ソリストだけの演奏を楽しめるという意味で協奏曲の魅力の一つとなっています。
   *推薦盤にある(Vn)はヴァイオリン、(P)はピアノ、(Cl)はクラリネット、
    (Fl)はフルート、(Hp)はハープの略です。

YOSHIKI     ・ラフマニノフ     ・ラロ

ラヴェル     ・リスト     ・ロドリーゴ


協奏曲編T(ヴィヴァルディ〜シューマン)へ     ・協奏曲編U(ショパン〜ハチャトゥリアン)へ

協奏曲編V(バッハ〜プロコフィエフ)へ    ・協奏曲編W(ベートーヴェン〜モーツァルト)へ




☆YOSHIKI
ピアノ協奏曲「Anniversary」  ★★

 YOSHIKIは超人気ロックバンド「X JAPAN」のドラムとピアノを担当するリーダーである。
 1997年に「X JAPAN」は一度解散されたが、同バンド在籍中から、個人として作曲活動、音
 楽プロデュース活動を行っており、クラシックにも造詣が深かったことをご存知の方も多いと思う。 
 YOSHIKI自身について詳しくお知りになりたい方はこちらをどうぞ
 好きな作曲家はバッハで、「YOSHIKI・セレクション」として、本人のお薦めのクラシック曲を
 オムニバスで収録した、以下の2枚のアルバムもリリースした。

  ・YOSHIKI SELECTION
  ・YOSHIKI セレクション2

 そのYOSHIKIが、1999年、11月12日に行われた「天皇陛下御即位十年をお祝いする国民
 祭典」で奉祝曲として作曲及び生演奏を依頼されたのが、このピアノ協奏曲「Anniversary」である。
 anniversaryという単語の和訳は、「記念」で、まさにこの日一回のためだけに作曲された。
 ちなみに、真相はさだかではないが、「X JAPAN」の大ファンでよく知られている小泉純一郎元
 総理大臣の推薦もあったとか(?)
 曲調はショパンやシューマンのように旋律が美しい(いかにもYOSHIKIらしい旋律に満ちている)
 曲だが、YOSHIKI独特の世界であり、本人によると、天皇陛下の現在までの御足跡を描いた曲で
 あると言うように、起伏があり、スケールの大きな曲である。「クラシック」として聴いているピアノ
 協奏曲と何ら変わりはない。演奏時間は約7分で、楽章は1つ。
 CDとしては、下記の2枚組のアルバムに収録されている。99年当時は単品のDVDもあったそうな
 のだが、今では極めて入手困難である。
  
  ・Eternal MelodyII (コロムビア)  

 けれども、せっかくこのサイトを見て頂いている方々のために、何とか当日の生演奏の様子を見る方法
 を発見した。当日のテレビ放送のビデオ録画なので、超貴重映像である。

 ・「天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典」奉祝曲「Anniversary」 YOSHIKI

 更に、2002年に行なわれた東京国際フォーラムでの「YOSHIKI Symphonic Concert」でもこの曲が
 演奏され、ライヴ映像が収録されているDVDがある。

 ・YOSHIKI Symphonic Concert 2002(コロムビア)

 このDVDでもAnniversaryを鑑賞することができる。オケは東京シティ・フィル。

 しかし!このDVDのAnniversaryの映像をも発見した。いつ削除されるか分からないので、興味のある
 方はお早めにどうぞ。特にYOSHIKIのファンの方は必見!

 ・Yoshiki Symphonic Concert - Anniversary
   

☆ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第2番  ★★★
   
 ラフマニノフは、本来名ピアニストである。今では作曲家としての方が有名だが、マーラーやクライス
 ラーと同様である。自分の技術や音楽性を表現するために作曲もしたのだが、最も有名な曲が、この「
 ピアノ協奏曲第2番」である。
 この協奏曲の最も象徴的な楽章は第2楽章である。この世の淋しさ極まりない曲で、ラフマニノフが作
 曲中、極度の神経衰弱に陥ったほどである。そう書くと聴きたくなくなる方がいそうだが、いい意味で
 は、芸術性が高く、メランコリックな楽章といえるだろう。旋律が何とも美しい。
 第1楽章、第3楽章にもそういうムードは流れているが、豪快で、スケール雄大な性質の方が前面に出
 ている。第2楽章とは対照的にシンフォニックで、ドラマチックな音楽である。

第2楽章
 ☆推薦盤☆  ・リヒテル/ヴィスロツキ ワルシャワ国立フィル(60)(グラモフォン)S かなり売れてます!  ・アシュケナージ/ハイティンク アムステルダムコンセルトヘボウ(84)(デッカ) A  ・ラフマニノフ/ストコフスキー フィラデルフィアO(29)(RCA)      ↑A  ・ル−ビンシュタイン/オーマンディ フィラデルフィアO(71)(RCA)     B  ・ツィマーマン/小澤 ボストン交響楽団(00)(グラモフォン)          B      リヒテル盤は今もってダントツの評価を受けており、この曲のベスト盤として揺るぎない地位    を確立している。特に第2楽章のセンチメンタルな表現は絶品である。カップリングのチャイ    コフスキーのピアノ協奏曲第1番も名演なので、CDとしても文句なくS評価である。    リヒテル盤は音が古いという方には、録音の新しさと美音が魅力のアシュケナージ盤がお薦め。    B評価のルービンシュタイン盤は評価は劣るが、往年の大巨匠たるスケールの大きな演奏であ    る。カップリングはリヒテル盤と同じくチャイコフスキーなので、リヒテルが嫌いでルービン    シュタインが好きな方にはお薦め。    ツィマーマン盤は、B評価というよりも無評価に近いのだが、話題性は非常に高いCDなので    紹介しておきたい。リンク先のページで伺えるレヴューは他のCDに比べ異常に多く、このC    Dの話題性の高さを物語っている。簡潔に言えば、賛否両論。この曲のベスト演奏と評価する    リスナーも多く、理由には、ツィメルマンの、感情が存分に込められた、繊細でありながらも    輪郭のはっきりしたタッチや、ピアノの旋律の聴かせ方、音質の良さが挙げられている。    ツィマーマンは主観性の強いピアニストなので、好みが分かれる傾向にある。ファンの方はお    分かり頂けると思うが、ツボにハマった時は、これ以上ないという演奏をすることが多いのだ    が、その点が表裏一体な面もあり、好みでない人にとっては、彼の解釈がデフォルメ的で不自    然に感じられたりと、どうしても賛否両論になってしまう。    よって、私としては、彼のファンには宝物になりうる可能性があるだけに絶対にお薦めしたい    し、食わず嫌いの方には、彼の演奏スタイルを知る意味で、一聴の価値はあるとしたい。    最後に、極めつけの演奏を1枚。何と、ラフマニノフの自作自演の録音が存在するのだ。19    29年の録音ゆえあまりに音質は貧弱だが、この曲、あるいはラフマニノフのファンの方は絶    対に持っておきたいところ。この演奏自体、80年経った今なお充分B評価に値するCDで、    音質の割には評判も良いということ自体が凄い。よって、今なお評価されている点と、個人的    に、第2楽章の病的なまでにメランコリックな演奏は、やはり作曲者ならではの味がある点を    考慮してA評価とした。    なお、自作自演についてだが、クラシックの世界では、自作自演が「最も楽曲の解釈が正しい」    演奏かもしれないが、それだけで評価が高いということはない。むしろ、自作自演の演奏は評    価が低いのが一般的である。ここがクラシック音楽の奥が深いところ。楽曲の解釈が正しいの    かそうでないのかという学問的な問題に捉われず、演奏家とは、与えられた楽譜でいかに聴く    人を喜ばせられるか、感動させられるかということを探求、演奏するのが仕事であり、作曲者    が意図した以上の演奏をできるかどうかが勝負である。作曲家が自作の初演で指揮をするのは    当然の慣習であったが、初演は不評に終わり、他の指揮者の名演によって楽曲の価値が高まっ    たケースは数え切れない程あるという。
ピアノ協奏曲第3番  ★★★
   
 ラフマニノフのピアノ協奏曲といえば、圧倒的に第2番が有名だが、第3番も演奏される機会が多い。
 さすがに第2番ほどのメランコリックな魅力では劣るが、共通点は多く、第2楽章は非常に叙情的であ
 る。スラブ的な情緒に溢れている。そして、全体的に内に秘めた哀しさが漂っている。
 メロディは全体的に抑制され、第2番よりも一層技巧的になっており、ソロのピアノが非常に難解な曲
 なので、テクニシャンの技巧を味わうという意味での鑑賞にも向いている曲である。

 ☆推薦盤☆
 ・ホロヴィッツ/ライナー RCAビクター交響楽団(51)(RCA)         S
 ・アルゲリッチ/シャイー ベルリン放送響(82)(フィリップス)  A かなり売れてます!
 ・アシュケナージ/ハイティンク アムステルダムコンセルトヘボウ(85)(デッカ)  A
 
   ホロヴィッツ盤が歴史的名盤としての地位を確立しており、S評価をつけた。さすがに20世
   紀を代表するテクニシャンだけに、技あり、スリルありの凄演で、聴く者を飽きさせない。
   ただ、やはり問題なのは51年という録音の古さである。そこで、録音の新しい演奏を2種選
   んだ。この曲の名盤にはホロヴィッツやアシュケナージの旧盤が多く、それらもA評価に値す
   るのだが、録音年が古くなるだけなのでここでは割愛した。
   アシュケナージ、アルゲリッチともに録音が新しいので、ホロヴィッツの録音の古さに抵抗が
   ある方には、こちらのいずれかがお薦めだ。評価自体は甲乙つけがたいが、アルゲリッチ盤は
   1000円で、しかも彼女の十八番、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番とのカップリン
   グなので、CDとしてはこちらの方がお得ということになる。  

☆ラロ
スペイン交響曲  ★★★
   
 この曲の作曲者ラロは、曲名の通り、珍しいスペインの作曲家である。一般のクラシックファンには、
 ほとんどこの1曲だけしか知られていない。パッヘルベルの「カノン」のように、この曲はラロの代名
 詞ともいえる曲である。
 この曲は「交響曲」という名はついているが、完全なヴァイオリン協奏曲である。ラロが「ヴァイオリ
 ン協奏曲第2番」を自ら「スペイン交響曲」と名づけた。その理由としては、協奏曲としては珍しい5
 楽章構成である点や、伴奏のオケに厚みをもたせたり、管弦楽法に力を注いだためだという。
 また、20世紀半ばまでは、第3楽章をとばして4つの楽章しか演奏しないスタイルが主流だったのだ
 が、現在では、録音においてはしっかりと5楽章全部を演奏している。しかしコンサートなどでは、未
 だに4楽章しか演奏をしないスタイルも稀にあるらしい。

 ☆推薦盤☆
 ・グリュミオー/ロザンタール ラムルー管弦楽団(63)(フィリップス)      SS
 ・デュメイ/プラッソン トゥールーズ市立管弦楽団(88,89)(EMI)      A
 ・チョン・キョンファ/デュトワ モントリオール交響楽団(80)(デッカ)      B
 ・パールマン/バレンボイム パリ管弦楽団(80)(グラモフォン)          B

   この曲においては、グリュミオーのCDが1枚あれば他はいらないといってもいいほどである。
   何しろ3番手のキョンファ盤、パールマン盤でさえB評価であるのだから、おそらくこの演奏
   を超えるものは当分出てこないだろう。しかも、このCDは同じくSS評価のサンサーンスの
   ヴァイオリン協奏曲第3番とのカップリングで1000円。とんでもないCDだ。
   録音年が気になったり、デュメイのファンである方にはデュメイ盤がお薦め。
   B評価の2枚も、普通に考えれば名演なので、両ヴァイオリニストのファンの方は買われても
   いいと思って推薦した。

☆ラヴェル
ピアノ協奏曲  ★★
   
 この曲を紹介するにあたっては、ラヴェルの音楽というものについて簡単に触れさせて頂きたい。
 ラヴェルは1937年まで生きた現代の作曲家で、何と言っても管弦楽曲の「ボレロ」が有名だが、彼
 の音楽は至って現代風、20世紀風であり、ロマン派の、いかにも「クラシック」という音楽とは少々
 趣が違う。ロマン派の時代では用いられなかった打楽器などが頻繁に使用されたり、ジャズや民族音楽
 風の要素が採り入れられたりで、楽器の使われ方や曲調、ムードが違うのである。
 その作風が、この「ピアノ協奏曲」にも顕著に表れている。
 この作品は、モーツァルトやショパン、グリーグのピアノ協奏曲のように、ピアノが奏でる旋律が美し
 かったり、あるいはベートーヴェンやブラームスのように、オーケストラがぶ厚く、スケールの大きい
 ピアノ協奏曲ではない。その点ではむしろ、ここで紹介しているYOSHIKIの作品の方がよほどク
 ラシックのピアノ協奏曲という印象を受ける。よって、初めてこの作品を聴かれる方は、ラヴェル以前
 の、18世紀、19世紀のピアノ協奏曲とは趣が異なるという点を念頭に置いておく必要がありそうだ。
 ただ、第2楽章だけは、ピアノソナタのような曲で、叙情的な曲である。
 第1楽章、第3楽章は、ジャズやエキゾチックなリズムがふんだんに散りばめられており、ゆっくり音
 楽を聴くというよりは、リズムやピアニズムを楽しむといった性質の曲である。よって、ピアノファン
 はもちろん、ジャズピアノがお好きな方にもかなりお薦めしたい作品である。とてもかっこいい。
 作品は全3楽章。演奏時間は20分弱。ラヴェルの代表作である。 

 ☆推薦盤☆
 ・フランソワ/クリュイタンス パリ音楽院管弦楽団(59)(EMI)     S
 ・ミケランジェリ/グラチス フィルハーモニアO(57)(EMI)      A
 ・アルゲリッチ/アバド ベルリン・フィル(67)(グラモフォン)      A
 ・アルゲリッチ/アバド ベルリン・フィル(67)(グラモフォン)      A
 ・アルゲリッチ/アバド ロンドン交響楽団(84)(グラモフォン)      A

   この作品は即興的な要素が強いので、即興派、天才肌の3人のピアニストの演奏の評価が高い。
   中でも、S評価と一歩抜けているのがフランソワ盤。SS評価までもう少しで、「協奏曲の鬼」
   アルゲリッチを差し置いてのトップ評価というのは価値があるのでは。第1、第3楽章の目ま
   ぐるしい動きなど、ファンタジーやスリル一杯で、即興派の彼の持ち味が如何なく発揮された
   演奏。カップリングは同時期にラヴェルが作曲した、「左手のためのピアノ協奏曲」。お値段
   もお手ごろなので、私は一番にお薦め。
   2番手以降は同じA評価なので、横並びとお考え頂きたい。
   ミケランジェリ盤は、輸入盤。数少ない彼のレパートリーの中の2曲が収録されている。カッ
   プリングのラフマニノフの「ピアノ協奏曲第4番」はA評価なので、CDとしての価値も充分。
   ただ、好みの分かれるピアニストなので、ファンには絶対にお薦めしたい1枚としておきたい。
   アルゲリッチ盤は3種類挙げてあるが、上の2枚は67年の旧録音の音源。
   67年というとアルゲリッチが20代の録音で、若々しく、いかにも天才肌らしい快演。彼女
   の方がフランソワよりはクセがないので、より無難なのはこちらか。
   上のCDは、SS評価のプロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」とのカップリングで、やや
   お高いが、かなり価値の高いCD。下のCDは、ラヴェルのピアノ作品とのカップリングで、
   1000円。プロコフィエフはいらないという方はこちらで充分であるし、お値段を考えれば、
   フランソワ盤やミケランジェリ盤も含め、このCDが一番お薦めかもしれない。
   最後の84年録音のアルゲリッチ盤の評価は、67年の旧録音とほとんど甲乙付けがたい。
   旧録音の17年後ということで、第2楽章が、旧録音よりも味わいを増しているとのこと。こ
   のCDは輸入盤で、しかもお高いが、その分、カップリングはラヴェルの「左手のためのピア
   ノ協奏曲」やピアノ独奏曲「クープランの墓」など、充実している。

☆リスト
ピアノ協奏曲第1番  ★★★
   
 リストは音楽史上最大のピアニストと呼ばれているが、彼が作曲したピアノ協奏曲は2曲だけで、演奏
 機会や録音が多いのはこの「第1番」である。第1番、第2番、そして彼の曲の「ピアノ・ソナタ」に
 共通していることは、楽章ごとの区切りをつけず、最初から最後まで続けて演奏することである。これ
 は彼独自の作曲法である。
 また、通常協奏曲は3楽章形式なのだが、この「第1番」は4楽章形式で(「第2番」は6楽章形式)、
 一気に演奏する。CDでは短い第2楽章と第3楽章を一つの区切りにしているものが多いようだ。
 曲風は、やはり本職がピアニストだからであるのか、伴奏のオケが壮大で迫力があるといった感じでは
 なく、あくまで独奏のピアノに重きをおいているスタイルである。よってピアノの音色を存分に楽しむ
 曲である。その意味では、オーケストラファン向きというよりは、ピアノファン向けの協奏曲である。

第1楽章
 ☆推薦盤☆  ・アルゲリッチ/アバド ロンドン交響楽団(68)(グラモフォン) SS かなり売れてます!  ・リヒテル/コンドラシン ロンドン交響楽団(61)(フィリップス) S    まず2番手のリヒテル盤だが、3番手以下を完全に突き放し、このCD自体が充分にS評価に    値する。よってこのCDを買われても全く問題ないだろう。    しかし、更に上にはリヒテル盤をも大きく突き放す完全無欠といってもいいアルゲリッチ盤が    ある。リヒテル盤でさえS評価なのだから、アルゲリッチ盤はSS評価である。彼女のファン    にとっては、同曲1位のSS評価であるショパンの「ピアノ協奏曲第1番」とのカップリング    のCDなので、絶対に持っておきたいCDだ。    この2枚の評価が抜きんでていて、他は無評価といってもいい状況なので、A評価、B評価の    CDは挙げられない。この2枚のいずれかがあれば充分ということなのだろう。    リヒテルファンにはリヒテル盤を、そうでない方にはアルゲリッチ盤をお薦めしたい。      
☆ロドリーゴ
アランフェス協奏曲  ★★
 
 ギターは弦楽器のリュート属に属する。リュートはハイドンの頃に完全に衰退し、クラシック音楽で使
 用される、いわゆるクラシックギターは、古典派の時代から使用されていた(余談だが、例えばモーツ
 ァルトのオペラ「フィガロの結婚」では、登場人物がギターを弾くシーンがある)。そして現在に至っ
 ているのだが、現在ではバンドで使用されるエレキギターの方が主流であるのは周知の通りである。
 ギターについて詳しくお知りになりたい方は、他のサイトをあたって下さい。
 クラシックにもギターの協奏曲があるのだということをご紹介したく、この曲を採り上げてみた。
 作曲家のロドリーゴは20世紀生まれで、99年まで生きた現代の作曲家である。作曲家としては非常
 に影が薄いが、20世紀のクラシックギター曲というジャンルの第一人者的存在。代表曲が、このアラ
 ンフェス協奏曲である。この作品は何と、中学生の音楽の教科書に載っている。
 この曲は、作曲者の故郷スペインのムードが漂う協奏曲で、3楽章から構成されている。協奏曲とは言
 っても、やはりロマン派のベートーヴェンやブラームスらのオーケストレーションとは全く違った雰囲
 気で、クラシックというよりも、むしろ現代音楽の印象が強い。
 見事なのは、情熱的で快活な両端楽章と、ギターならではの、哀愁漂う第2楽章との対比である。
 ギターがお好きな方には、たまらない魅力を持っている傑作の一つ。

 ☆推薦盤☆
 ・ウィリアムス/フレモー フィルハーモニア管弦楽団(83)(SONY)    S
 ・イェペス/ナバロ フィルハーモニア管弦楽団(79)(グラモフォン)     S
 ・村治佳織/山下一史 新日本フィル(99)(ビクター)            B

   この曲は、協奏曲とはいえ、オケがあまり前面には出てこないので、結局ソリストであるギタ
   リストで決まるようだ。よって、評価の高い演奏は、ジョン・ウィリアムスかナルシソ・イェ
   ペスの録音年の違うCDで占められている。要はどちらをとるかの二者択一の好みの問題であ
   るよう。推薦盤に挙げたS評価の2枚は、両者の代表盤で、ややウィリアムス盤がリード。
   この曲のファンの方は、是非聴き比べをお薦めしたい。どういう曲なのか気軽に接したい、あ
   るいは、CDは1枚でいいという方は、千円とお安いイェペス盤の方がお薦め。
   村治佳織は、日本のクラシックギター奏者としてはトップの存在で、CDもかなりリリースし
   ている。美人音楽家(芸能人の誰かに似ている気がする)なので、店頭で彼女のCDのジャケ
   ットを見かけたことのある方は多いのでは。
   B評価とはいえ、両巨頭がいる中で健闘している方である。
   個人的にファンの方は、何としても持っていたい。 
  


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